2026年1月 紙類通関統計原本等(組合員に限る)

2026年1月 紙類輸出通関統計(原本)

2026年1月 紙類輸出通関統計月次ファイル

2026年1月 紙類輸出通関統計税関別HSデータ

2026年1月 紙類輸入通関統計(原本)

2026年1月 紙類輸入通関統計月次ファイル

2026年1月 紙類輸入通関統計税関別HSデータ

2026年1月 紙類輸入通関統計税関別品目別ファイル

紙類海外動向レポート
2026年第12号 2026年3月

海外動向トピックス
北米市況(1月度)
欧州市況(1月度)
中国・香港・東南アジア市況(1月度)
【統計】12月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】1-12 米国紙・板紙輸入

海外情報トピックス

米国;International Paper DS Smith 買収後の事業を2社の独立企業に分割

2025年1月のIPによるDS Smith買収は、世界の段ボール・段原紙市場での規模と競争力を高めることを主目的としたものであった。買収による新生IPグループの、段原紙生産能力は約1,600万トンとなり、約1,700万トン規模のSmurfit WestRock、更にアジアで拡大を続けるナインドラゴンと並び、「三強」の一角を占める体制が整った。

欧州域内では、北アフリカ~南欧を中心に拠点を持つIP(段ボール工場22~23カ所、段原紙48万トン)に、欧州主要市場で、150カ所超の段ボール工場と360万トンの段原紙能力を有するDS Smithが加わることで、地理的補完関係が強く、シェアの重複も限定的であった。また、段ボール加工に対して自社内の原紙供給が相対的に不足していたDS Smithにとって、IPの北米からの段原紙供給が可能になる点も、大きなシナジー要因と目されていた。

しかし、ECの承認条件として、IPは欧州の段ボール工場4カ所とシート工場5カ所の売却を迫られたうえ、その後の欧州市況は低迷が続いた。その結果、当初期待された「北米から欧州への原紙輸出+欧州での垂直統合」のビジネスモデルは十分に機能せず、収益改善は想定を下回った。2025年第3四半期には約11億ドルの純損失を計上し、期待されたほどの統合シナジーは現れていない。

こうした中でIPは、北米と欧州・中東・アフリカ(EMEA)では市場環境や構造変革のスピードが異なり、一体運営よりも地域ごとに経営資源を集中した方が成長機会を最大化できると判断し、グループを北米とEMEAに特化した2つの上場会社に分割する方針を打ち出した。

北米側は現IPの社名を継承し、IPとDS Smithの北米資産を集約する。一方、EMEA側は新社名の包材会社として両社の同地域資産を統合し、IP株主へのスピンオフ(IPは一部持分を継続保有)という形で独立させる計画である。分離は株主承認と当局認可を前提に12~15カ月以内の完了を見込む。また、統合後のIPは北米で約180万トンの段原紙生産能力削減や、リバーデール工場の非塗工上質紙から再生段原紙への転抄など、北米段ボール事業への集中とスリム化を進める一方、欧州では旧DS Smithのシート・段ボール工場5カ所をPalm社に売却するなど、地域別に事業ポートフォリオを再構築している。

このようにIPは、世界市場の過当競争と地域間の需給ギャップが拡大する環境下で、規模の維持よりも「地域特化・選択と集中」による収益力回復と持続的成長を図ろうとしている。

トルコ;Eren Holding 英国のBM Packagingを買収し 欧州市場で段ボールの一貫生産体制を構築

トルコのコングロマリットEren Holdingは、オランダの子会社Nova Paper & Packagingを通じて、英国の段ボールメーカーBM Packagingを買収した。Eren は紙・包装分野を中心に多角的な事業を展開、トルコでは再生段原紙メーカーのModern Karton、段ボール加工のModern Ambalajを傘下に置き、原紙から段ボール製品まで一貫したバリューチェーンを構築しているが、今回の買収により、この統合モデルを英国市場にも拡張、英国および欧州市場で進める再生段原紙事業の垂直統合戦略の一環と位置づけられる。

英国において、Eren Holdingは2021年にUPMから新聞用紙工場を取得、これを再生段原紙工場に転換するプロジェクトを進行中である。年産75万トン規模の再生段原紙は2026年第1四半期中に稼働を迎える予定である(計画当初は2024年中の稼働予定だった)。今回買収のBM Packagingは、このShotten工場から約107kmという近距離に位置し、大型段ボールやオーダーメイド段ボール、ダイカット包装など高付加価値製品を製造しており、Shotten工場で生産される再生段原紙の優先的・安定的な供給先として機能しうる存在となる。即ちErenは、Shotten工場での増産によって、欧州市場の供給過多リスクが高まるなか、自社グループ内において確実な需要を確保し、原紙から加工製品までの一貫供給体制を英国でも構築することにより、市況軟化局面における収益の安定性と競争力の維持を図る意図がある。

北米市況(1-2月度)

【新聞用紙】

2025年の北米新聞用紙需要は85.5万トン(前年比15%減)、生産は166.6万トン(同19%減)と縮小が続いている。Domtar/Grenada、White Birch/FF Soucy、Thunder Bayの停止により生産能力は約28%減少し、稼働率は2025年83%、2026年は85%への上昇が見込まれる。海外市場の需要減少で、北米からの輸出が年後半は減少し、昨年度の輸出比率は50%となった。2026年以降も需要は減少が予想されるが、原燃料高騰等により価格の引き上げは不可避であり、昨年末の$50の値上げに続き、2026年3月から米国向け$50-、カナダ向け$70-の再値上げが打ち出された。今後は現在一時停止中のKruger/Corner Brook、一時停止から今は再開したKap Paper/Kapuskasing工場の動向等も、稼働率や価格の維持の鍵となろう。

【上質紙】

2025年の北米上質紙出荷は410万トン(同6.6%減)、輸入は13.9%増と、輸入増が国内の低調な需要を部分的に補った形である。IPやPixelleの設備停止などで供給は引き締まり、稼働率は平均90%と前年から改善した。追加関税発動後は、輸入減と在庫一巡を背景に、値上げ環境が整い、Domtar、Sylvamo、PCAなど主要メーカーは2~3月出荷分で3~9%の値上げを発表した。北米は世界的にも高価格市場であり、2026年も堅調な需給を背景に、年後半に更に$40程度の値上げが期待される。

【コート紙】

2025年の上質コート紙需要は180万トン(同10%減)、中質軽量コート紙も69万㌧(同8%減)となった。輸入比率は上質コート紙34%、中質軽量28%となり、メーカー稼働率はそれぞれ86%、85%まで回復した。しかし、構造的に需要減少は変わっていない。昨年初は関税懸念による輸入積み増しがあったが、以降は荷動きも鈍化し、在庫調整が続いた。秋以降は輸入上質コート紙が先行して7~15%の値上げを行い、国内メーカーも追随、概ね$20~40の値上げとなった(中質軽量は据え置き)。北米のコート紙市場の価格は世界的に高水準であり、今後トランプ関税が最高裁により違憲と判断された場合も、輸入シェアは増えることはあれ、減少することは考えづらい。2026年は上質・中質軽量とも価格は概ね横ばい、稼働率は上質が80%台前半、中質軽量が70%台後半で推移すると予想される。

【中質紙】

2025年の非塗工中質紙需要は134万トン(同7.3%減)、北米メーカー出荷は同8.5%減となり、稼働率は74%まで低下した。年初の関税懸念で輸入在庫が積み上がったが、その後は調整局面が続いている。White Birch/FF Soucy工場の停止で、本年末には稼働率が70%台後半まで戻ることが期待されるが、80%台の回復には更に20万トン程度の追加削減が

必要である。高白色中質紙では、Domtar、Kruger、NORPACなどが3月から米国$50-、カナダ$70-(最大8%)の値上げを表明しており、実現すれば2022年以来の上方修正である。北米メーカーの能力削減は余地が少ないが、当面は需給状況に応じた生産調整が、価格維持には不可欠となる。

【段原紙】

2025年の米国段ボール実出荷は、前年比1.8%減で、2015年以降最低水準となり、2021年からの累計では10%超の減少である。需要低迷を受け、2025年2月以降に段原紙は約380万トン(能力の約9%、主にKLB)の大規模減産が行われ、段原紙の生産は合計3,608万トン(4.5%減)、稼働率は91%超まで回復した。これを背景に、2025年初の$40-の値上げ後は横ばいが続いていたが、IPやPCAなどが本年3月以降出荷分のライナー、中芯、白ライナーにつき$70-の値上げを発表している。一方で、世界的な供給過多や北米KLB需要の減少傾向から、2025年のKLB輸出は1~11月で同11.7%減となっており、特に中国向けは大幅減となった。今後は北米内需と輸出動向の両面を睨みつつ、北米メーカーの稼働率と価格水準の維持が課題となる。

欧州市況(1-2月度)

[新聞用紙]

1月に入っても市場の勢いは戻らず、欧州市況は前四半期同様の勢いで推移している。フランスでは小幅な値下がりが見られるが、これを市況の悪化というよりも横ばいでの安定との受け止めが多い。需要は依然として低迷しており、供給過多と生産コスト上昇が続くなか、価格は下押し圧力が続いている状況。スペイン/Papresa工場の売却、スロベニア・Vapap工場の操業停止など、構造的な動きも依然として続き、新聞用紙産業の将来に対する不透明感は更に強まっている。

[非塗工上質紙]

1月の市況は比較的堅調で安定して推移した。Navigatorの値上げ発表をきっかけに、他メーカーも相次いで値上げに動き、サプライヤー全体で価格引き上げの方向性が明確になった。APPも遅れて値上げを表明し、供給側の姿勢は強気である。しかし需要自体は力強さを欠き、ユーザーの在庫も潤沢で、このような値上げの取り組みが継続できるかどうかにつき、市場で懐疑的な見方も多い。

[塗工紙]

1月の価格水準に大きな変化は見られず、おおむね堅調ではあるものの、一部の市場では依然として安値輸入品の流入が続いており、とりわけポーランドなどで大幅なディスカウント取引が確認された。このような動きが他市場へ波及することが懸念されるが、メーカーの多くはパルプ価格や海上運賃の上昇を背景に、価格の引き上げ姿勢を強めている。

[段原紙]

クラフトライナーの価格がドイツ、フランス、イタリア等主要市場で一斉に下落、全体的に軟調な展開となっている。一方、英国では下げ幅は比較的小さく、市場によって動きはまちまちである。テストライナーも、昨年来の新増設による供給過多の状態が続いており、ほぼ欧州全域で価格は下落している。このような市況にもかかわらず、Humburger Container, Pro-Gestなどの有力メーカーが、2月から€100-の大幅な値上げを打ち出しており、その動きは、今後のクラフトライナーの市況にも影響を及ぼす可能性があるとして、市場の注目を集めている。

中国・香港・東南アジア市況(1-2月度)

【印刷用紙】

中国市場の上質紙、コート紙は、1月は需要低迷と在庫調整で、小幅安から横ばいで推移した。出版向けの荷動きは見られたが、市況は低調であった。2月の春節中の荷動きは期待できず、3月に一時的な需要回復と、出版関連入札前のサプライヤーの値上げ意向から、小幅な反発の可能性がある。一方で、需要に根本的な改善は見込まれず、入札価格も低水準での結果が予想されるため、その後は再び下押し圧力が強まると懸念される。2~4月は春節を挟んで、緩やかながら、上げ下げの振れが大きい展開を予想。

香港市場では、中国メーカーが12月分から約$30の値上げを発表し、上質紙でAPRILは約$20の値上げを実現したが、大口入札では依然低価格での対応が見られ、値上げが一般品の市場価格に浸透するには時間が必要である。またコート紙は、香港では、APPが1月分から$50-の値上げを打ち出し、2月初旬までには約$20が妥結し、残りは交渉が継続となった。しかし春節期にかかり、非需要期となっており、決着に更に時間が必要となる見通しである。一方、紙商では依然として値下げによる販売も見受けられ、メーカーの値上げがエンドユーザーにまで十分に浸透する環境とはなっていない。

シンガポール・マレーシア等の東南アジア市場でも、1-2月の上質紙の需要に回復が見られず、荷動きは低調に終始した。パルプ価格は更に上昇の動きあり、APP/APRILは年始以降も$20-30の値上げを打ち出している。定期ユーザーは状況の成り行きを注視してい

るが、3月には需要も幾分動きも出てくることが期待され、価格の動向が注目される。コート紙も上質紙とほぼ同様の動きで、1-2月には$10-20程度の値上げが打ち出された。主要サプライヤーの韓国のメーカーは、自国では総選挙、また主要輸出先の米国ではワールドカップや中間選挙等、堅調な需要が期待されるため、供給先をそちらに傾斜しており、韓国からの供給は現状ではタイトである。

【板紙】

中国市場の段原紙は、大手メーカーが繰り返し値上げを画策したものの、春節を前に需要が鈍化したことや、秋口以降手当てした輸入品等の着港も相次ぎ、逆に在庫過多が重荷となってきて、1月度の段原紙価格は、前月から更に大幅な下落となった(ライナー▲11.6%)。末端では春節前の需要が一部で見られたものの、段ボールメーカーの原紙の購買意欲は、極めて限定的であった。2月度は春節期間前後の取引は鈍化するため、市場価格にほとんど動きはないと見られる。春節明けには幾分反騰が期待されるものの、3-4月は季節的に閑散期であり、価格は再度下落基調での推移が予想される。

香港市場では、アイボリーはメーカー主導の値上げがこれまで行われてきたが、旧正月を前に、しばらく目立った価格の動きなく推移する見通しである。中国の主力メーカーは、生産調整や輸出強化で、中国国内市場の価格の安定を図る意向。白板紙は、古紙価格が下落しており、市場からは値下げの圧力が強い。旧正月中はメーカー各社が大幅な生産停止を行ない、休み明けのタイミングで値上げの動きを再開する意向。

【統計】12月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年12月の紙・板紙合計輸出は16万6,404トン(前年比14.5%増)、輸入は6万406トン(同0.4%)増)となった。国内需要は168万5,172トン(前年比0.5%減)となった。
主要品種が軒並み前年比減。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】1-12月 米国紙・板紙輸入

2025年1-12月の米国紙・板紙合計輸入は695万4,246トンで前年比4.7%減となった。金額は75億2千7万百万ドル(同7.1%減)となった。欧州諸国、韓国が前年比大幅減、日本からは同急増。

出典:Data Web(USITC)

2025年 紙・板紙国内需要

貿易統計および経済産業省統計に基づいて集計したところ、2025年の紙・板紙国内需要(販売-純輸出)は1,893万7,884㌧で前年比2.4%減となった。金額は2兆4,923憶5百万円(同1.7%減)。

そのうち輸出は181万1,849㌧(同4.7%減)、金額が2,059憶4千3百万円(同6.7%減)。輸入は79万6,031㌧(同0.6%増)、金額が1,257憶8千9百万円(同0.7%減)となった。

米 インドの相殺関税を削減

米トランプ大統領はインドに対する相殺関税を50%から18%に削減すると発表した。

その条件としてインドが5千億ドルの米国製品を購入、ロシア産原油の輸入停止を求めているが、インド側は承認していない。

インドの米国向け輸出は年間400億ドルに達している。一方、米国はインドの18%の関税、非関税を撤廃するよう求めている。(NYT 2026/2/4)

2025年12月 紙類通関統計原本等(組合員に限る)

2025年12月 紙類輸出通関統計(原本)

2025年12月 紙類輸出通関統計月次ファイル

2025年12月 紙類輸出通関統計税関別HSデータ

2025年12月 紙類輸入通関統計(原本)

2025年12月 紙類輸入通関統計月次ファイル

2025年12月 紙類輸入通関統計税関別HSデータ

2025年12月 紙類輸入通関統計税関別品目別ファイル

紙類海外動向レポート
2026年第11号 2026年2月

Contents
海外動向トピックス
北米市況(12月度)
欧州市況(12月度)
中国・香港・東南アジア市況(12月度)
【統計】11月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】1-10月 米国紙・板紙輸入

海外情報トピックス

UPM/Ettringen工場(ドイツ)を永続的に閉鎖

UPMのEttringen工場(新聞用紙・非塗工印刷用紙、年産27万トン)は、従業員側との難航していた交渉が調停を含む枠組みの中で決着し、2025年末もって生産を停止し工場を閉鎖することが決定した。欧州市場では新聞・中質系印刷用紙の需要減少は長期化しており、各社は継続的に設備削減を進めてきたものの、需要減のスピードに追い付かず、欧州の中質系印刷用紙の平均稼働率は65%以下にとどまり、生産過剰が解消されていない。UPMはこの2~3年で、ドイツSchongau工場6号機およびオーストリアSteyermühl工場4号機の生産を削減し、ドイツ・フィンランドの残存マシンで中質系印刷用紙180万トン体制を整えたが、なお需給バランスの軟化は続いている。このためUPMは、Sappiと印刷情報用紙分野での効率的な供給体制を構築・安定化するための合弁会社設立に合意しており、フィンランド、ドイツ、英国、オーストリア、オランダ、米国の計12工場が対象となる見込みである。しかしEttringen工場はその対象リストには含まれておらず、今回の閉鎖は合弁事業とは別枠の措置であると見られる。

欧州議会 改正EUDRの最終案を可決

2025年12月17日、欧州議会と欧州理事会は、欧州委員会と合意した改正EU森林破壊防止規則(EUDR)の最終案を可決したものである。改正案では、デューデリジェンス(DD)手続きの簡素化に加え、大規模事業者の適用開始日を2026年12月30日、小規模・零細企業については2027年6月30日までとし、いずれも1年間延期することとした。

また、デューデリジェンスステートメント(DDS)の提出義務は、最初にEU市場に製品を投入する事業者に限定され、下流の製造業者、商社、販売業者などには課されないこととなった。さらに、低リスク国の小規模事業者については、一度限りの簡素化された申告が認められ、ITシステムにより参照番号を維持することで、サプライチェーン全体のトレーサビリティを確保する仕組みが導入されている。

もっとも、実務負担の大きさに対する懸念は各業界からなお強く示されている一方、書籍・新聞などの印刷製品(ただし欧州域内で印刷されるものは規則対象)は適用除外とされたことについて、印刷業界からは環境保護上の「抜け穴」であるとの批判も出ている。改正EUDRの正式な発効には、今後、理事会による採択と官報掲載が必要であり、その後、欧州委員会は2026年4月までに簡素化に関するレビューを実施し、報告書を提出する予定である。

ブラジル/Suzano ユーカリを原材料としたフラッフパルプの新ラインを増設

ブラジルの紙パルプ最大手Suzanoは、サンパウロ州Limeira工場で、100%ユーカリ材を原料する衛生材料用フラッフパルプの新ライン増設計画を発表した。投資額は4億9千万レアル(約9千万ドル強)で、同原料を使用したフラッフパルプの増産としては約10年振りとなる。商品名は「Eucafluff」で、年産能力は現在の10万トンから44万トンへと拡大する見通し。従来フラッフパルプは原材料としてNBKPが主流であるなか、ユーカリ材のフラッフパルプは、柔らかさや再湿潤性、水分拡散性に優れる等の点が特徴であり、まずブラジル国内での低価格帯製品(動物用パッドなど)の普及を図り、その後海外市場へ展開する方針である。

カナダ政府/中国製輸入サーマル紙に対するアンチダンピング税等の暫定税率を見直し

カナダ国境サービス庁(CBSA)は、中国製サーマル紙(感熱紙巻取り)について、廉価販売および中国政府による実質的な輸出補助が行われているとの国内メーカーからの申立てを受け、ダンピングの実態を調査してきたが、その結果、2025年11月に導入した暫定関税(AD税率55.2%、CVD税率43.8%)を見直し、暫定税率を大幅に引き上げる決定を下した。新たな暫定税率は、アンチダンピング税(AD)が282%、相殺関税(CVD)が77%で、合計約360%に達する。また調査において、2024年1月から同年12月31日までに、カナダへ輸入されたサーマル紙の約45%が中国産であったことも認定された。本件の対象は、巻取り幅15cm以下、米坪70gsm以下の感熱ロール紙であり、粘着加工品は含まれず、HSコードは4811.90.00.90である。現在、カナダ国際貿易審査裁判所(CITT)が別途、国内産業への損害の有無について調査を進めており、1月中に報告書が提出される見通し。CBSAおよびCITTの両方でダンピングの実態が最終的に認定された場合、今回のADおよびCVDが正式関税として確定する。

インドネシア政府/韓国、マレーシア、台湾からの輸入白板紙に対しアンチダンピング課税の方向で検討

インドネシア政府のアンチダンピング委員会は、韓国、マレーシア、台湾から輸入される白板紙に対し、4.04%~29.06%のアンチダンピング税を課す方針を勧告した。韓国についてはHansol Paperに4.04%、その他メーカーに26.52%、マレーシアはXSD Int’lをはじめとする全メーカーに7.79%、台湾は全メーカーに29.06%を賦課するとし、財務省が近く正式な導入命令を発出する見通し。調査は大手製紙メーカーIndah Kiat Pulp & Paper(IKPP)の申立てを受けて2024年9月に開始された。対象はHSコード4810.32.90および4810.92.90

に分類され、米坪210~450gsmの裏面グレー(裏ネズ品)多層抄き箱用白板紙としている。これに対し韓国およびマレーシアの一部メーカーは、自社の輸出製品は主にバージンパルプを使用したアイボリー・カード類であり、当該品には当たらない。またFSC認証も取得していて、これはインドネシアの主要メーカーでも代替が困難な製品であるとして、今回の決定に反論している。これについてインドネシア側は、他国からもFSC品の手当ては十分可能である、と逆反論している。

北米市況(12月度)

[新聞用紙]

Domtar/Grenada工場、White Birch/F.F.Soucy工場が永続的生産停止となり、北米新聞用紙の供給力が低下し、輸出も減少した。需給に引き締まりが見られたことから、北米市場では11-12月で$25-ずつの値上げとなったが、市場は未だ供給過多で、本年も輸出の回復及び更なる生産削減は必要である。

[上質紙]

11月の需要は年初来最低水準となったが、在庫からの荷動きは比較的堅調だった。過剰在庫にもある程度メドがつき、改めて値上げ可能な環境が整ってきた。上質紙メーカー各社からは、1月末以降の出荷分に対し値上げの動き(6-9%)が出始めた。北米は市況が世界的にも高水準であり、今年も年間通じて、輸入・国内品ともに堅調に推移することが見込まれる。

[コート紙]

11月のコート紙は需要・出荷とも非常に低調な数字で表れたが、年末需要には在庫からの対応が行われ、荷動きは例年通りそこそこの堅調さであった。11月の上質コートの値上げ($20-40)は輸入関税主導で行われ、今後末端ユーザーへの浸透は課題である。今後の価格・市況動向は、トランプ関税への最高裁の判断次第といえよう。

[中質紙]

低調な荷動きが続いており、2Q以降続いている在庫調整で、11月も需要は依然大幅な減少となった。本年末の北米メーカー稼働率も75%程度と予想されている。需要に占める輸入紙比率が低いため、北米メーカーは、今後も必要に応じた生産調整を余儀なくされると予想される。

[段原紙]

コロナ禍以降、段ボールの需要は減少が続いており、昨年度も前年比で▲2%前後となると見込まれている。段原紙メーカー各社は、昨年から今年初にかけて合計400万㌧近くの生産削減を実施しており、今年1月出荷分以降で、一部メーカーが中芯の価格で、$50-程度の値上げを発表した。

欧州市況(12月度)

[新聞用紙]

12月の新聞用紙価格は、現契約期間中のため前月から持ち越しとなった。供給過多は変わらず、生産コスト圧迫でサプライヤーは値上げを必要としているが、今年も需要は前年比▲10%程度の減少を予想しており、大幅な生産削減なしには状況の打開は難しいと見られる。

[非塗工上質紙]

12月度の価格は、前月横ばいとなった。1月出荷分でNavigator等が、欧州域内市場で5-8%の価格修正を打ち出し、強い姿勢でユーザー側との交渉に臨んでいる。アジアからの安値流入が引き続き懸念されるため、依然として、値上げを支える環境としては脆弱である。

[塗工紙]

12月の塗工紙の価格は、一部のスポット取引で値崩れも見られたが、表面上の契約価格は前月横ばいとなった。依然として、アジアからの安値品流入が懸念されており、欧州メーカーからはこれまでのところ、上質コート紙では値上げの動きは出ていない。UPM/Sappi両社の印刷用紙事業統合の動きについて、先ず今後の進捗状況(合弁設立の時期、具体的な計画、事業概要等)を注視し、市況への影響を慎重に見極めたい との声が関係者の間からは聞かれる。

[段原紙]

TLBは南欧市場で一部スポット取引による値崩れも見られるが、欧州全地域では、概ね前月横ばいで推移している。KLBは需要が低調なドイツ・ブランスで▲€20程度の値崩れが見られるほか、イタリアでは依然として北米品が安値流入しており、この先も軟調な市況の展開が予想される。需要面ではKLB離れが徐々に進んでおり、供給面では昨年度の増産により、TLBが特に供給過多となっている。市場価格の回復には、もう暫くの時間を要すると予想される。

中国・香港・東南アジア市況(12月度)

[印刷用紙]

*中国市場では、12月のコート紙・上質紙ともに、出版物向けの納品需要が高まり在庫から対応、在庫は減少となったものの、新規の需要は概ね低調であったため、市場価格は前月比横ばいとなった。1月は年末決算時期に伴って、紙商の在庫整理が急がれ、価格は更に軟調で推移することが見込まれる。

*香港市場では、中国メーカーが12月に上質紙の$30-値上げをアナウンスした。メーカーによって対応は様々であるが、APRILは$20-程度の値上げを実行、APPは1月分で$50-の値上げを打診し続けている。パルプ価格は上昇基調にある一方、春節前の不需要期を控えて、値上げの浸透には時間がかかると予想される。

*APPはコート紙についても、1月から$50-の値上げの協議を始めている。、しかしながら、上質紙と同様、不需要期を前に紙商が受注量の確保のため値下げに応じるケースも見られ、当面ユーザーへの価格転嫁は難しい状況と予想される。

[板紙]

*中国市場の12月の段原紙市況は、月前半は大手メーカーが値上げを継続、在庫補充による荷動きも見受けられたが、中旬以降は原料費の下落と需要の急減で、一転して調整局面へ入った。これにより、川下の段ボールメーカーでは、原紙の購買に急速に慎重になり始めており、原紙メーカー側の在庫も再び増加し、負担が大きくなっている。

*今後、2026年1月上旬に春節前最後の荷動きにより、一時的な反発も期待されるが、月中旬以降は再び需要が停滞し、市況は軟化することが予想される。

*春節後の需給動向に注目が集まるが、全体としては、緩やかな下落トレンドが継続すると見込まれる。

*香港市場では、アイボリーにつきこれまでメーカー主導で強気の値上げが進められてきたが、出版関連需要のピークは既に過ぎ、市場では在庫増加傾向が見られており、今後は値上げ要求の動きも次第に静まっていくと予想される。

*香港向け塗工白板紙(裏ネズ)については、1月初には小幅な値上げが実施された一方で、メーカーは在庫調整を進め、市況の回復を図っている状況である。古紙価格の下落が始まっていることから、先行きは原材料安を背景に、市況弱含みとともに、ユーザー側からの値下げ要求が強まることが予想される。

【統計】11月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年11月の紙・板紙合計輸出は15万5,258トン(前年比9.0%増)、輸入は5万8,012トン(同5.6%減)となった。国内需要は150万2,518トン(前年比7.0%減)となった。
主要品種が軒並み前年比減。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】1-10月 米国紙・板紙輸入

2025年1-10月の米国紙・板紙合計輸入は587万1,881トンで前年同月比3.3%と減となった。金額は64億1千3百万ドル(同4.7%減)となった。欧州諸国で大幅に減少。

出典:Data Web(USITC)

米紙 関税がインフレを招くか?

過去のデータをさかのぼると関税がインフレに与える影響はわずかであると複数のレポートが示した。

一方でエコノミストらによると、関税が最終的には徐々に企業の値上げをもたらすが、名目上の関税率が27.4%なのに対し実質的には14.1%にとどまるとしている。

トロント大のOstry氏は、過去の関税率がインフレに対して大きな影響を与えなかったことは、現在の状況にはあてはまらないと述べている。(WSJ Jan. 6,2026)

カテゴリー: WSJ