2026年4月 紙類通関統計原本等(組合員に限る)

2026年4月 紙類輸出通関統計(原本)

2026年4月 紙類輸出通関統計月次ファイル

2026年4月 紙類輸出通関統計税関別HSデータ

2026年4月 紙類輸入通関統計(原本)

2026年4月 紙類輸入通関統計月次ファイル

2026年4月 紙類輸入通関統計税関別HSデータ

2026年4月 紙類輸入通関統計税関別品目別ファイル

紙類海外動向レポート
2026年第15号 2026年6月

CONTENTS
海外動向トピックス
*IPがNORPAC を買収 米国西部市場での段ボール事業で存在感を強化
*IP 欧州市場における段ボール・紙包材事業の再編成
*Smurfit Westrock 英国・オランダの一部再生段ボール工場の閉鎖に向け協議開始
*インド政府 輸入白板紙(アイボリー)に対する最低輸入価格適用を9月末まで延長
*メキシコ政府 オーストリア・フィンランド・スウェーデン産輸入箱用白板紙に対しダンピングの実態調査を開始
主要海外市況(5月度)
中国・香港・東南アジア市況
北米市況
欧州市況
【統計】3月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】3月 米国紙・板紙輸入

海外情報トピックス

*IPがNORPAC を買収 米国西部市場での段ボール事業で存在感を強化

IP(International Paper)は、米国紙・板紙メーカーのNORPAC(North Pacific Paper Company)を3.6億㌦で買収することで合意した。

NORPACは、2016年にOne Rock Capitalにより買収された後、同社唯一の工場であるLongview工場(ワシントン州)において3台のマシンで、新聞用紙・中質印刷用紙・再生段原紙・クラフト紙(合計約100万㌧)を生産してきた。収益性を確保すべく、これまで新聞用紙から包装用紙中心に転換を進めており、本年5月1日を以て新聞用紙生産から完全撤退することが発表されていた。

IPは、Campti工場(ルイジアナ州)やRiceboro工場(ジョージア州)など、2025年以降年産合計約180万㌧相当の再生段原紙の生産削減を行なっている(北米全体で行われた同期間における生産削減約380万㌧のおよそ半分に相当)。IPは買収完了後、NORPAC/Longview工場の新聞用紙生産は休止する一方、段原紙及びクラフト紙の生産は継続することを明らかにしている。

IPではこれまで、西海岸市場においてはSpring Field工場(オレゴン州)1カ所にのみ段原紙の生産工場を有していたが、今回の買収は、Longview工場における再生段原紙、及びクラフト紙の生産設備を組み入れることで、段ボール・包装関連製品に特化した生産基盤を確保し、現在同社が米国の他の地域で進めている生産能力の削減との整合性を保ちつつ、成長分野である包装ビジネスに資源を再配分集中する狙いがあると位置づけられる。

*IP 欧州市場における段ボール・紙包材事業の再編成

International Paper(IP)は、DS Smith(DSS)の買収の後(2025年1月完了)、当初は北米で生産された段原紙を欧州で段ボールに加工する グローバルな垂直統合シナジー効果を戦略の一つとしていたが、市況悪化・欧州需要の伸び悩み等により、構想は十分に機能せず、現在は北米とEMEA(欧州・中東・アフリカ)を分離し、それぞれ地域毎独立した組織により、適正規模へ事業を組み替える方向への戦略転換を行なっている。

EMEAでは、(旧)DSSを中心とした資産を統合した新会社を設立、2027年前半までにスピンオフする計画で、過剰能力・低採算拠点の整理を優先的に進めている。例えばフランス・ポルトガル・スペインの段ボール・シート工場の同業Palm社への売却計画、スペインのカ

タルーニャ州・マドリード近郊の段ボール工場の閉鎖(2025年末)、さらに2026年にはスペイン3工場(バルス、モンブラン、グリニョン)の追加閉鎖の決定、英国Launceston工場などの閉鎖協議の開始など、段ボール・紙包材の生産拠点を段階的に削減・再配置している。また、旧DSSのスロバキア、スロベニア拠点でも機能集約により効率化を進めている。

一方で北米では、約180万トン規模の段原紙生産能力削減、Riverdale工場の非塗工上質紙から再生段原紙への転換、NORPAC社段原紙工場の取得(上述)などを通じ、不要能力の削減+段ボール・包材向けへ再投資を通じて、一貫生産体制を組みなおし、競争力強化を図っている。

IPの欧州段ボール事業再構築は、当初のグローバル垂直統合・拡大志向 から、地域ごとに事業規模を絞り込み、収益性を重視したポートフォリオの再編 へと戦略が転換している様子が窺える。その結果、欧州では余剰・低採算事業を切り離し、将来のEMEA専業会社の収益性を高め、また北米では、中核市場として選択的な再投資を行ない、持続的な利益獲得体制を整える、二極構造へ移行が進んでいると思われる。

*Smurfit Westrock 英国・オランダの一部再生段ボール工場の閉鎖に向け協議開始

一方、Smurfit Westrock(SW)も、英国バーミンガムの再生段ボール原紙工場(ライナー・中芯、年産20万トン)と、英国・オランダの計4カ所の段ボール加工工場について、閉鎖の可能性を前提とした協議を5月15日から6週間かけて実施する。閉鎖された場合も、英国Townsend Hook工場(年産25万トン)でからの生産出荷に切り替え、英国・アイルランド市場向けの供給が継続される。これにより約130人の従業員が影響を受ける見込みで、厳しい市場環境に対応しつつ、英国での製造拠点を最適化して長期的な競争力を確保することを目的とする。なお英国では、上記項の如くIPも、コーンウォール州Launceston工場の段ボール工場閉鎖に向けて協議中と伝えられている。

*インド政府 輸入白板紙(アイボリー)に対する最低輸入価格適用を9月末まで延長

インド政府は、バージンパルプベースの多層抄き白板紙(アイボリーボード)輸入品について設定している最低輸入価格(MIP)を、2026年9月末まで延長した。対象はHSコード48059100、48059200、48059300、48109200、48109900で、昨年8月以来暫定的に適用されていたCIFベースの最低価格67,220ルピー(約709ドル)はそのまま据え置きとなる。

MIPはEOU(100%輸出型ユニット)やSEZ(特別経済区)向けの輸入、事前認可・免税輸入スキームの輸入には適用されず、国内関税区域で販売しないことなどが条件である。

この背景には、中国・チリ・インドネシアからのFBB、SBS、カップ原紙、液体包装用板紙(140~450g/㎡)の輸入急増があり、インド政府は国内産業保護のため、反ダンピング(AD)および相殺関税(CVD)の導入に向けた調査を進めている。中国・チリ品については2024年10月からAD調査が行われ、2025年9月にはAD関税賦課が勧告されているものの、財務省の最終決定はまだ出ていない。インドネシア品も2025年半ば以降AD調査中であり、さらに2026年3月には中国・インドネシア品に対するCVD調査も開始された。こうしたAD・CVDの最終発動までに時間を要するなか、インド政府はMIPを暫定的・補完的な保護措置として位置づけ、最終的なAD・CVD関税が確定するまでの間、過度に安価な輸入を抑制しつつ、不公正貿易の有無を精査し、国内製紙業界の利益保護と市場安定を図ろうとしていると見られる。

*メキシコ政府 オーストリア・フィンランド・スウェーデン産輸入箱用白板紙に対しダンピングの実態調査を開始

一方でメキシコ政府も、国内大手メーカーであるProductora de PapelとCartones Ponderosaの申立てを受け、オーストリア・フィンランド・スウェーデン産の輸入箱用白板紙(食品・飲料・医薬品などの包装用途向け)について、ダンピング販売の有無を調査開始した。対象期間は2024年8月~2025年7月で、HS Code 4810.13.07/29.99/32.01/39.99/92.01/99.99に該当する塗工・非塗工の白板紙が対象。

申立てによれば、2022年8月~2025年7月の間にこれら3か国からの輸入量が急増、低価格販売により国内産業に打撃を与えたというもの。現在、3か国からの当該品には原則25%の関税が課されているが、ダンピングが認定されれば、昨年10月から暫定的に適用されている中国産白板紙に対する暫定的ダンピング税(370.2ドル/㌧、実質約60%程度の税率に相当する)と同程度の追加課税が導入される可能性がある。なお、中国産白板紙に対するアンチダンピング税の最終決定は、近々行われる見込みとなっている。

主要海外市況(5月度)

中国・香港市況

[印刷用紙]

中国市場の4月度の印刷用紙は、コート紙・上質紙ともに弱含みでの推移となった。コート紙の月平均価格は前月比▲1.79%、上質紙は同▲1.35%となった。需要の低迷と在庫圧力から、流通業者からの値下げが多く見受けられ、出版案件の入札が低価格で決着したことも、市場心理に影響を与えた模様である。また、輸入パルプ価格は国内在庫販売価格に引きずられ、いまだに下落傾向にあり、コスト面からの値上げを支えるインセンティブが弱まっている。今後5月度は依然として軟調な地合いが予想されるが、6~7月には出版需要も徐々に上向いて、販売価格も上昇が期待される。一方、新増産のマシンの稼働や、需要の脆弱さが続くことから、値上げ幅は限定的にとどまると予想される。

香港市場の上質紙は、APRILが12月/3月でそれぞれ$20-の値上げを実施、4月分でも更なる値上げを検討していたが、中東情勢の悪化に伴って、需要の一層の低下を引き起こし、値上げは保留となっている。コート紙は、APPが本年に入り度々値上げの機会を窺ってきたが、旧正月前後の荷動きの低迷から、以降も値上げの実現には至っていない。中東紛争の影響による原油価格、海上輸送コストの高騰から、5-6月での値上げ($30-程度)が再度打ち出された。茂林も5月からの$30-の値上げと供給数量の制限を発表している。

[板紙]

中国市場における段ボール原紙の4月の平均価格は、中芯が前月比▲2.66%、ライナーは同▲0.56%となった。大手製紙メーカーが、月初までの価格維持の方針を、中旬以降は値上げへと方針を転換したことにより、市場心理に先高観による前倒し需要を喚起し、月後半は価格にも強含みの動きが見受けられた。下流の段ボール加工メーカーが、在庫確保に積み増しを行ったこともあり、原料古紙価格は上昇し、コスト面からも価格上方修正を支えるかたちとなった。5月度は月前半までは、製紙メーカーによる値上げの意向が維持され、また予定された停機計画により供給力が抑制され、幾分値上がりも期待されるが、後半からは非需要期に入ることもあり、一転して軟化も予想される。6月度はそのまま下落が続き、7月は逆に原材料価格の高騰で、価格に反発が見込まれる。

香港市場では、アイボリーは昨年後半以来、生産調整を継続しながらメーカー主導による値上げを図ってきたが、旧正月を機に停止となっていたマシンの多くが再稼働し、供給が拡大すると、それ以降価格は一転して弱含みに転じた。白板紙も需要は低迷が続いているが、古

紙価格が上昇した影響もあり、価格はなんとか維持されている状況である

北米市況

[新聞用紙]

北米市場の需要は減少の一方で、供給は生産削減の影響からタイトとなっている。3月及び1Q累計は需要・生産・輸出がともに前年割れで、特に輸出の減少が顕著である。かつて5割超の輸出比率は1Qで37%にまで低下している。昨年9月以降の数カ所の工場での生産削減で、昨年12月と今年3月に各$50-値上げ、更に5月以降$60-の再値上げを打ち出している。

[上質紙]

上質紙は追加関税で輸入が減少している一方で、北米メーカーの生産停止で供給はタイトとなっている。パルプ等原材料の価格高騰、更には中東情勢による原油・輸送費の高騰を背景に、(未実現も含めて)年初来計$100-の価格修正が行われている。需要自体は前年割れだが、今後も各社予定する定期休止、IP/Riverdale工場のマシン停止(転抄)、IPによるNORPAC買収後のLongview工場の動向等、依然として供給には不安要因がある。輸入品は関税問題がなお不透明であるが、北米の価格水準は依然高水準であることから、北米市場への供給力の補完の意味で、輸入の重要性は今後も続くと予想される。

[コート紙]

コート紙は、広告費・日用品への支出抑制、インフレ懸念から需要減退は続いており、上質・中質ともに需要は前年比2割弱程度で推移している。供給面では、Sappi/Somerset工場の生産停止(高板へ転換)に加え、Sappi各工場での電力トラブル発生や、Billerud工場の悪天候による操業停止等、生産工場が既に限られている北米で、供給はむしろタイトである。域内・海外メーカーは、2Qに上質コート紙の値上げ($60程度)を発表している。今後もコスト増を背景として、価格上昇基調が続くと見込まれる。

[中質紙]

1Qの需要は、前年度が関税懸念の前倒しで好調であったことの反動が見られ低調であった。White Birchの工場停止、NORPACを買収するIPが、今後印刷用紙の切り離しを発表。新聞用紙・上質紙の値上げもあり、一部高白色中質紙は2022年以来となる$50-の値上げを実施した。

[段原紙]

世界的なインフレと景気の不透明感により、段ボールの実出荷は前年比で減少が続いている。一方で段原紙メーカーは大幅生産削減で、供給は非常にタイトであり、2Q以降の発表分も合わせると、値上げ幅は年初以来累計で$100-前後となる。中東情勢悪化による原油・海上運賃の高騰は、今後も値上げの後押しとなる見込み。段原紙の輸出は、数量が減少しているが、海外市場向けも値上げが打ち出され、これまで北米市場に比べて割安だった輸出価格も、引き上げが進んでいる。

欧州市況

[新聞用紙]

安定した推移となった1Qの市況は、中東情勢の影響による原油価格高騰で、メーカー各社はコスト圧迫を余儀なくされ、4月以降ほぼ全市場で値上げの展開となった。市場の不透明性を受け、契約期間を短期に切り替える動きが頻繁に見受けられるようになった。

[非塗工上質紙]

2月で価格修正が行われたあと、パルプ等原料のコストをはじめ、中東紛争影響によるエネルギーの高騰で、コスト上昇分を製品価格に転嫁する動きが加速している。4月は欧州全市場に概ね40-50ユーロ($45-58程度)の値上げが見られる。一部のユーザーは、既契約以上の数量をメーカー側に求めるなど、値上げを懸念した動きも見られる。

[塗工紙]

1Qは価格動向も安定していたが、中東情勢の緊迫化で、4月以降概ね40-50ユーロの値上げが見られる。Sappi Europeも3月半ばから値上げを実施した直後に、4月以降の再値上げ(50ユーロ)を打ち出すなど、市場の価格先高観に即した価格転嫁を進めている。

[段原紙]

クラフトライナーは、欧州メーカーの生産削減、北米品の価格上昇等によって4月以降値上げが徐々に広がっている。英・伊市場向けでは、5月へのずれ込みも見られるが、他の市場では最大60ユーロの値上げが実現するところもあり、市場によって幾分斑模様となっている。これまで南欧市場におけるシェアが高い北米品は、5-6月分で30-50ユーロの値上げがアナウンスされており、今後も先高観が強い。

【統計】3月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2026年3月の紙・板紙合計輸出は18万3,391トン(前年比0.2%減)、輸入は7万6,012トン(同4.4%増)となった。国内需要は169万2,955トン(前年比0.9%増)となった。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】3月 米国紙・板紙輸入

2026年3月の米国紙・板紙合計輸入は62万4,226トンで前年比13.1%減となった。金額は6億4千4百万ドル(同20.3%減)となった。カナダからが前年比増、フィンランドは同急減。日本から同2桁減。

出典:Data Web(USITC)

2026年3月 紙類通関統計速報

2026年3月 紙・板紙及び加工紙の輸出通関速報

2026年3月 パルプ及び古紙の輸出

2026年3月 紙・板紙及び加工紙の輸入通関速報

2026年3月 パルプの輸入

2025年4-3月 紙・板紙および加工紙の輸出通関速報

2025年4-3月 パルプ及び古紙の輸出

2025年4-3月 紙・板紙および加工紙の輸入通関速報

2025年4-3月 パルプの輸入

2026年3月 紙類通関統計原本等(組合員に限る)

2026年3月 紙類輸出通関統計(原本)

2026年3月 紙類輸出通関統計月次ファイル

2026年3月 紙類輸出通関統計税関別HSデータ

2026年3月 紙類輸入通関統計(原本)

2026年3月 紙類輸入通関統計月次ファイル

2026年3月 紙類輸入通関統計税関別HSデータ

2026年3月 紙類輸入通関統計税関別品目別ファイル

紙類海外動向レポート
2026年第14号 2026年5月

海外動向トピックス
*カナダ;NORPAC ロングビュー工場の新聞用紙生産から撤退
*UPM/Sappi 両社の印刷情報用紙の合弁事業 4月末メドに審査の結論の見通し
*ナインドラゴン 2027年第3四半期までにパルプの新マシン250万㌧の増産を計画
北米市況(3-4月度)
欧州市況(3-4月度)
中国・香港・東南アジア市況(3-4月度)
【統計】2月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】2月 米国紙・板紙輸入

海外情報トピックス

*カナダ;NORPAC ロングビュー工場の新聞用紙生産から撤退

North Pacific Paper(NORPAC)は、新聞用紙需要の低迷を背景に、米国ワシントン州ロングビュー工場での新聞用紙生産を2026年5月1日付で停止し、新聞用紙事業から撤退する。ロングビュー工場は1979年に操業開始、2016年にOne Rock Capitalへ売却されて以降、収益性維持のため、新聞用紙から再生紙利用の包装用紙へシフトなど進めてきたが、今回の撤退により、非塗工中質紙・上質紙などその他の印刷・情報用紙と包装用紙の生産に、更に軸足を移す方針。NORPACの撤退により、米国内の新聞用紙工場は、ワシントン州のInland Empire/Millwood工場のみとなる。

背景には北米全体で進行する新聞用紙需要・生産の急速な縮小がある。カナダには現在もWhite Birchが3工場、Domtarが2工場、Alberta NewsprintとKap Paper各1工場の計9工場が残っているものの、北米の新聞用紙生産量は2025年に166万トンと、前年2024年の205万トンから18.8%減少した一方で、生産能力はなお230万トンと過剰。2025年以降、生産停止・撤退が加速し、昨年9月にDomtarのGrenada工場(ミシシッピ州、23.5万トン)が、同12月にWhite BirchのFF Soucy工場(カナダ・ケベック州、中質紙と併抄で30万トン)、さらに本年2月19日にThunder Bay工場(カナダ・オンタリオ州、23万トン)も停止した。

北米市場の価格は、昨年末に合計$50-に続いて、本年3月にも$50-の値上げが実現しているが(東海岸45gsm$865-)、更に5月分として新規で$60-の値上げが発表されている。

北米の新聞用紙需要は今後も減少が見込まれ、2026年の需要は2025年比約12%(10.5万トン)減、さらに2027年は追加で同約10%(8万トン)の減少を予想。今回のNORPACの撤退は、需要減少と生産能力削減が連鎖的に進む構造的な市場縮小と位置づけられる。

*UPM/Sappi 両社の印刷情報用紙の合弁事業 4月末メドに審査の結論の見通し

2025年12月5日にUPMとSappiが印刷情報用紙分野での合弁事業形成について基本合意書に署名した後、欧州委員会(EC)は欧州企業合併規則(European Merger Regulations) に基づき、合弁計画につき審査を進めている。合弁対象は、UPMの情報用紙事業全体とSappiの欧州における印刷用紙事業など、米国1工場を含む合計12工場で、企業価値は約14億2千万ユーロと見積もられる。ECは2026年4月末を期限として、無条件承認、資産売却などを条件とする承認、あるいは不承認のいずれかを決定する見通しで、現在はその暫定的な結論を待つ段階にある。

このような規制当局の審査を前提に、両社は2026年前半の正式契約締結、及び年末の取引完了を目標としつつ、デジタルメディアの進展により広告収入の低下、発行部数の減少など、持

続的な衰退局面にある印刷用紙市場で、合弁によるコスト競争力の強化と安定供給体制の構築を通じて、業界内での長期的優位性を確保するという当初の方針を維持する。

*ナインドラゴン 2027年第3四半期までにパルプの新マシン250万㌧の増産を計画

中国政府による古紙輸入全面禁止(2021年以降)、2025年10月に発生した輸入古紙パルプへの品質規制強化等により、中国の製紙メーカーは、以前よりも一層古紙原料への依存リスクに曝されている。またインドネシアの森林関連企業への森林資源利用の制限(前月ご報告済み)、ここにきて、中東情勢の緊張化による海上輸送コスト等の急騰など、輸入木材パルプ(特にLBKP)の供給や価格の変動不安要素なども高まっている。

このような状況を背景に、ナインドラゴンは、2027年第3四半期までに天津工場(50万㌧/2026年4Q)・重慶工場(70万㌧、2026年4Q)・北海工場(80万㌧、2027年2Q)・東莞工場(50万㌧、2027年3Q)等、合計約250万トン/年におよぶKP(クラフトパルプ)設備の増産を計画、原材料パルプの国内自給体制の強化を図っている。

北米市況(3-4月度)

[新聞用紙]

需要と出荷の低迷にも拘わらず、昨年9月以降のDomtar、White Birch、Thunder Bay各工場の生産停止で、供給は現在非常にタイト。NORPAC/Longview工場も新聞用紙生産を5月に終えることとなった。価格は昨年末の$50-に続き3月も$50-の値上げを行ない、更に5月分で新規に$60-の値上げが打ち出された。

[上質紙]

輸入追加関税発動で輸入は減少、国内メーカーの生産停止で供給がタイトとなり、1Qで$60-前後値上げとなった。米国・イラン間紛争の影響で、原燃油・海上運賃が高騰、サーチャージを価格に転嫁する動きで、今後も価格は上方基調となろう。輸入関税の暫定10%への引き下げで、輸入品に追い風が期待されるが、海外メーカーは中東のエネルギーと海上輸送への依存が北米以上に高く、生産コスト面で競争力の悪化が見込まれ、輸入品シェアの今後の拡大は不透明である。

[コート紙]

昨年一年を通じた調整局面への反発で、今年に入り市況には幾分復調が見られる。現在Sappiの一部工場の生産不調もあり、北米市場の供給はタイトで、加えて中東紛争の影響によるエネルギー・海上輸送価格の高騰から、価格上昇を窺う動きが出始めている。国内外メーカー各社は、5月以降の上質コート紙価格に、5-10%の引き上げを発表した。

[中質紙]

上質・新聞用紙の値上げ動向を受け、3月には高白品で、2022年以来となる$50-の値上げが実施された。中東紛争による各種コストの上昇で、今後も値上げ機運は高まるものの、稼働率は未だ60-70%に留まり、状況次第では生産調整の継続は必要であろう。

[段原紙]

世界的なインフレと市場に広まる不確実性で、段ボール需要は弱含みが続いており、本年も前年ほぼ横ばいの需要が見込まれる。段原紙は、昨年以来の大幅な生産削減と、中東紛争を背景とするエネルギー等各種コストの上昇で、2-3月には$20-程度の底上げとなり、更に値上げを窺う状況である。

欧州市況(3-4月度)

[新聞用紙]

3月度は四半期契約価格により据え置き。中東情勢緊迫化により、生産コスト高騰、納期の長期化の懸念がある。Papresa工場(スペイン)の売却交渉等、業界再編の動きが続き、北米からの欧州への輸入も、北米メーカーの生産削減で最近は減少している。需給には引き締まりが出る可能性もある。

[非塗工上質紙]

2月の価格上昇後、3月は概ね横ばいとなった。パルプ価格の上昇が続き、2Qから打ち出されていた値上げ(8-10%程度)に加え、市場への中東情勢による不確実性が更に大きくなっており、サプライヤー側は、生産・輸送コスト上昇分を製品価格に転嫁する動きを示している。

[塗工紙]

前月に続き3月も価格は横ばい。3月半ばから2Q以降の値上げを発表したが、ユーザーの抵抗は強く実施はされていない。原燃料、物流すべてのコスト高騰を背景に、追加値上げを迫っており、Burgoは全ての塗工紙で、またSappiは上質コート紙で、€50-の追加値上げを行なうことを発表した。

中国・香港・東南アジア市況(3-4月度)

[上質紙]

中国では3月初に値上げが打ち出されたものの、需要不足や出版社の入札開始を背景に、月後半は下落に転じ、在庫圧縮への圧力も高まっている。4月は需要閑散期にもあたり、供給過多から一段の価格下落が見込まれるが、6月までの間で出版向け需要の期待とコスト上昇を背景に下げ止まり、需要も上向くことが期待される。

香港では、APRILが国内外市場での受注増と生産余力の不足を理由に、12月・3月に続いて4月も、強気の値上げ姿勢を維持した一方で、中国での市況の軟化、中東情勢の緊迫化から、先行きは依然不透明で、今後の動向の注視が必要である。

[コート紙]

中国では3月の平均価格は、前月比わずかに上昇した。パルプサプライヤーの価格引き上げを求める声は依然続いているものの、需要が伸び悩んでおり、製品価格の上昇幅は限定的であった。

香港向けではAPPが1月から値上げを打診しているが、季節的にも販売状況は不振で、3月までは価格は横ばいにとどまった。中国での市況回復の遅れもあり、香港向けでも当面は、受注確保を優先せざるを得ない状況である。

東南アジアでは、春節前後の低調期は過ぎ、3月度は年次報告書や春商戦向け広告需要など、荷動きは活発化しているが、パルプを中心とした原材料高騰に加え、米国のイラン侵攻後の原油高に伴う海上運賃や燃料サーチャージの増加で、コスト上昇が顕著となり、製品価格への転嫁と追加値上げ要求(4月以降10~50ドル程度)が強まっている。

[段原紙]

中国の段原紙市況は、荷動きが上向いたことにより3月前半に価格が上昇した後、軟化に転じた。中芯・ライナーともに月平均価格では前月比上昇となったが、需要回復は底浅く、一部では値引き販売も見られるようになった。古紙価格の上昇は、当面のコスト下支えとなる一方で、4月中旬以降は、大手メーカーと中小の価格差の拡大や、古紙価格反落も予想されることから、5月も需要低調により弱含みの市況となる見込みである。6月になれば、古紙価格の上昇と「618商戦=eコマース」需要への期待から、中芯は小幅な上昇、ライナーは横ばいでの推移が予測される。

東南アジアでは、輸入品サプライヤーは地場メーカーとの価格競合で受注環境が厳しい。一方で地場メーカーも、原材料高騰を背景に値上げを進めている。

[その他板紙]

香港では、アイボリーが昨年後半にメーカー主導の値上げを図った。しかし、依然低迷が続く需要と、旧正月前の生産調整後は供給が増加していることで、価格は逆に値下げに転じている。塗工白板紙も価格維持を目指しているが、需要不振の中で、値下げ圧力は強い。東南アジアでは、古紙価格上昇に加えて、海外からの需要増が期待される韓国・台湾メーカーからの供給はタイトとなっており、主要メーカーは前月比$30-程度の値上げを要請している。地場のメーカーとの間で、厳しい受注競争が続いている。

【統計】2月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2026年2月の紙・板紙合計輸出は15万1,874トン(前年比5.2%減)、輸入は6万3,858トン(同6.0%減)となった。国内需要は146万8,214トン(前年比2.5%減)となった。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】2月 米国紙・板紙輸入

2026年2月の米国紙・板紙合計輸入は49万593トンで前年比10.0%減となった。金額は5億6千7百万ドル(同5.7%減)となった。カナダからが前年比大幅減、日本から同減少。

出典:Data Web(USITC)