GCCにおける製紙産業の展望(4)古紙

アラビア半島でも環境問題から再生利用意識が高まっているが、サウジアラビアの回収率は先進国に比べ依然かなり低率の28%程度。サウジアラビアMiddle East PaperCo(MEPCO)社は多大な投資をし古紙回収や再生利用の向上に努めてきており、GCC地域で唯一独特の古紙回収ネットワークを確立している。2001年に小規模古紙回収販売会社を買収、子会社WASCOとし今や中東最大のネットワークに成長、年間段ボールの古紙を1.8万㌧回収している。サウジアラビアでは古紙の輸出入は通常以外の余分な国内税及び関税がかからない為、業者及び輸出者は国際市場、特にインドや中国に高値で販売でき古紙輸出はかなりの利益が期待できる。その為地元製紙メーカーは原料古紙が不足枯渇し、輸入古紙を高値で手当てせざるを得ない状況。原料確保に苦慮している地元メーカーの生き残りや競争力向上に何らかの問題解決が求められている。
Pulp & Paper International January 2012から抜粋

GCCにおける製紙産業の展望(3)ティッシュ

サウジアラビアのティッシュ生産量及び消費量は29.9万㌧で、需給バランスが均衡している。中東のティッシュ消費量は過去5年間に26%増加しGCC諸国では39%増加となった。中東イラクでティッシュ工場(国営)が1970年代に建設され、次いでクウェートのGulf Paper Manufacturing Co(GPMC)が1980年代に生産開始した。Saudi Paper Manufacturing Co(SMPC)が1991年に最大のティッシュ工場を建設し歴史が変わり、今日でも最大の規模を維持している。最近の増産計画:SPMC5万㌧、Gulf Paper Industries Factory(GPIF)3万㌧、Abu Dhabi National Paper Mill(ADNIP)3.5万㌧、Crown Paper Mills2.3万㌧、Queenex Group(UAE)4万㌧。ティッシュメーカー能力:サウジアラビア―SMPC18万㌧(12.9万㌧―以下カッコ内数字は2010年版Lockwood Directory)、GPIF1.7万㌧(1.2万㌧)。UAE―ADNIP2万㌧(7万㌧)、Emirate Paper Mill1.2万㌧(2.3万㌧)、Crown Paper Mill3万㌧(1.25万㌧)。バーレーン―Olayan Kimberly Clark1.2万㌧(1.5万㌧)。クウェート―GPMC1.7万㌧(1.2万㌧)。
Pulp & Paper International January 2012から抜粋

GCCにおける製紙産業の展望(2)段原紙

経済成長に伴い、又消費者志向や環境問題から、段原紙の需要が急成長しており、GCC地域では目下年間約130万㌧の段原紙を消費し、そのうち約100万㌧は域内で製品加工されている。Middle East Paper Co(MEPCO、サウジアラビア)は高品質のテストライナーを生産しており、Kライナー代替に使用可。同社の再生中芯もセミ芯代替使用可能。国産の再生中芯の強度、サイズ度等が良く価格面から輸入セミ芯を使う必要性がない。同社は4号機を設置し生産能力を100万㌧(生産米坪は75-450g)を計画としており、GCC以外、中近東・北アフリカ最大の段原紙メーカーを目指している。
Arab Paper Co(サウジアラビア)も能力を40万㌧に引き上げる計画有り。白ボーボールでは、Obeikan Paper Mills(サウジアラビア)に次いでQueenex AbuDhabi(UAE)が9万㌧新設計画有り。主な段原紙メーカー及び能力:サウジアラビア―Middle East Paper Co 50万㌧(61.5万㌧―以下カッコ内数字は2010年版LockwoodDirectory)、Gulf Paper Industries Factory 2.4万㌧(3.5万㌧)、Arab PaperManufacturing17万㌧(20万㌧)。UAE-Union Paper Mills10.5万㌧(14.5万㌧)、Gulf Paper Manufacturing Free Zone6.6万㌧(5万㌧)。主な白ボールメーカー及び能力:サウジアラビア―Obeikan PaperMills15万㌧。
Pulp & Paper International January 2012から抜粋

GCCにおける製紙産業の展望(1)

GCC(湾岸協力理事会)諸国はサウジアラビア、UAE、クウェート、カタール、オマーン、バーレーンの6ケ国で構成され、2006年に結成25周年を迎えた。長年石油産出国として脚光を浴び、製紙産業は話題にもならなかったが、製紙供給国として光を浴びる日もまじか。2001年から2011年に製紙産業は8%成長した記録があり、GDP成長率は2009年に1%以下であったが、2011年に5%台に回復する見込み。乾燥地域で製紙産業に最低必要な原料繊維と水が不足しており、パルプは輸入に依存の状態。古紙は紙器業者、大手スーパー、印刷会社及び家庭からの発生に依存しているが、これらの古紙も輸出業者が海外に高値で販売できる為、国内で不足がちとなり国内製紙メーカーとして古紙獲得に躍起となっている状態。製紙産業は未だ統合されておらず、海外の輸出者はGCC市場を自国製品が生産過剰な時やGCC国内ユーザーが品不足から高値の輸入品を手当て可能な時にのみ輸出ターゲットとしている。GCC最大の経済国はサウジアラビアで、人口約2420万人、一人当たり年間紙・板紙消費量は39.6kg、GCC全体の年間紙・板紙消費量は約350万㌧。
Pulp & Paper International January 2012から抜粋

日韓リターナブルパレット会議―パレットの共有化、国際化推進

12月12,13日開催の日韓リターナブルパレットシステム会議から。資源の有効利用や廃棄処理コスト低減等多くの観点から必要性が強調された。パレットの国際化には、先ず各国がアジア基準に規格統一が必要。現在東アジア8ケ国で構成するアジアパレットシステム連盟(APSA)策定のアジア標準基準パレット:1100×1100mm、1200x1000mmの2種類。木製パレット形式は、片面・両面使用形二方差し及び四方差し、プラスチック製は片面使用二方差し・四方差し。寸法許容範囲はISO6780:2003により+3/△6ミリメートル。
1月27日付け 板紙段ボール新聞から抜粋

中国 広東江門中順紙業 政府から1100万元特別融資獲得

中順集団の発表では、100%子会社、江門中順紙業が政府から1100万元の融資獲得に成功、高級ティッシュ生産ライン(5万㌧)用に投資する。江門中順紙業は広東省江門市新会区双水鎮にあり、2006年創業、製品ブランドは「C&S」、「潔柔」、「太陽」。中順集団生産能力全国3位。
1月25日付け ChinaPaperOnlineから抜粋

2012年 世界製紙産業注目すべき5社(5)

Pulp &Paper International 2012 1月号の掲題記事で、5社の名前を挙げている。①ブラジル エルドラド、②中国 山東博匯、③中国 恒安国際、④米国International Paper、⑤フィンランド UPM。今回は⑤フィンランド UPM社に関し;目下欧州市場は財政面、通貨面で災難に見舞われており、製紙産業は特に印刷出版用紙分野(Graphic Papers)に於いて先行き不透明で縮小が懸念されている。この分野で大手メーカーであるUPM社は、Graphic Papers等の量産品目から「Biofore」戦略のもと低炭素社会―バイオ経済に向け着実に進んでいる。「Biofore」:Bioは将来方針、持続的な解決、良好な環境パフォーマンスを意味し、foreはフォストやUPM社が進歩発展の最先端にあることを意味する。Bioforeの思想のもと、既に以下の製品化がすすめられている。Fibril セルロース:単に水分を添加することで、製品を用途によって強力化、軽量化、薄物化が可能。ForMi:パルプ繊維とプラスチックポリマーの混合物でプラスチック同様に着色や成型が可能。UPM社はCEPI(欧州製紙産業連盟)が掲げている2050年に向けた低炭素社会―バイオ経済実現のロードマップに取り組んでおり注目に値する。
Pulp &Paper International 2012 1月号から抜粋

2012年 世界製紙産業注目すべき5社(4)

Pulp &Paper International 2012 1月号の掲題記事で、5社の名前を挙げている。①ブラジル エルドラド、②中国 山東博匯、③中国 恒安国際、④米国 International Paper、⑤フィンランド UPM。今回は④米国 International Paper に関し、その国際戦略に注目。◎ロシア イルムグループ(IP社シェア50%)総額7億㌦の大型プロジェクト、ロシア東部バラツクパルプ工場の晒クラフトパルプ72万㌧が進行中。更に2013年に14億㌦のプロジェクト計画があり、中国と合弁のBCTMP工場建設も含まれている。◎米国テンプル・インランド社買収:この買収で北米1位と3位のメーカーが一緒となり生産能力合計1400万㌧、北米市場占有率は35%以上となる。買収額は総額40億㌦以上で、2位のロックテン社(スマーフィットストーン社買収後)の生産能力の倍以上となる。◎2011年末のインドAPPM(Andra Pradesh Paper Mills)の75%株式購入:IP社にとってインド市場参入の第一歩。APPM社はインド他メーカーより一貫化が進んでおり、印刷用紙を得意とするが、IP社は包装材(パッケージグレード)生産に興味がある。◎中国太陽紙業との新規合弁:山東兗州市に新規合弁会社設立、40万㌧の紙器用板紙工場。IP社シェア55%、生産品目は液体容器、食品容器、タバコ用の高級コートアイボリー。
Pulp &Paper International 2012 1月号から抜粋

WTO研究センタ―講演会「貿易と環境」

1月24日(火)掲題講演会に出席。WTOドーハ・ラウンドの先行き不透明な中、アジア・太平洋地域で地域貿易協定(FTA/EPA)が締結されている現状で、同時に地球環境・温暖化問題に対処する自由貿易が求められている。WTO及び自由貿易の将来の展望に関する講演会。演題:「WTOの今後と紛争解決」、「Harnessing Trade for Green Economy」。1947年WTOの前身GATT発足以来、ウルグアイ・ラウンド、ドーハ・ラウンド経て多くの貿易協定が締結。貿易拡大に向け多国間協議から二国間協議が顕著になってきており、先行きは不透明な状態。GATT時代から国際紛争解決機関が設置されており、WTO上級委員会7名が日夜国際紛争解決にあたっている。WTO紛争解決組織は他の貿易機構「NAFTA」,「APEC」よりしっかりしており、WTO存在意義や存続にとって1つの求心力となっている。低炭素社会に向けた国際貿易のあり方にも説明が及んだ。
関連資料当組合にあります。