金融危機下の中国経済〜現状と今後の展望

2月25日、日本貿易会ゼミナールで(株)富士通総研 主席研究員 朱 炎 氏より「金融危機下の中国経済」についての講演があった。

◎中国経済の現状

  • 経済成長の減速 07年 13% 08年 9% 第4四半期 6.8%
  • 景気悪化の実体 輸出減速(特に対米輸出)、企業の倒産・経営難、工業生産の停滞、不動産・株式市場の低迷
  • 改革開放後3回目の景気調整期

◎中国経済の今後

  • 中国は08年7月から従来の引締め政策から方向転換。景気刺激策(財政出動、金融緩和)に変わった。
  • 08年11月に内需拡大の財政政策を打出し、10年までに政府で4兆元の投資の実施計画を設定。地方も独自で景気刺激策を取る。
  • 輸出促進政策により、輸出税還付の引上げ、人民元の対ドル安定化。
  • 消費刺激策として11月から「家電下郷」で農村の家電製品の販売に13%の補助金。「汽車下郷(自動車)」についても3月から農村での販売に補助金。
  • 消費が堅調、内陸経済が沿岸部より元気、農村の所得・支出の伸びが初めて都市を上回る等、明るい面もある。

◎景気回復の予想

  • 本年の第2四半期から回復、第3四半期からは成長軌道へ復帰するのではないか。(既にバラ積船海運価格の上昇、日本の中国への鉄鋼輸出の回復等、底入れしている部分も見受けられる。)

石狩湾新港説明会

226日石狩湾新港の説明会があり、参加した。道内にあっては札幌直結、世界に向かっては西の玄関として、402万tの取扱貨物量となっている(うち外貿200万t)。水深14M岸壁が整備され、アジアのハブ港釜山港とのコンテナ航路活用が期待されている。関連資料は当組合にあります。

中国 紙需給状況

Chinapaperonline.com は、中国の紙・板紙品種別需給状況をまとめた。

  • 新聞用紙 2006年以降、需給関係が変化し、供給過剰分が海外市場にまわされた。一方、内外市場の停滞により、供給過剰は強まるとみられる。
  • コート紙 生産能力は約460万トンである。国内需要は、10%増となると410万トンで、50万トンの過剰分は海外で消費されている。
  • 白板紙 塗工白板紙の需要は2000年から2007年の間で年間20%増となっている。一方、2009年には景気減速により、価格は低下するとみられている。
  • 段原紙 年間の需要増は約120万トンである。供給増は2007年に240万トン、2008年は160万トン、2009年に140万トンとなり、需要停滞において供給過剰となっている。

※ 資料は当組合にあります。

EU24時間ルール延期

シッピングガイドによると、EU24時間ルールが延期され、輸出入とも2010年末まで義務化されないこととなった。20EUの関税規則委員会が採択したもので、正式発表はされていない。輸入については、24時間ルールは今年7月からの実施が予定されていたが、同委員会で猶予を検討していたもの。

セミナー 金融危機の投資・貿易への影響

日欧産業協力センターは2月25日、「金融危機の投資・貿易への影響」セミナーを開催した。

外国投資に対する市場開放性は、EU設立当初から論議されてきたテーマである。欧州におけるモノ・サービス・雇用そして資本の単一市場の形成と深化は、国境での障壁をいかに排除できるか。

プログラム

  • 「金融危機は欧州を保護主義に向かわせるか?」

Bryegel (在ブラュセル シンクタンク)研究フェロー ニコラ・ヴェロン氏

  • 「金融危機下における多角的貿易自由化」

京都大学経済研究所 教授 若杉 隆平 氏

※資料は当組合にあります。

タイ 製造物責任法

JETRO通商弘報によると、タイで「製造物責任法」が2009220日施行された。対象製品は、自然物でない農産品や電気を含む販売の為に製造・輸入された動産となっており、すべての関係事業者が連帯責任を負うこととなる。法解釈や詳細な条文については、弁護士などの専門家に確認してほしいとしている。

国際経済情勢と日本経済の行方 講演会

2月23日、三菱UFJ銀行主催で「国際経済情勢と日本経済の行方」について、森永卓郎氏と国際投信投資顧問(株)山内副社長より講演があった。

森永卓郎氏講演(要旨)

  • ここ25年の間に米・イギリスを中心に新自由主義の流れになり、これが金融資本主義の台頭となった。
  • 金融資本主義では付加価値は労働ではなく資本(金)が生み出すという考え方で、グローバルマネーが世界をかけめぐり、各部門でバブルを引き起こした。
  • 原油は1年半で50ドル/バーレル→147ドルと3倍になったが、これはニューヨーク原油先物取引市場の70%以上が投機資金であったことに起因している。
  • さらに、ブッシュ大統領のトウモロコシの20%をバイオ燃料にするとの発言から、トウモロコシが1年半で3倍になり、小麦・大豆等もトウモロコシへの転作により価格上昇を招いた。この穀物市場の高騰も、投機資金の大量の流入によって起こっている。
  • これにサブプライムローンによる金融危機が起こり、世界的な大不況に陥った。
  • 日本の輸出は、米国向17%、アジア向50%と米国の比率はそれほど高くない事、資源価格・穀物価格が投機資金の流出により下がってきた等、日本にとって暗い面ばかりではない。

山内氏講演(要旨)

  • 日本の一般政府の債務残高は対GDP比170(1.7倍)と他先進諸国に比し、2〜3倍と最悪の財政状況となっている。
  • 日本経済には人口減少(総人口、生産年齢人口)が大きな重荷になっている。
  • 日米の経済成長率は、95年から米国が日本を上回っており、中・長期的には円高になる可能性は低い。
  • 最近の円高は円キャリートレードの日本への還流が中心となっており、これも落ち着きをとり戻している。

インド 製紙産業近況

インドの中小製紙工場は、経済危機の影響にかかわらず、需要増加による堅調な利益と安定した操業率を保っている。2008年9月四半期には売上げは22%の2桁増となった。

一方、中国からのコート紙、コピー用紙の輸入による価格押し下げなどの懸念から、設備投資には十分な市場調査が必要だとしている。

Slowdown Fails to Crush Indian Paper Industry