2025年11月 紙類通関統計原本等(組合員に限る)

2025年11月 紙類輸出通関統計(原本)

2025年11月 紙類輸出通関統計月次ファイル

2025年11月 紙類輸出通関統計税関別HSデータ

2025年11月 紙類輸入通関統計(原本)

2025年11月 紙類輸入通関統計月次ファイル

2025年11月 紙類輸入通関統計税関別HSデータ

2025年11月 紙類輸入通関統計税関別品目別ファイル

紙類紙類海外動向レポート
2025年第10号 2026年1月

Contents
海外動向トピックス
北米市況(11月度)
欧州市況(11月度)
中国・香港・東南アジア市況(11月度)
【統計】10月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】1-9月 米国紙・板紙輸入

海外情報トピックス

フィンランド/Metsaグループ、UPM各社がリストラを含め生産体制の調整を検討 

Metsaグループ: フィンランドMetsa Groupは法定交渉を終了し、グループ全体で約3億ユーロ(3億5千万㌦)のコスト削減と収益改善の一環で、最大440名の解雇を含む520名の常勤職員の削減を行なう。傘下Metsa Board社は、約150名の従業員削減が対象。これにより1千2百万ユーロ(約3千2百万㌦)のコスト削減を見込むとする。Metsa Boardは引き続き2026年もKemi, Kyroskoski、Simpele、Aanekoski、Kaskinen、Joutseno等の工場で最大90日の時限的レイオフを実行。低迷する紙板紙需要に見合う生産体制をとる意向。

UPM :フィンランドのKymi 、Pietarsaari、RaumaCellの各工場で、2026年第1四半期に最大90日の一時的レイオフを行なうべく、労使間交渉を開始。現段階では、永続的な工場閉鎖や生産休止は行わない意向で、交渉は11月末をメドに完了予定。Kymi工場はNBKP・LBKP(計87万㌧)を生産。Pietarsaari工場はNBKP(バーチ80万㌧)、RaumaCellはフラッフパルプ(10万㌧)を生産。この他、Kaukas工場(NBKP 70万)では、永続的なレイオフの可能性も排除せず交渉が11月初より開始。世界的なパルプ市況・需要の低迷、木材価格高騰などへの対応に迫られている。

北米;低迷する段ボール需要に 段原紙、段ボール工場は大幅な生産削減で対応

最近の段ボール需要の低迷に伴ない、段原紙メーカー各社、及び段ボール一貫メーカー中心に、段ボール工場が生産削減を進めている。

コロナ禍発生以降、需要回復の一局面を経たのちも、依然として出荷数量は減少基調にある。コロナ禍発生以降、本年度末までに段ボールの実出荷数量は▲7%の減少が見込まれている(内本年度の需要は前年比▲2%の減少)。これは世界的に広がるインフレ圧力、今年に入ってからはトランプ関税等に起因する不透明な市場環境で、景況感・消費者マインドが低下していることに起因するものと見られている。

このような市場環境を受けて、北米の段原紙メーカー各社は、今年9月までの間に大規模な生産削減を実施、大手一貫メーカーを中心に年産350万トン、北米の段原紙生産能力のおよそ9.5%にあたる規模での生産削減が既に実行された。さらに直近では、PCA/Wallula工場2号機のクラフトライナーの生産停止(2026年第1四半期)も発表され、以上に加えて、25万トンのクラフトライナーと、パルプ処理設備が永続的な停止となる。

また、段ボール製造一貫メーカーは、2024年以降International Paper (IP)、Smurfit WestRock(SW)は、北米で(予定も含めて)15カ所以上の段ボール工場の整理を行なっており、川上から川下までの供給体制の再構築を進めている。両社ともに2024-25年にかけて北米-欧州にまたがる大型合併により、世界レベルでの供給販売体制を構築しているが、両社は他のメーカーの先陣を切るかたちで、供給のスリム化と効率性の向上により、主要市場における需給のバランスと市況の安定を図ろうという姿勢を示している。

中国製の輸入サーマル紙に対する各国のアンチダンピング、相殺関税等の強化の動き

*カナダ政府は、中国製の感熱紙巻取りに対してダンピングおよび補助を受けていると判断し、2025年11月に暫定的関税を導入。AD(アンチダンピング)税率55.2%、CVD(相殺関税)は43.8%、合計税率は99%に達する。2024年に中国からの輸入が急増、国内産業への影響が懸念されたことを受けて調査が行われてきた。
*米国商務省は、2008年以来適用している中国製軽量サーマル紙に対するAD(115.29%)およびCVD(13.63-138.53%)を、さらに5年間延長することを決定した。これは3回目の延長となる。課税措置の撤廃により廉価販売が再発し、国内市場への多大な損害が懸念されるとした。北米市場ではDomtarが主要サプライヤーであり、輸入品は主にドイツと韓国からのものが主流である。
*欧州委員会は、中国からの軽量感熱紙輸入に対する反補助政策(Anti-subsidy)の調査を開始した。調査対象は米坪65gsm以下の軽量感熱紙とあり、調査期間は2024年10月から2025年9月までとする。欧州感熱紙協会による申し立てを基に、中国政府の補助金政策がEU市場の産業に損害を与えていると主張している。最終結論は13か月以内に出される予定。現在欧州は韓国製の軽量感熱紙にもダンピング税を適用している。

欧州;UPM・Sappi両社が印刷情報用紙分野の合弁事業形成に合意

UPMとSappiは、印刷情報用紙分野での合弁企業設立につき、非拘束的な基本合意書に署名した。この合弁事業には、UPMの情報用紙事業全体とSappiの欧州市場における印刷用紙事業が含まれ、両社それぞれが50%ずつ出資する独立の会社が運営することとなる。この提携取引は、各種規制および株主の承認等の条件が承認されることが前提となるが、2026年前半に正式契約、同年末までの完了を予定している。合弁事業には、UPMとSappiのフィンランド、ドイツ、イギリス、米国、オーストリア、オランダにある合計12の製紙工場が対象となる見込み。印刷用紙市場はデジタルメディアの進展による広告収入の低下、発行部数の減少で、持続的な衰退に直面している。この合弁では、効率的で適応力ある、持続可能な印刷用紙事業を創造し、コスト競争力と供給の安定を目指す。年間約1億ユーロのシナジーが期待され、製品ポートフォリオの改善、物流、企業運営の効率化が見込まれる。この提携でUPMとSappiは、長期にわたる優位な業界の地位を確保でき、顧客に安定した供給体制を提供することを期待するとした。また中期的には、負債の削減にもつながるとしている。両社のCEOは、この合弁事業が紙業界にとってプラスとなり、持続可能な未来を生み出すことに繋がる、との見解を示している。

北米市況(11月度)

[新聞用紙]
*10月度は需要(見かけの消費)、メーカーの生産及び出荷ともに極めて低調であった。前年は大統領選関連の需要が増加、今年はメーカーの大幅生産休止等で生産稼働率も69%に留まった。輸出も前年半分程度に留まったが、需要自体の低迷大きく、出荷に占める輸出の割合は52%と依然半分以上。
*Domtar/Grenada工場(▲23.5万㌧)が9月に生産停止。Kruger/Corner Brook、White Birch/F.F.Soucyも現在生産休止中で、供給はタイトとなっている。
*北米メーカー各社は、11/12月でそれぞれ$25-の値上げを実施。輸出向けは、White Birchがインド向けに、1月以降$75-の値上げ。

[上質紙]
*10月度の需要は前年比▲2.4%であるが、追加関税導入後の影響が注目の輸入は、10月度は+44.9%で、追加分関税適用前の駆け込み船積分が纏まって到着、未だ大幅な増加である。北米メーカーの生産、出荷は▲9-10%と低調。
*IP/Georgetown(昨年末)、Pixelle/Chillicothe工場(8月)の生産停止で供給はタイト。(稼働率95%)。需要も回復しており市況は堅調である。輸入品等の在庫がいまだ多く、北米メーカーは値上げを一旦棚上げし、値上げの時機到来を待っている。さらにIP/Riverdale工場16号機(▲35万㌧)の生産停止(段原紙へ転抄)予定あり(来年3Q)、市況は暫く堅調に推移を予想。

[コート紙]
*10月度の需要は上質コート紙前年比▲5.5%、上質軽量コート紙同▲6.9%で、依然として低調。輸入はそれぞれ同+9.3%、横ばいであり、主要輸入国の多くに課される計15%の関税の影響が出る前に契約・発送された分が纏まって到着し、増大となった。関税の直接的に及ぼす影響度は11月度以降改めての検証となる。
*欧州・韓国等輸入紙サプライヤーは、10月以降関税分の一部(7⁻15%)を価格転嫁した。北米メーカーも4-5%の値上げで追随。価格修正は概ね受け入れの方向。メーカーから紙商への出荷価格は徐々に浸透(11月頃から)、しかし、川下ユーザーへの値上げは未だ。価格修正後の輸入品が到着するのも12月以降となり、価格修正の本格的浸透は、年明け以降になると予想。

[中質紙]
*2Q以降、中質紙は調整局面が続き、10月度も需要・生産・荷動きは全印刷用紙中最も低調。10月の生産稼働率は60%前後。北米の生産工場は、既に最小限まで減少しており、これ以上の削減を行なう動機付けは少ない。依然として市場環境は不透明で、状況に応じた供給能力の削減が引き続き行われ、需給のバランスを図ることとなろう。

[段原紙]
*3Qの米国段ボールの実出荷数量は、前年同期比▲1.4%と幾分回復したものの、3Qまでの累計では同▲2.0%と、依然として低調。コロナ禍発生以来、段ボールの実出荷数量は本年末までに▲7%の減少を予想。世界的なインフレ懸念、トランプ関税等による市場の不確実性で、今後も消費者マインドの低下が懸念。
*これを受け今年9月までに、IP(International Paper)、SW(Smurfit WestRock)など大手一貫メーカー中心として、前例のない規模の生産削減(段原紙合計で計▲350万㌧程度、北米生産能力の約9.5%)、段ボール工場の整理が行われており、川上から川下までの供給システムの再構築、市況の安定化に向け先陣を切る姿勢を示している。
*段原紙は本年初(1-2月)に$40‐の値上がりが実現したあと、ほぼ横ばいで推移。年明けには値上げの可能性もある。

欧州市況(11月度)

[新聞用紙]
11月は各国市場とも前月価格がほぼ持ち越し。11月には1Q分の価格交渉が始まった。サプライヤーは生産コストの上昇で価格の修正に迫られているが、来年度は需要も、今年の更に▲10%減が見込まれており、状況の打開は相当難しい。

[中質系印刷用紙]
4Q価格は、下落した価格がそのまま適用されている。既に発表されたUPM/Kaukas(30万㌧)、Sappi/Kirkniemi(17万㌧、ともにフィンランド)は、年内にも生産停止となる予定で、Sappiは1Qで中質コートの価格修正を打ち出した。

[非塗工上質紙]
11月の上質紙は、前月の価格下落後概ね横ばいとなった。パルプ価格は底打ちし、Navigatorは1月以降5-8%の値上げを発表。しかし供給過多に加え、アジアから安値で流入が続いており、需給バランスは、値上げを支えるには脆弱である。

[塗工紙]
11月の塗工紙の価格は横ばい。アジアから安値品が流入し、市況は依然軟調である。中質軽量コート紙は生産削減実施により、年明け以降の値上げの動きを見せているが、上質コート紙は、これまでメーカーからの値上げの動きは見られず、上質軽量コート紙の価格の動向を窺う姿勢である。

[段原紙]
テストライナーは、段ボール需要の減少、本年稼働の生産能力大幅増(約200万㌧)により、供給過多が進んでいる。原料古紙も、中国による再生パルプの品質基準の強化で、アジアへの輸出が大幅に減少し、価格も急落していることから、当面のあいだ、価格修正は極めて難しいと予想。クラフトライナーは、6月の値上げ(€40‐)も、その後は元のレベルへと下落しており、南欧市場では、北米品の輸入が依然安値で流入している。需要面でもクラフトライナー離れは進んでおり、段原紙全体として価格の下落には、更なる圧力が強まっている。

中国・香港・東南アジア市況(11月度)

[印刷用紙]
*中国市場では、出版入札案件が進行したことから、今後の一般商用案件の相場にも、ある程度の方向性が定まってきた。
*11月度の市場価格は、前月から概ね横ばいとなったものの、メーカーの値上げの動きは徐々に強まっている。今後年末から1月にかけて、出版物納品のピーク及び年末需要の増加で、荷動きにも活発さが回復してくることが期待される。メーカー及び紙商の在庫も、これに伴って消化が進むと予想される。
*メーカーの値上げは、11月分より香港市場でも上質紙・上質コート紙ともに$30‐程度のアナウンスとなり、APRILは上質紙で最大$20程度の受け入れが実現した。パルプ価格の上昇と秋需、またユーザーの在庫不足等のタイミングにより、一定の成果が見られた模様。
*コート紙は上質紙よりも市況が軟調で、APPも市場への値上げアナウンスは、幾分遅れ気味で行われた。パルプ価格の上昇で、サプライヤーは採算の改善が必要であるものの、春節を控えた状況下、本格的な市況回復に繋がるかは不透明である。

[板紙]
*中国市場の11月の段原紙は、夏以降の原料古紙(OCC)価格高騰と、大手メーカーの大幅な生産調整(9-10月)の影響から在庫の減少、それに伴う断続的な値上げにより、市場価格は依然として上昇基調にある。
*原料に関しては、10月に導入された輸入再生パルプに対する品質基準強化の影響で、供給の逼迫から原材料不足に新たに直面しており、原紙価格の先高観を更に加速させている。一方、段ボールメーカーでは原紙在庫が増加しつつあることから、春節を控え、今後の原紙購入のペースは鈍化に転じることが懸念されている。
*1月以降は、これまでの需要先食いの反動もあり、段原紙価格も調整局面に入ることが予想、状況によっては価格の反転も懸念される。
*アイボリーは、引き続きメーカー主導による値上げが行われている。しかし、これまでのマシン増設による供給過多に加えて、春節を控えて、今後は市場も更に非需要期に向かっており、値上げの動きがこのまま持続されるかどうかは、極めて不透明である。
*白板紙は、夏以降原料古紙の値上がりが続いており、段原紙同様、メーカーは値上げを継続して行っている。

【統計】10月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年10月の紙・板紙合計輸出は16万3,724トン(前年比2.0%増)、輸入は6万6,154トン(同5.3%減)となった。国内需要は162万1,082トン(前年比4.3%減)となった。
板紙の金額のみ前年比増。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】1-9月 米国紙・板紙輸入

2025年1-9月の米国紙・板紙合計輸入は534万5,524トンで前年同月比2.1%と減となった。金額は58億5千3百万ドル(同3.2%減)となった。上位4か国が大幅に落ち込んだ。

出典:Data Web(USITC)

メキシコ 関税率引き上げ

メキシコ政府は2026年1月1日より、中国を含めFTA未締結国からの関税率を最大50%に引き上げると決定した。品目別の関税率詳細は今のところ不明。

同国の中国からの紙・板紙輸入は2024年計で2億2,600万ドルとなっている。

米国マネジメント・トップ250

レアモント大学院大学のドラッカー研究所が開発した「マネジメント・トップ250」ランキングは、顧客満足度、従業員のエンゲージメントと能力開発、イノベーション、社会的責任、財務的健全性の5つの分野における実績を分析することで、企業の経営の有効性を測定するもの。

1位はNvidiaで5位まではGAFAM企業が占めた。

紙パルプ企業からは International Paper がスコア53.3で247位にはいった。

(WSJ 12/12/2025)

カテゴリー: WSJ

2025年10月 紙類通関統計原本等(組合員に限る)

2025年10月 紙類輸出通関統計(原本)

2025年10月 紙類輸出通関統計月次ファイル

2025年10月 紙類輸出通関統計税関別HSデータ

2025年10月 紙類輸入通関統計(原本)

2025年10月 紙類輸入通関統計月次ファイル

2025年10月 紙類輸入通関統計税関別HSデータ

2025年10月 紙類輸入通関統計税関別品目別ファイル

紙類紙類海外動向レポート
2025年第9号 2025年12月

Contents
海外動向トピックス
北米市況(11月度)
欧州市況(11月度)
中国・香港・東南アジア市況(11月度)
【統計】9月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】9月 中国紙・板紙輸出入

海外情報トピックス

Sappi/UPMの軽量中質コート生産削減について(年内に一部生産を停止)
Sappi EuropeとUPMは、フィンランドの一部工場の中質軽量コート紙の生産停止を決定した。デジタル化の進展により印刷物の需要が低迷し、業界全体で構造的な需要が減少していることが背景にある。
-Sappi Europeの動向:
フィンランドのKirkmiemi工場では2号機の生産を年内に停止する。年間生産能力が約17.5万トン減少、工場全体の生産能力は57.5万トンに減少する。93名の従業員が解雇となり、同品種の生産は1号機と3号機に振り分けられる。競争力の強化が目的。
-UPMの動向:
UPMは、フィンランド南東部のKaukas工場での生産を年内に永続停止とする。年間30万トンの生産能力が減少、約220名の従業員が影響を受ける。年間3200万ユーロの固定費が削減される。雑誌印刷需要の低迷が背景。欧州の雑誌用紙の需要は、前年比で11%減少し、同社の印刷情報用紙部門の売上高も14.5%減少。生産はRauma工場や英国、ドイツの工場に集約されるものの、依然世界最大級の生産規模を維持している。

両社の生産停止は、需要低下に対応し競争力を維持・向上させる戦略の一環で、市場の変化に対応、生産能力を調整することにより、固定費削減し生産の効率化を図るものである。

中国;古紙パルプ等輸入貨物への規制を強化
中国政府当局は、古紙パルプ等の輸入貨物に対する品質規制を突然強化し、輸入業者及び海外のサプライヤーなどの関係者に、不安と動揺を与えている。規制は既に10月以降実行に移されており、特に乾式粉砕によって生産された古紙パルプに付き適用される。規制対象の当該品を積載した、すべてのコンテナからサンプルを採取し、研究所などにおいて微生物(バクテリア、カビキノコ類)の残存の有無を検査する。研究所での検査結果判明には4-6週間要するといわれる。その間は、通関等輸入手続きの一切が保留となることから、輸入業者の間では、今後コンテナの超過費用等の発生が懸念されている。昨年2024年の中国への古紙パルプの輸入量はおよそ265万㌧。最大の輸入国タイからは、そのうち156万㌧(58.7%)に及び、そのほとんどが乾式製造方式である。
中国は2021年初から導入された古紙輸入の完全禁止措置以来、大手板紙メーカー中心に、東南アジア各地で再生古紙パルプの生産を増大させてきたが、今回の規制強化により、東南アジアへの古紙の供給の流れ、価格に大きな影響が出てくることが懸念される。アジア市場での段ボール古紙(OCC)の主要供給先である米国への発注にも、既にキャンセル、また今後の購買も暫く控えるなどの動きが出始めており、一部洋上にあるAOCCが投げ売りされ、一部の仕向地及び米国国内市場では、価格の急落が見られるようになっている。この動きが続けば、米国産の古紙価格には下落のみならず、品質分別の低下を招き、品質の劣化の発現の可能性もある。

中国;ナインドラゴンの木材パルプ増産の動きについて(まとめ)
中国の紙板紙メーカーであるナインドラゴン(Nine Dragons)の木材パルプの増産計画について;

中国最大の紙板紙メーカーナインドラゴン(Nine Dragons)は、今後2027年第1四半期までに、約200万㌧程度の木材パルプを増産する計画を明らかにした。計画は天津工場(50万㌧、2026年第4四半期稼働予定)、重慶工場(75万㌧)、北海工場(広西チワン族自治区、80万㌧、2027年第1四半期)。依然として続いているバージンパルプ系の紙・板紙(非塗工上質紙、コートアイボリー等)の増産、及び段原紙生産の原料としての対応で、原料の供給を、これまでの輸入から国内での生産・供給体制へ整える方向へと舵を切っている模様。

特に段原紙については、2021年初以降実施された古紙の全面的輸入の禁止で、原材料の確保や補完の必要から、東南アジア各地へ再生パルプの生産拠点を構える動きとなっていたが、この10月以降中国政府当局は、古紙パルプ等の輸入貨物に品質規制を強化しており(上述)、今後の原材料の供給体制に、再び不透明感が出始めた最中での大手メーカーによる動きとなった。

輸入規制の強化: 中国政府は、2021年初以降、古紙の全面的な輸入禁止や品質規制の強化を行っており、この政策変更により、原材料の確保に対する不確定要素が増し、国内での原料供給能力を強化する必要性が出てきた。

国内供給体制への移行: 今まで中国の製紙業界は、大部分の原材料を輸入に頼ってきたが、輸入依存度を減少させるため、国内での生産にシフトする動きが強まった。

地域の生産拠点の拡充: ナインドラゴンは天津、重慶、広西チワン族自治区の北海などで木材パルプ製造能力を増強している。これらの地域に新たな生産拠点を設け、これまでより輸送コストの削減や地域経済への貢献が期待できる。

国際市況への対応: 国際的な紙板紙市場の低迷や需要の変動に対応するため、国内での一貫生産体制の強化を志向した。国内生産の拡大により、低コストでの生産が可能になり、競争力を強化することができる。

環境規制の影響: 環境保護の観点からも、国内での原材料生産を増やすことで、輸送時に生じる環境負荷を減少させることができる。また、より環境に配慮した製造プロセスを導入することで、持続可能な生産が可能となる。

これらの要因が、中国における木材パルプ増産の背景として挙げられる。国内での原料供給能力を強化することで、業界の安定性を高め、環境への影響を低減しつつ、国際市場での競争力を向上させることを目指している。

メキシコ政府;中国産輸入箱用板紙に対しアンチダンピング暫定課税を実行
メキシコ政府は、中国から輸入される箱用板紙(白板紙)に対して、アンチダンピングの暫定課税を実行することを決定した。これは、国内の段原紙メーカーであるProductora de PapelとCartones Ponderosaによる申立てを受けたもので、中国メーカーには1トンあたり370.2ドルのダンピング課税が課されることとなる。

この措置の背景には、中国産箱用板紙が廉価で大量に輸入されていることがある。メキシコの通関統計によると、昨年度の箱用板紙の輸入量は128万トンで、そのうち約40%の50万トンが中国から輸入されたものである。この状況が国内産業に悪影響を及ぼす可能性を懸念し、メキシコ政府は2025年2月にすべての輸出国を対象に調査を開始する意向を示唆していた。しかし、情報筋によれば、調査は主に中国を対象としてものであった。

この暫定課税の目的は、不公正な輸入によって国内産業が被害を受けることを防ぐことである。政府は、適時に適切な対策を講じることによって、国内企業の保護と公正な市場競争を確保する方針である。したがって、今回の決定はメキシコの産業を守り、健全な市場環境を維持するための重要なステップとなる。

北米市況(11月度)

[新聞用紙]1-9月累計の北米需要は(前年比▲15.9%)、昨年の減少率(▲14%)を上回るペースで進行中。最大メーカーのDomtarはGrenada工場(▲23万㌧)を9月に生産停止した。他にも数社が一時的な休止を一斉に行ない、供給はタイトとなっている。11月以降で$50の値上げを発表した。
[上質紙] 輸入関税の発動を前に、ブラジル等からの輸入は増加したが、8月以降輸入は急速に減少している。一方北米メーカーの荷動きは堅調で、IP(Georgetown)/Pixelle(Chillicothe)の生産削減により供給はタイトとなった。市況は概ね堅調だが、年前半に積み上がった在庫が十分にあり、北米メーカーは市況に未だ慎重な姿勢を崩していない。北米メーカーは積極的に値上げの意向を示しておらず、静観して輸入品メーカーに対し圧力をかけている。
[コート紙]雑誌印刷・広告需要が景気の低迷から依然として振るわない状況が続いている。相互関税の発動で、市場の先行き懸念が再燃して、輸入紙の手当ては更に減少した。欧州・韓国等中心の輸入紙メーカーは7-15%、北米のメーカーも3-5%の価格修正を発表したが、印刷加工のユーザー等への価格転嫁は現時点で進んでおらず、値上げの進捗が市場に表れるのは、早くても年明けになると予想される。
[中質紙]2Q以降は1Qで積み上がった在庫の調整が目立ち、1-9月累計の需要は、前年からのマイナス幅が、6月時点よりも広がっている。輸入への依存度は相対的に低く、需要の低迷に伴い、北米メーカーの稼働率自体も上がっていない。今後は欧州を中心とする輸入紙から北米品へのシフトも予想されるものの、需要は依然として低迷していることから、需給バランスを計りながら、生産削減が続けられていくことになろう。
[段原紙]3Qの米国段ボールの実出荷数量は、前年同期比▲1.4%となり幾分回復してはいるものの、3Qまでの累計では同▲2.0%となり、依然として低調に推移している。今後年末需要の盛り上がりが期待されるが、本年度の実出荷は同▲1.4-2.0%と予想され、これは2015年以来の低水準となる見込みである。今年2月以降9月までに、IP、Smurfit Westrockなど主要メーカーが合計340万㌧(全生産能力の9%)の大幅な生産削減を行なった。生産環境は急速に引き締まりを見せており、来年度にかけて堅調な市況で推移することが期待される。

欧州市況(11月度)

[新聞用紙]新聞用紙価格は、一部で値引き取引が見られるが、英・仏など主要市場では概ね安定で推移した。供給過剰と生産コストの圧力で、欧州のサプライヤーは苦戦が続いている。カナダからの売り攻勢は、北米メーカーの生産削減から、このところ弱まってきている。
[中質系印刷用紙]4Qの印刷用紙価格は広く下落となった。LWCは英国市場で、案件毎の価格見直しが行われた。SC紙の供給過剰は特に著しく、契約途中でも一部価格の見直しが見られる。このような状況でKabel Premium、UPM/Kaukas、Sappi/Kirkniemi等、12月までに計92万㌧が生産停止となる(中質紙生産能力の約25%)。
[非塗工上質紙]10月の価格は一層下方圧力が強まった。印刷・コピーのいずれの用途も需要低迷・供給過剰で、4Q突入を機に▲€30-40程度下落となった。パルプ価格(LBKP)の上昇で、サプライヤーは採算の悪化が懸念される。
[塗工紙]同様に塗工紙も、需要の低迷と供給過剰で苦戦しているが、今夏は上質紙ほどユーザーの要求に敏感に対応しなかったため、逆に激しい価格競争からは逃れることができた。これによりサプライヤーは、4Qの価格交渉は幾分強気な姿勢で臨んでいる。
[段原紙]TLBは、大手メーカーが10月に突如打ち出していた€130-の値上げは全く受け入れられず、再度値上げを窺う様子も見られるが、今年は新マシンの稼働が続いており、少なくとも来年度初めまでは、価格修正は難しいと考えられる。KLBはTLBの価格動向次第であるが、ユーザーのKLB離れ、北米品の流入は続いており、状況の会以前は更に厳しくなっている。

中国・香港・東南アジア市況(10月度)

[印刷用紙]
中国市場では、10月度のコート紙および上質紙の価格が続落した。出版関連の入札遅れや需要の低迷が原因だが、在庫レベルも依然高水準であることも要因である。しかし、11月以降は出版入札が開始され、メーカーもパルプ価格の上昇を背景に値上げを行なっており、市場価格には反転の可能性も出てきた。但し、供給過剰は依然解消されておらず、メーカーの意向通り値上げができた場合も、その値上げ幅は極めて限定的と予想される。
12月になると年末の駆け込み需要と、販売店の在庫調整を目的とした値引き販売が見込まれ、価格は再び下落の可能性がある。1月までの価格動向は非常に不安定で、反発と下落が交錯し、一定の方向が望めない局面が続くと見られる。

香港市場では、中国の主要メーカーが11月以降注文の分に対し、$30⁻の値上げを発表した。パルプ価格の上昇、秋需の影響が要因として挙げられるが、実需には回復の力強さが見受けられず、大幅な値上げは期待できないとの見方が多い。コート紙も値上げがアナウンスされたが、生産調整を継続しながら値上げの環境が整うのを待つことを余儀なくされている。旧正月を控え、香港市場では今後荷動きは鈍化が見込まれ、値上げはやはり限定的なものとなることが予想される。
      
[板紙]
中国市場の10月の段原紙は、夏以降の原料古紙価格の高騰と、10月になって突如導入された、再生パルプの品質規制による供給懸念から、原紙の価格は急騰している。川下の段ボール加工会社は、更なる原紙価格の値上がりを懸念し、先物買いを集中的に進め、在庫の積み増しを行なった。原紙メーカーの在庫も減少し、メーカーは価格攻勢を強めている。
11月は原料コストの高止まりと在庫の更なる減少で、大手メーカー中心に、値上げの意向は依然強く、原紙価格は更なる上昇が見込まれる状況である。

【統計】9月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年9月の紙・板紙合計輸出は15万5,335トン(前年比1.2%減)、輸入は6万4,576トン(同4.6%減)となった。国内需要は156万2,989トン(前年比0.1%増)となった。
板紙が内需増に寄与した。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】9月 中国紙・板紙輸出入

2025年9月の中国紙・板紙合計輸出は65万8,079トンで前年同月比5.6%増となった。同輸入は69万4,636トン(同12.0%減)となった。段ボール原紙の輸入が大幅に落ち込んだ。