紙類海外動向レポート
2026年第12号 2026年3月

海外動向トピックス
北米市況(1月度)
欧州市況(1月度)
中国・香港・東南アジア市況(1月度)
【統計】12月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】1-12 米国紙・板紙輸入

海外情報トピックス

米国;International Paper DS Smith 買収後の事業を2社の独立企業に分割

2025年1月のIPによるDS Smith買収は、世界の段ボール・段原紙市場での規模と競争力を高めることを主目的としたものであった。買収による新生IPグループの、段原紙生産能力は約1,600万トンとなり、約1,700万トン規模のSmurfit WestRock、更にアジアで拡大を続けるナインドラゴンと並び、「三強」の一角を占める体制が整った。

欧州域内では、北アフリカ~南欧を中心に拠点を持つIP(段ボール工場22~23カ所、段原紙48万トン)に、欧州主要市場で、150カ所超の段ボール工場と360万トンの段原紙能力を有するDS Smithが加わることで、地理的補完関係が強く、シェアの重複も限定的であった。また、段ボール加工に対して自社内の原紙供給が相対的に不足していたDS Smithにとって、IPの北米からの段原紙供給が可能になる点も、大きなシナジー要因と目されていた。

しかし、ECの承認条件として、IPは欧州の段ボール工場4カ所とシート工場5カ所の売却を迫られたうえ、その後の欧州市況は低迷が続いた。その結果、当初期待された「北米から欧州への原紙輸出+欧州での垂直統合」のビジネスモデルは十分に機能せず、収益改善は想定を下回った。2025年第3四半期には約11億ドルの純損失を計上し、期待されたほどの統合シナジーは現れていない。

こうした中でIPは、北米と欧州・中東・アフリカ(EMEA)では市場環境や構造変革のスピードが異なり、一体運営よりも地域ごとに経営資源を集中した方が成長機会を最大化できると判断し、グループを北米とEMEAに特化した2つの上場会社に分割する方針を打ち出した。

北米側は現IPの社名を継承し、IPとDS Smithの北米資産を集約する。一方、EMEA側は新社名の包材会社として両社の同地域資産を統合し、IP株主へのスピンオフ(IPは一部持分を継続保有)という形で独立させる計画である。分離は株主承認と当局認可を前提に12~15カ月以内の完了を見込む。また、統合後のIPは北米で約180万トンの段原紙生産能力削減や、リバーデール工場の非塗工上質紙から再生段原紙への転抄など、北米段ボール事業への集中とスリム化を進める一方、欧州では旧DS Smithのシート・段ボール工場5カ所をPalm社に売却するなど、地域別に事業ポートフォリオを再構築している。

このようにIPは、世界市場の過当競争と地域間の需給ギャップが拡大する環境下で、規模の維持よりも「地域特化・選択と集中」による収益力回復と持続的成長を図ろうとしている。

トルコ;Eren Holding 英国のBM Packagingを買収し 欧州市場で段ボールの一貫生産体制を構築

トルコのコングロマリットEren Holdingは、オランダの子会社Nova Paper & Packagingを通じて、英国の段ボールメーカーBM Packagingを買収した。Eren は紙・包装分野を中心に多角的な事業を展開、トルコでは再生段原紙メーカーのModern Karton、段ボール加工のModern Ambalajを傘下に置き、原紙から段ボール製品まで一貫したバリューチェーンを構築しているが、今回の買収により、この統合モデルを英国市場にも拡張、英国および欧州市場で進める再生段原紙事業の垂直統合戦略の一環と位置づけられる。

英国において、Eren Holdingは2021年にUPMから新聞用紙工場を取得、これを再生段原紙工場に転換するプロジェクトを進行中である。年産75万トン規模の再生段原紙は2026年第1四半期中に稼働を迎える予定である(計画当初は2024年中の稼働予定だった)。今回買収のBM Packagingは、このShotten工場から約107kmという近距離に位置し、大型段ボールやオーダーメイド段ボール、ダイカット包装など高付加価値製品を製造しており、Shotten工場で生産される再生段原紙の優先的・安定的な供給先として機能しうる存在となる。即ちErenは、Shotten工場での増産によって、欧州市場の供給過多リスクが高まるなか、自社グループ内において確実な需要を確保し、原紙から加工製品までの一貫供給体制を英国でも構築することにより、市況軟化局面における収益の安定性と競争力の維持を図る意図がある。

北米市況(1-2月度)

【新聞用紙】

2025年の北米新聞用紙需要は85.5万トン(前年比15%減)、生産は166.6万トン(同19%減)と縮小が続いている。Domtar/Grenada、White Birch/FF Soucy、Thunder Bayの停止により生産能力は約28%減少し、稼働率は2025年83%、2026年は85%への上昇が見込まれる。海外市場の需要減少で、北米からの輸出が年後半は減少し、昨年度の輸出比率は50%となった。2026年以降も需要は減少が予想されるが、原燃料高騰等により価格の引き上げは不可避であり、昨年末の$50の値上げに続き、2026年3月から米国向け$50-、カナダ向け$70-の再値上げが打ち出された。今後は現在一時停止中のKruger/Corner Brook、一時停止から今は再開したKap Paper/Kapuskasing工場の動向等も、稼働率や価格の維持の鍵となろう。

【上質紙】

2025年の北米上質紙出荷は410万トン(同6.6%減)、輸入は13.9%増と、輸入増が国内の低調な需要を部分的に補った形である。IPやPixelleの設備停止などで供給は引き締まり、稼働率は平均90%と前年から改善した。追加関税発動後は、輸入減と在庫一巡を背景に、値上げ環境が整い、Domtar、Sylvamo、PCAなど主要メーカーは2~3月出荷分で3~9%の値上げを発表した。北米は世界的にも高価格市場であり、2026年も堅調な需給を背景に、年後半に更に$40程度の値上げが期待される。

【コート紙】

2025年の上質コート紙需要は180万トン(同10%減)、中質軽量コート紙も69万㌧(同8%減)となった。輸入比率は上質コート紙34%、中質軽量28%となり、メーカー稼働率はそれぞれ86%、85%まで回復した。しかし、構造的に需要減少は変わっていない。昨年初は関税懸念による輸入積み増しがあったが、以降は荷動きも鈍化し、在庫調整が続いた。秋以降は輸入上質コート紙が先行して7~15%の値上げを行い、国内メーカーも追随、概ね$20~40の値上げとなった(中質軽量は据え置き)。北米のコート紙市場の価格は世界的に高水準であり、今後トランプ関税が最高裁により違憲と判断された場合も、輸入シェアは増えることはあれ、減少することは考えづらい。2026年は上質・中質軽量とも価格は概ね横ばい、稼働率は上質が80%台前半、中質軽量が70%台後半で推移すると予想される。

【中質紙】

2025年の非塗工中質紙需要は134万トン(同7.3%減)、北米メーカー出荷は同8.5%減となり、稼働率は74%まで低下した。年初の関税懸念で輸入在庫が積み上がったが、その後は調整局面が続いている。White Birch/FF Soucy工場の停止で、本年末には稼働率が70%台後半まで戻ることが期待されるが、80%台の回復には更に20万トン程度の追加削減が

必要である。高白色中質紙では、Domtar、Kruger、NORPACなどが3月から米国$50-、カナダ$70-(最大8%)の値上げを表明しており、実現すれば2022年以来の上方修正である。北米メーカーの能力削減は余地が少ないが、当面は需給状況に応じた生産調整が、価格維持には不可欠となる。

【段原紙】

2025年の米国段ボール実出荷は、前年比1.8%減で、2015年以降最低水準となり、2021年からの累計では10%超の減少である。需要低迷を受け、2025年2月以降に段原紙は約380万トン(能力の約9%、主にKLB)の大規模減産が行われ、段原紙の生産は合計3,608万トン(4.5%減)、稼働率は91%超まで回復した。これを背景に、2025年初の$40-の値上げ後は横ばいが続いていたが、IPやPCAなどが本年3月以降出荷分のライナー、中芯、白ライナーにつき$70-の値上げを発表している。一方で、世界的な供給過多や北米KLB需要の減少傾向から、2025年のKLB輸出は1~11月で同11.7%減となっており、特に中国向けは大幅減となった。今後は北米内需と輸出動向の両面を睨みつつ、北米メーカーの稼働率と価格水準の維持が課題となる。

欧州市況(1-2月度)

[新聞用紙]

1月に入っても市場の勢いは戻らず、欧州市況は前四半期同様の勢いで推移している。フランスでは小幅な値下がりが見られるが、これを市況の悪化というよりも横ばいでの安定との受け止めが多い。需要は依然として低迷しており、供給過多と生産コスト上昇が続くなか、価格は下押し圧力が続いている状況。スペイン/Papresa工場の売却、スロベニア・Vapap工場の操業停止など、構造的な動きも依然として続き、新聞用紙産業の将来に対する不透明感は更に強まっている。

[非塗工上質紙]

1月の市況は比較的堅調で安定して推移した。Navigatorの値上げ発表をきっかけに、他メーカーも相次いで値上げに動き、サプライヤー全体で価格引き上げの方向性が明確になった。APPも遅れて値上げを表明し、供給側の姿勢は強気である。しかし需要自体は力強さを欠き、ユーザーの在庫も潤沢で、このような値上げの取り組みが継続できるかどうかにつき、市場で懐疑的な見方も多い。

[塗工紙]

1月の価格水準に大きな変化は見られず、おおむね堅調ではあるものの、一部の市場では依然として安値輸入品の流入が続いており、とりわけポーランドなどで大幅なディスカウント取引が確認された。このような動きが他市場へ波及することが懸念されるが、メーカーの多くはパルプ価格や海上運賃の上昇を背景に、価格の引き上げ姿勢を強めている。

[段原紙]

クラフトライナーの価格がドイツ、フランス、イタリア等主要市場で一斉に下落、全体的に軟調な展開となっている。一方、英国では下げ幅は比較的小さく、市場によって動きはまちまちである。テストライナーも、昨年来の新増設による供給過多の状態が続いており、ほぼ欧州全域で価格は下落している。このような市況にもかかわらず、Humburger Container, Pro-Gestなどの有力メーカーが、2月から€100-の大幅な値上げを打ち出しており、その動きは、今後のクラフトライナーの市況にも影響を及ぼす可能性があるとして、市場の注目を集めている。

中国・香港・東南アジア市況(1-2月度)

【印刷用紙】

中国市場の上質紙、コート紙は、1月は需要低迷と在庫調整で、小幅安から横ばいで推移した。出版向けの荷動きは見られたが、市況は低調であった。2月の春節中の荷動きは期待できず、3月に一時的な需要回復と、出版関連入札前のサプライヤーの値上げ意向から、小幅な反発の可能性がある。一方で、需要に根本的な改善は見込まれず、入札価格も低水準での結果が予想されるため、その後は再び下押し圧力が強まると懸念される。2~4月は春節を挟んで、緩やかながら、上げ下げの振れが大きい展開を予想。

香港市場では、中国メーカーが12月分から約$30の値上げを発表し、上質紙でAPRILは約$20の値上げを実現したが、大口入札では依然低価格での対応が見られ、値上げが一般品の市場価格に浸透するには時間が必要である。またコート紙は、香港では、APPが1月分から$50-の値上げを打ち出し、2月初旬までには約$20が妥結し、残りは交渉が継続となった。しかし春節期にかかり、非需要期となっており、決着に更に時間が必要となる見通しである。一方、紙商では依然として値下げによる販売も見受けられ、メーカーの値上げがエンドユーザーにまで十分に浸透する環境とはなっていない。

シンガポール・マレーシア等の東南アジア市場でも、1-2月の上質紙の需要に回復が見られず、荷動きは低調に終始した。パルプ価格は更に上昇の動きあり、APP/APRILは年始以降も$20-30の値上げを打ち出している。定期ユーザーは状況の成り行きを注視してい

るが、3月には需要も幾分動きも出てくることが期待され、価格の動向が注目される。コート紙も上質紙とほぼ同様の動きで、1-2月には$10-20程度の値上げが打ち出された。主要サプライヤーの韓国のメーカーは、自国では総選挙、また主要輸出先の米国ではワールドカップや中間選挙等、堅調な需要が期待されるため、供給先をそちらに傾斜しており、韓国からの供給は現状ではタイトである。

【板紙】

中国市場の段原紙は、大手メーカーが繰り返し値上げを画策したものの、春節を前に需要が鈍化したことや、秋口以降手当てした輸入品等の着港も相次ぎ、逆に在庫過多が重荷となってきて、1月度の段原紙価格は、前月から更に大幅な下落となった(ライナー▲11.6%)。末端では春節前の需要が一部で見られたものの、段ボールメーカーの原紙の購買意欲は、極めて限定的であった。2月度は春節期間前後の取引は鈍化するため、市場価格にほとんど動きはないと見られる。春節明けには幾分反騰が期待されるものの、3-4月は季節的に閑散期であり、価格は再度下落基調での推移が予想される。

香港市場では、アイボリーはメーカー主導の値上げがこれまで行われてきたが、旧正月を前に、しばらく目立った価格の動きなく推移する見通しである。中国の主力メーカーは、生産調整や輸出強化で、中国国内市場の価格の安定を図る意向。白板紙は、古紙価格が下落しており、市場からは値下げの圧力が強い。旧正月中はメーカー各社が大幅な生産停止を行ない、休み明けのタイミングで値上げの動きを再開する意向。

【統計】12月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年12月の紙・板紙合計輸出は16万6,404トン(前年比14.5%増)、輸入は6万406トン(同0.4%)増)となった。国内需要は168万5,172トン(前年比0.5%減)となった。
主要品種が軒並み前年比減。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】1-12月 米国紙・板紙輸入

2025年1-12月の米国紙・板紙合計輸入は695万4,246トンで前年比4.7%減となった。金額は75億2千7万百万ドル(同7.1%減)となった。欧州諸国、韓国が前年比大幅減、日本からは同急増。

出典:Data Web(USITC)

紙類海外動向レポート
2026年第11号 2026年2月

Contents
海外動向トピックス
北米市況(12月度)
欧州市況(12月度)
中国・香港・東南アジア市況(12月度)
【統計】11月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】1-10月 米国紙・板紙輸入

海外情報トピックス

UPM/Ettringen工場(ドイツ)を永続的に閉鎖

UPMのEttringen工場(新聞用紙・非塗工印刷用紙、年産27万トン)は、従業員側との難航していた交渉が調停を含む枠組みの中で決着し、2025年末もって生産を停止し工場を閉鎖することが決定した。欧州市場では新聞・中質系印刷用紙の需要減少は長期化しており、各社は継続的に設備削減を進めてきたものの、需要減のスピードに追い付かず、欧州の中質系印刷用紙の平均稼働率は65%以下にとどまり、生産過剰が解消されていない。UPMはこの2~3年で、ドイツSchongau工場6号機およびオーストリアSteyermühl工場4号機の生産を削減し、ドイツ・フィンランドの残存マシンで中質系印刷用紙180万トン体制を整えたが、なお需給バランスの軟化は続いている。このためUPMは、Sappiと印刷情報用紙分野での効率的な供給体制を構築・安定化するための合弁会社設立に合意しており、フィンランド、ドイツ、英国、オーストリア、オランダ、米国の計12工場が対象となる見込みである。しかしEttringen工場はその対象リストには含まれておらず、今回の閉鎖は合弁事業とは別枠の措置であると見られる。

欧州議会 改正EUDRの最終案を可決

2025年12月17日、欧州議会と欧州理事会は、欧州委員会と合意した改正EU森林破壊防止規則(EUDR)の最終案を可決したものである。改正案では、デューデリジェンス(DD)手続きの簡素化に加え、大規模事業者の適用開始日を2026年12月30日、小規模・零細企業については2027年6月30日までとし、いずれも1年間延期することとした。

また、デューデリジェンスステートメント(DDS)の提出義務は、最初にEU市場に製品を投入する事業者に限定され、下流の製造業者、商社、販売業者などには課されないこととなった。さらに、低リスク国の小規模事業者については、一度限りの簡素化された申告が認められ、ITシステムにより参照番号を維持することで、サプライチェーン全体のトレーサビリティを確保する仕組みが導入されている。

もっとも、実務負担の大きさに対する懸念は各業界からなお強く示されている一方、書籍・新聞などの印刷製品(ただし欧州域内で印刷されるものは規則対象)は適用除外とされたことについて、印刷業界からは環境保護上の「抜け穴」であるとの批判も出ている。改正EUDRの正式な発効には、今後、理事会による採択と官報掲載が必要であり、その後、欧州委員会は2026年4月までに簡素化に関するレビューを実施し、報告書を提出する予定である。

ブラジル/Suzano ユーカリを原材料としたフラッフパルプの新ラインを増設

ブラジルの紙パルプ最大手Suzanoは、サンパウロ州Limeira工場で、100%ユーカリ材を原料する衛生材料用フラッフパルプの新ライン増設計画を発表した。投資額は4億9千万レアル(約9千万ドル強)で、同原料を使用したフラッフパルプの増産としては約10年振りとなる。商品名は「Eucafluff」で、年産能力は現在の10万トンから44万トンへと拡大する見通し。従来フラッフパルプは原材料としてNBKPが主流であるなか、ユーカリ材のフラッフパルプは、柔らかさや再湿潤性、水分拡散性に優れる等の点が特徴であり、まずブラジル国内での低価格帯製品(動物用パッドなど)の普及を図り、その後海外市場へ展開する方針である。

カナダ政府/中国製輸入サーマル紙に対するアンチダンピング税等の暫定税率を見直し

カナダ国境サービス庁(CBSA)は、中国製サーマル紙(感熱紙巻取り)について、廉価販売および中国政府による実質的な輸出補助が行われているとの国内メーカーからの申立てを受け、ダンピングの実態を調査してきたが、その結果、2025年11月に導入した暫定関税(AD税率55.2%、CVD税率43.8%)を見直し、暫定税率を大幅に引き上げる決定を下した。新たな暫定税率は、アンチダンピング税(AD)が282%、相殺関税(CVD)が77%で、合計約360%に達する。また調査において、2024年1月から同年12月31日までに、カナダへ輸入されたサーマル紙の約45%が中国産であったことも認定された。本件の対象は、巻取り幅15cm以下、米坪70gsm以下の感熱ロール紙であり、粘着加工品は含まれず、HSコードは4811.90.00.90である。現在、カナダ国際貿易審査裁判所(CITT)が別途、国内産業への損害の有無について調査を進めており、1月中に報告書が提出される見通し。CBSAおよびCITTの両方でダンピングの実態が最終的に認定された場合、今回のADおよびCVDが正式関税として確定する。

インドネシア政府/韓国、マレーシア、台湾からの輸入白板紙に対しアンチダンピング課税の方向で検討

インドネシア政府のアンチダンピング委員会は、韓国、マレーシア、台湾から輸入される白板紙に対し、4.04%~29.06%のアンチダンピング税を課す方針を勧告した。韓国についてはHansol Paperに4.04%、その他メーカーに26.52%、マレーシアはXSD Int’lをはじめとする全メーカーに7.79%、台湾は全メーカーに29.06%を賦課するとし、財務省が近く正式な導入命令を発出する見通し。調査は大手製紙メーカーIndah Kiat Pulp & Paper(IKPP)の申立てを受けて2024年9月に開始された。対象はHSコード4810.32.90および4810.92.90

に分類され、米坪210~450gsmの裏面グレー(裏ネズ品)多層抄き箱用白板紙としている。これに対し韓国およびマレーシアの一部メーカーは、自社の輸出製品は主にバージンパルプを使用したアイボリー・カード類であり、当該品には当たらない。またFSC認証も取得していて、これはインドネシアの主要メーカーでも代替が困難な製品であるとして、今回の決定に反論している。これについてインドネシア側は、他国からもFSC品の手当ては十分可能である、と逆反論している。

北米市況(12月度)

[新聞用紙]

Domtar/Grenada工場、White Birch/F.F.Soucy工場が永続的生産停止となり、北米新聞用紙の供給力が低下し、輸出も減少した。需給に引き締まりが見られたことから、北米市場では11-12月で$25-ずつの値上げとなったが、市場は未だ供給過多で、本年も輸出の回復及び更なる生産削減は必要である。

[上質紙]

11月の需要は年初来最低水準となったが、在庫からの荷動きは比較的堅調だった。過剰在庫にもある程度メドがつき、改めて値上げ可能な環境が整ってきた。上質紙メーカー各社からは、1月末以降の出荷分に対し値上げの動き(6-9%)が出始めた。北米は市況が世界的にも高水準であり、今年も年間通じて、輸入・国内品ともに堅調に推移することが見込まれる。

[コート紙]

11月のコート紙は需要・出荷とも非常に低調な数字で表れたが、年末需要には在庫からの対応が行われ、荷動きは例年通りそこそこの堅調さであった。11月の上質コートの値上げ($20-40)は輸入関税主導で行われ、今後末端ユーザーへの浸透は課題である。今後の価格・市況動向は、トランプ関税への最高裁の判断次第といえよう。

[中質紙]

低調な荷動きが続いており、2Q以降続いている在庫調整で、11月も需要は依然大幅な減少となった。本年末の北米メーカー稼働率も75%程度と予想されている。需要に占める輸入紙比率が低いため、北米メーカーは、今後も必要に応じた生産調整を余儀なくされると予想される。

[段原紙]

コロナ禍以降、段ボールの需要は減少が続いており、昨年度も前年比で▲2%前後となると見込まれている。段原紙メーカー各社は、昨年から今年初にかけて合計400万㌧近くの生産削減を実施しており、今年1月出荷分以降で、一部メーカーが中芯の価格で、$50-程度の値上げを発表した。

欧州市況(12月度)

[新聞用紙]

12月の新聞用紙価格は、現契約期間中のため前月から持ち越しとなった。供給過多は変わらず、生産コスト圧迫でサプライヤーは値上げを必要としているが、今年も需要は前年比▲10%程度の減少を予想しており、大幅な生産削減なしには状況の打開は難しいと見られる。

[非塗工上質紙]

12月度の価格は、前月横ばいとなった。1月出荷分でNavigator等が、欧州域内市場で5-8%の価格修正を打ち出し、強い姿勢でユーザー側との交渉に臨んでいる。アジアからの安値流入が引き続き懸念されるため、依然として、値上げを支える環境としては脆弱である。

[塗工紙]

12月の塗工紙の価格は、一部のスポット取引で値崩れも見られたが、表面上の契約価格は前月横ばいとなった。依然として、アジアからの安値品流入が懸念されており、欧州メーカーからはこれまでのところ、上質コート紙では値上げの動きは出ていない。UPM/Sappi両社の印刷用紙事業統合の動きについて、先ず今後の進捗状況(合弁設立の時期、具体的な計画、事業概要等)を注視し、市況への影響を慎重に見極めたい との声が関係者の間からは聞かれる。

[段原紙]

TLBは南欧市場で一部スポット取引による値崩れも見られるが、欧州全地域では、概ね前月横ばいで推移している。KLBは需要が低調なドイツ・ブランスで▲€20程度の値崩れが見られるほか、イタリアでは依然として北米品が安値流入しており、この先も軟調な市況の展開が予想される。需要面ではKLB離れが徐々に進んでおり、供給面では昨年度の増産により、TLBが特に供給過多となっている。市場価格の回復には、もう暫くの時間を要すると予想される。

中国・香港・東南アジア市況(12月度)

[印刷用紙]

*中国市場では、12月のコート紙・上質紙ともに、出版物向けの納品需要が高まり在庫から対応、在庫は減少となったものの、新規の需要は概ね低調であったため、市場価格は前月比横ばいとなった。1月は年末決算時期に伴って、紙商の在庫整理が急がれ、価格は更に軟調で推移することが見込まれる。

*香港市場では、中国メーカーが12月に上質紙の$30-値上げをアナウンスした。メーカーによって対応は様々であるが、APRILは$20-程度の値上げを実行、APPは1月分で$50-の値上げを打診し続けている。パルプ価格は上昇基調にある一方、春節前の不需要期を控えて、値上げの浸透には時間がかかると予想される。

*APPはコート紙についても、1月から$50-の値上げの協議を始めている。、しかしながら、上質紙と同様、不需要期を前に紙商が受注量の確保のため値下げに応じるケースも見られ、当面ユーザーへの価格転嫁は難しい状況と予想される。

[板紙]

*中国市場の12月の段原紙市況は、月前半は大手メーカーが値上げを継続、在庫補充による荷動きも見受けられたが、中旬以降は原料費の下落と需要の急減で、一転して調整局面へ入った。これにより、川下の段ボールメーカーでは、原紙の購買に急速に慎重になり始めており、原紙メーカー側の在庫も再び増加し、負担が大きくなっている。

*今後、2026年1月上旬に春節前最後の荷動きにより、一時的な反発も期待されるが、月中旬以降は再び需要が停滞し、市況は軟化することが予想される。

*春節後の需給動向に注目が集まるが、全体としては、緩やかな下落トレンドが継続すると見込まれる。

*香港市場では、アイボリーにつきこれまでメーカー主導で強気の値上げが進められてきたが、出版関連需要のピークは既に過ぎ、市場では在庫増加傾向が見られており、今後は値上げ要求の動きも次第に静まっていくと予想される。

*香港向け塗工白板紙(裏ネズ)については、1月初には小幅な値上げが実施された一方で、メーカーは在庫調整を進め、市況の回復を図っている状況である。古紙価格の下落が始まっていることから、先行きは原材料安を背景に、市況弱含みとともに、ユーザー側からの値下げ要求が強まることが予想される。

【統計】11月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年11月の紙・板紙合計輸出は15万5,258トン(前年比9.0%増)、輸入は5万8,012トン(同5.6%減)となった。国内需要は150万2,518トン(前年比7.0%減)となった。
主要品種が軒並み前年比減。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】1-10月 米国紙・板紙輸入

2025年1-10月の米国紙・板紙合計輸入は587万1,881トンで前年同月比3.3%と減となった。金額は64億1千3百万ドル(同4.7%減)となった。欧州諸国で大幅に減少。

出典:Data Web(USITC)

紙類紙類海外動向レポート
2025年第10号 2026年1月

Contents
海外動向トピックス
北米市況(11月度)
欧州市況(11月度)
中国・香港・東南アジア市況(11月度)
【統計】10月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】1-9月 米国紙・板紙輸入

海外情報トピックス

フィンランド/Metsaグループ、UPM各社がリストラを含め生産体制の調整を検討 

Metsaグループ: フィンランドMetsa Groupは法定交渉を終了し、グループ全体で約3億ユーロ(3億5千万㌦)のコスト削減と収益改善の一環で、最大440名の解雇を含む520名の常勤職員の削減を行なう。傘下Metsa Board社は、約150名の従業員削減が対象。これにより1千2百万ユーロ(約3千2百万㌦)のコスト削減を見込むとする。Metsa Boardは引き続き2026年もKemi, Kyroskoski、Simpele、Aanekoski、Kaskinen、Joutseno等の工場で最大90日の時限的レイオフを実行。低迷する紙板紙需要に見合う生産体制をとる意向。

UPM :フィンランドのKymi 、Pietarsaari、RaumaCellの各工場で、2026年第1四半期に最大90日の一時的レイオフを行なうべく、労使間交渉を開始。現段階では、永続的な工場閉鎖や生産休止は行わない意向で、交渉は11月末をメドに完了予定。Kymi工場はNBKP・LBKP(計87万㌧)を生産。Pietarsaari工場はNBKP(バーチ80万㌧)、RaumaCellはフラッフパルプ(10万㌧)を生産。この他、Kaukas工場(NBKP 70万)では、永続的なレイオフの可能性も排除せず交渉が11月初より開始。世界的なパルプ市況・需要の低迷、木材価格高騰などへの対応に迫られている。

北米;低迷する段ボール需要に 段原紙、段ボール工場は大幅な生産削減で対応

最近の段ボール需要の低迷に伴ない、段原紙メーカー各社、及び段ボール一貫メーカー中心に、段ボール工場が生産削減を進めている。

コロナ禍発生以降、需要回復の一局面を経たのちも、依然として出荷数量は減少基調にある。コロナ禍発生以降、本年度末までに段ボールの実出荷数量は▲7%の減少が見込まれている(内本年度の需要は前年比▲2%の減少)。これは世界的に広がるインフレ圧力、今年に入ってからはトランプ関税等に起因する不透明な市場環境で、景況感・消費者マインドが低下していることに起因するものと見られている。

このような市場環境を受けて、北米の段原紙メーカー各社は、今年9月までの間に大規模な生産削減を実施、大手一貫メーカーを中心に年産350万トン、北米の段原紙生産能力のおよそ9.5%にあたる規模での生産削減が既に実行された。さらに直近では、PCA/Wallula工場2号機のクラフトライナーの生産停止(2026年第1四半期)も発表され、以上に加えて、25万トンのクラフトライナーと、パルプ処理設備が永続的な停止となる。

また、段ボール製造一貫メーカーは、2024年以降International Paper (IP)、Smurfit WestRock(SW)は、北米で(予定も含めて)15カ所以上の段ボール工場の整理を行なっており、川上から川下までの供給体制の再構築を進めている。両社ともに2024-25年にかけて北米-欧州にまたがる大型合併により、世界レベルでの供給販売体制を構築しているが、両社は他のメーカーの先陣を切るかたちで、供給のスリム化と効率性の向上により、主要市場における需給のバランスと市況の安定を図ろうという姿勢を示している。

中国製の輸入サーマル紙に対する各国のアンチダンピング、相殺関税等の強化の動き

*カナダ政府は、中国製の感熱紙巻取りに対してダンピングおよび補助を受けていると判断し、2025年11月に暫定的関税を導入。AD(アンチダンピング)税率55.2%、CVD(相殺関税)は43.8%、合計税率は99%に達する。2024年に中国からの輸入が急増、国内産業への影響が懸念されたことを受けて調査が行われてきた。
*米国商務省は、2008年以来適用している中国製軽量サーマル紙に対するAD(115.29%)およびCVD(13.63-138.53%)を、さらに5年間延長することを決定した。これは3回目の延長となる。課税措置の撤廃により廉価販売が再発し、国内市場への多大な損害が懸念されるとした。北米市場ではDomtarが主要サプライヤーであり、輸入品は主にドイツと韓国からのものが主流である。
*欧州委員会は、中国からの軽量感熱紙輸入に対する反補助政策(Anti-subsidy)の調査を開始した。調査対象は米坪65gsm以下の軽量感熱紙とあり、調査期間は2024年10月から2025年9月までとする。欧州感熱紙協会による申し立てを基に、中国政府の補助金政策がEU市場の産業に損害を与えていると主張している。最終結論は13か月以内に出される予定。現在欧州は韓国製の軽量感熱紙にもダンピング税を適用している。

欧州;UPM・Sappi両社が印刷情報用紙分野の合弁事業形成に合意

UPMとSappiは、印刷情報用紙分野での合弁企業設立につき、非拘束的な基本合意書に署名した。この合弁事業には、UPMの情報用紙事業全体とSappiの欧州市場における印刷用紙事業が含まれ、両社それぞれが50%ずつ出資する独立の会社が運営することとなる。この提携取引は、各種規制および株主の承認等の条件が承認されることが前提となるが、2026年前半に正式契約、同年末までの完了を予定している。合弁事業には、UPMとSappiのフィンランド、ドイツ、イギリス、米国、オーストリア、オランダにある合計12の製紙工場が対象となる見込み。印刷用紙市場はデジタルメディアの進展による広告収入の低下、発行部数の減少で、持続的な衰退に直面している。この合弁では、効率的で適応力ある、持続可能な印刷用紙事業を創造し、コスト競争力と供給の安定を目指す。年間約1億ユーロのシナジーが期待され、製品ポートフォリオの改善、物流、企業運営の効率化が見込まれる。この提携でUPMとSappiは、長期にわたる優位な業界の地位を確保でき、顧客に安定した供給体制を提供することを期待するとした。また中期的には、負債の削減にもつながるとしている。両社のCEOは、この合弁事業が紙業界にとってプラスとなり、持続可能な未来を生み出すことに繋がる、との見解を示している。

北米市況(11月度)

[新聞用紙]
*10月度は需要(見かけの消費)、メーカーの生産及び出荷ともに極めて低調であった。前年は大統領選関連の需要が増加、今年はメーカーの大幅生産休止等で生産稼働率も69%に留まった。輸出も前年半分程度に留まったが、需要自体の低迷大きく、出荷に占める輸出の割合は52%と依然半分以上。
*Domtar/Grenada工場(▲23.5万㌧)が9月に生産停止。Kruger/Corner Brook、White Birch/F.F.Soucyも現在生産休止中で、供給はタイトとなっている。
*北米メーカー各社は、11/12月でそれぞれ$25-の値上げを実施。輸出向けは、White Birchがインド向けに、1月以降$75-の値上げ。

[上質紙]
*10月度の需要は前年比▲2.4%であるが、追加関税導入後の影響が注目の輸入は、10月度は+44.9%で、追加分関税適用前の駆け込み船積分が纏まって到着、未だ大幅な増加である。北米メーカーの生産、出荷は▲9-10%と低調。
*IP/Georgetown(昨年末)、Pixelle/Chillicothe工場(8月)の生産停止で供給はタイト。(稼働率95%)。需要も回復しており市況は堅調である。輸入品等の在庫がいまだ多く、北米メーカーは値上げを一旦棚上げし、値上げの時機到来を待っている。さらにIP/Riverdale工場16号機(▲35万㌧)の生産停止(段原紙へ転抄)予定あり(来年3Q)、市況は暫く堅調に推移を予想。

[コート紙]
*10月度の需要は上質コート紙前年比▲5.5%、上質軽量コート紙同▲6.9%で、依然として低調。輸入はそれぞれ同+9.3%、横ばいであり、主要輸入国の多くに課される計15%の関税の影響が出る前に契約・発送された分が纏まって到着し、増大となった。関税の直接的に及ぼす影響度は11月度以降改めての検証となる。
*欧州・韓国等輸入紙サプライヤーは、10月以降関税分の一部(7⁻15%)を価格転嫁した。北米メーカーも4-5%の値上げで追随。価格修正は概ね受け入れの方向。メーカーから紙商への出荷価格は徐々に浸透(11月頃から)、しかし、川下ユーザーへの値上げは未だ。価格修正後の輸入品が到着するのも12月以降となり、価格修正の本格的浸透は、年明け以降になると予想。

[中質紙]
*2Q以降、中質紙は調整局面が続き、10月度も需要・生産・荷動きは全印刷用紙中最も低調。10月の生産稼働率は60%前後。北米の生産工場は、既に最小限まで減少しており、これ以上の削減を行なう動機付けは少ない。依然として市場環境は不透明で、状況に応じた供給能力の削減が引き続き行われ、需給のバランスを図ることとなろう。

[段原紙]
*3Qの米国段ボールの実出荷数量は、前年同期比▲1.4%と幾分回復したものの、3Qまでの累計では同▲2.0%と、依然として低調。コロナ禍発生以来、段ボールの実出荷数量は本年末までに▲7%の減少を予想。世界的なインフレ懸念、トランプ関税等による市場の不確実性で、今後も消費者マインドの低下が懸念。
*これを受け今年9月までに、IP(International Paper)、SW(Smurfit WestRock)など大手一貫メーカー中心として、前例のない規模の生産削減(段原紙合計で計▲350万㌧程度、北米生産能力の約9.5%)、段ボール工場の整理が行われており、川上から川下までの供給システムの再構築、市況の安定化に向け先陣を切る姿勢を示している。
*段原紙は本年初(1-2月)に$40‐の値上がりが実現したあと、ほぼ横ばいで推移。年明けには値上げの可能性もある。

欧州市況(11月度)

[新聞用紙]
11月は各国市場とも前月価格がほぼ持ち越し。11月には1Q分の価格交渉が始まった。サプライヤーは生産コストの上昇で価格の修正に迫られているが、来年度は需要も、今年の更に▲10%減が見込まれており、状況の打開は相当難しい。

[中質系印刷用紙]
4Q価格は、下落した価格がそのまま適用されている。既に発表されたUPM/Kaukas(30万㌧)、Sappi/Kirkniemi(17万㌧、ともにフィンランド)は、年内にも生産停止となる予定で、Sappiは1Qで中質コートの価格修正を打ち出した。

[非塗工上質紙]
11月の上質紙は、前月の価格下落後概ね横ばいとなった。パルプ価格は底打ちし、Navigatorは1月以降5-8%の値上げを発表。しかし供給過多に加え、アジアから安値で流入が続いており、需給バランスは、値上げを支えるには脆弱である。

[塗工紙]
11月の塗工紙の価格は横ばい。アジアから安値品が流入し、市況は依然軟調である。中質軽量コート紙は生産削減実施により、年明け以降の値上げの動きを見せているが、上質コート紙は、これまでメーカーからの値上げの動きは見られず、上質軽量コート紙の価格の動向を窺う姿勢である。

[段原紙]
テストライナーは、段ボール需要の減少、本年稼働の生産能力大幅増(約200万㌧)により、供給過多が進んでいる。原料古紙も、中国による再生パルプの品質基準の強化で、アジアへの輸出が大幅に減少し、価格も急落していることから、当面のあいだ、価格修正は極めて難しいと予想。クラフトライナーは、6月の値上げ(€40‐)も、その後は元のレベルへと下落しており、南欧市場では、北米品の輸入が依然安値で流入している。需要面でもクラフトライナー離れは進んでおり、段原紙全体として価格の下落には、更なる圧力が強まっている。

中国・香港・東南アジア市況(11月度)

[印刷用紙]
*中国市場では、出版入札案件が進行したことから、今後の一般商用案件の相場にも、ある程度の方向性が定まってきた。
*11月度の市場価格は、前月から概ね横ばいとなったものの、メーカーの値上げの動きは徐々に強まっている。今後年末から1月にかけて、出版物納品のピーク及び年末需要の増加で、荷動きにも活発さが回復してくることが期待される。メーカー及び紙商の在庫も、これに伴って消化が進むと予想される。
*メーカーの値上げは、11月分より香港市場でも上質紙・上質コート紙ともに$30‐程度のアナウンスとなり、APRILは上質紙で最大$20程度の受け入れが実現した。パルプ価格の上昇と秋需、またユーザーの在庫不足等のタイミングにより、一定の成果が見られた模様。
*コート紙は上質紙よりも市況が軟調で、APPも市場への値上げアナウンスは、幾分遅れ気味で行われた。パルプ価格の上昇で、サプライヤーは採算の改善が必要であるものの、春節を控えた状況下、本格的な市況回復に繋がるかは不透明である。

[板紙]
*中国市場の11月の段原紙は、夏以降の原料古紙(OCC)価格高騰と、大手メーカーの大幅な生産調整(9-10月)の影響から在庫の減少、それに伴う断続的な値上げにより、市場価格は依然として上昇基調にある。
*原料に関しては、10月に導入された輸入再生パルプに対する品質基準強化の影響で、供給の逼迫から原材料不足に新たに直面しており、原紙価格の先高観を更に加速させている。一方、段ボールメーカーでは原紙在庫が増加しつつあることから、春節を控え、今後の原紙購入のペースは鈍化に転じることが懸念されている。
*1月以降は、これまでの需要先食いの反動もあり、段原紙価格も調整局面に入ることが予想、状況によっては価格の反転も懸念される。
*アイボリーは、引き続きメーカー主導による値上げが行われている。しかし、これまでのマシン増設による供給過多に加えて、春節を控えて、今後は市場も更に非需要期に向かっており、値上げの動きがこのまま持続されるかどうかは、極めて不透明である。
*白板紙は、夏以降原料古紙の値上がりが続いており、段原紙同様、メーカーは値上げを継続して行っている。

【統計】10月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年10月の紙・板紙合計輸出は16万3,724トン(前年比2.0%増)、輸入は6万6,154トン(同5.3%減)となった。国内需要は162万1,082トン(前年比4.3%減)となった。
板紙の金額のみ前年比増。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】1-9月 米国紙・板紙輸入

2025年1-9月の米国紙・板紙合計輸入は534万5,524トンで前年同月比2.1%と減となった。金額は58億5千3百万ドル(同3.2%減)となった。上位4か国が大幅に落ち込んだ。

出典:Data Web(USITC)

紙類紙類海外動向レポート
2025年第9号 2025年12月

Contents
海外動向トピックス
北米市況(11月度)
欧州市況(11月度)
中国・香港・東南アジア市況(11月度)
【統計】9月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】9月 中国紙・板紙輸出入

海外情報トピックス

Sappi/UPMの軽量中質コート生産削減について(年内に一部生産を停止)
Sappi EuropeとUPMは、フィンランドの一部工場の中質軽量コート紙の生産停止を決定した。デジタル化の進展により印刷物の需要が低迷し、業界全体で構造的な需要が減少していることが背景にある。
-Sappi Europeの動向:
フィンランドのKirkmiemi工場では2号機の生産を年内に停止する。年間生産能力が約17.5万トン減少、工場全体の生産能力は57.5万トンに減少する。93名の従業員が解雇となり、同品種の生産は1号機と3号機に振り分けられる。競争力の強化が目的。
-UPMの動向:
UPMは、フィンランド南東部のKaukas工場での生産を年内に永続停止とする。年間30万トンの生産能力が減少、約220名の従業員が影響を受ける。年間3200万ユーロの固定費が削減される。雑誌印刷需要の低迷が背景。欧州の雑誌用紙の需要は、前年比で11%減少し、同社の印刷情報用紙部門の売上高も14.5%減少。生産はRauma工場や英国、ドイツの工場に集約されるものの、依然世界最大級の生産規模を維持している。

両社の生産停止は、需要低下に対応し競争力を維持・向上させる戦略の一環で、市場の変化に対応、生産能力を調整することにより、固定費削減し生産の効率化を図るものである。

中国;古紙パルプ等輸入貨物への規制を強化
中国政府当局は、古紙パルプ等の輸入貨物に対する品質規制を突然強化し、輸入業者及び海外のサプライヤーなどの関係者に、不安と動揺を与えている。規制は既に10月以降実行に移されており、特に乾式粉砕によって生産された古紙パルプに付き適用される。規制対象の当該品を積載した、すべてのコンテナからサンプルを採取し、研究所などにおいて微生物(バクテリア、カビキノコ類)の残存の有無を検査する。研究所での検査結果判明には4-6週間要するといわれる。その間は、通関等輸入手続きの一切が保留となることから、輸入業者の間では、今後コンテナの超過費用等の発生が懸念されている。昨年2024年の中国への古紙パルプの輸入量はおよそ265万㌧。最大の輸入国タイからは、そのうち156万㌧(58.7%)に及び、そのほとんどが乾式製造方式である。
中国は2021年初から導入された古紙輸入の完全禁止措置以来、大手板紙メーカー中心に、東南アジア各地で再生古紙パルプの生産を増大させてきたが、今回の規制強化により、東南アジアへの古紙の供給の流れ、価格に大きな影響が出てくることが懸念される。アジア市場での段ボール古紙(OCC)の主要供給先である米国への発注にも、既にキャンセル、また今後の購買も暫く控えるなどの動きが出始めており、一部洋上にあるAOCCが投げ売りされ、一部の仕向地及び米国国内市場では、価格の急落が見られるようになっている。この動きが続けば、米国産の古紙価格には下落のみならず、品質分別の低下を招き、品質の劣化の発現の可能性もある。

中国;ナインドラゴンの木材パルプ増産の動きについて(まとめ)
中国の紙板紙メーカーであるナインドラゴン(Nine Dragons)の木材パルプの増産計画について;

中国最大の紙板紙メーカーナインドラゴン(Nine Dragons)は、今後2027年第1四半期までに、約200万㌧程度の木材パルプを増産する計画を明らかにした。計画は天津工場(50万㌧、2026年第4四半期稼働予定)、重慶工場(75万㌧)、北海工場(広西チワン族自治区、80万㌧、2027年第1四半期)。依然として続いているバージンパルプ系の紙・板紙(非塗工上質紙、コートアイボリー等)の増産、及び段原紙生産の原料としての対応で、原料の供給を、これまでの輸入から国内での生産・供給体制へ整える方向へと舵を切っている模様。

特に段原紙については、2021年初以降実施された古紙の全面的輸入の禁止で、原材料の確保や補完の必要から、東南アジア各地へ再生パルプの生産拠点を構える動きとなっていたが、この10月以降中国政府当局は、古紙パルプ等の輸入貨物に品質規制を強化しており(上述)、今後の原材料の供給体制に、再び不透明感が出始めた最中での大手メーカーによる動きとなった。

輸入規制の強化: 中国政府は、2021年初以降、古紙の全面的な輸入禁止や品質規制の強化を行っており、この政策変更により、原材料の確保に対する不確定要素が増し、国内での原料供給能力を強化する必要性が出てきた。

国内供給体制への移行: 今まで中国の製紙業界は、大部分の原材料を輸入に頼ってきたが、輸入依存度を減少させるため、国内での生産にシフトする動きが強まった。

地域の生産拠点の拡充: ナインドラゴンは天津、重慶、広西チワン族自治区の北海などで木材パルプ製造能力を増強している。これらの地域に新たな生産拠点を設け、これまでより輸送コストの削減や地域経済への貢献が期待できる。

国際市況への対応: 国際的な紙板紙市場の低迷や需要の変動に対応するため、国内での一貫生産体制の強化を志向した。国内生産の拡大により、低コストでの生産が可能になり、競争力を強化することができる。

環境規制の影響: 環境保護の観点からも、国内での原材料生産を増やすことで、輸送時に生じる環境負荷を減少させることができる。また、より環境に配慮した製造プロセスを導入することで、持続可能な生産が可能となる。

これらの要因が、中国における木材パルプ増産の背景として挙げられる。国内での原料供給能力を強化することで、業界の安定性を高め、環境への影響を低減しつつ、国際市場での競争力を向上させることを目指している。

メキシコ政府;中国産輸入箱用板紙に対しアンチダンピング暫定課税を実行
メキシコ政府は、中国から輸入される箱用板紙(白板紙)に対して、アンチダンピングの暫定課税を実行することを決定した。これは、国内の段原紙メーカーであるProductora de PapelとCartones Ponderosaによる申立てを受けたもので、中国メーカーには1トンあたり370.2ドルのダンピング課税が課されることとなる。

この措置の背景には、中国産箱用板紙が廉価で大量に輸入されていることがある。メキシコの通関統計によると、昨年度の箱用板紙の輸入量は128万トンで、そのうち約40%の50万トンが中国から輸入されたものである。この状況が国内産業に悪影響を及ぼす可能性を懸念し、メキシコ政府は2025年2月にすべての輸出国を対象に調査を開始する意向を示唆していた。しかし、情報筋によれば、調査は主に中国を対象としてものであった。

この暫定課税の目的は、不公正な輸入によって国内産業が被害を受けることを防ぐことである。政府は、適時に適切な対策を講じることによって、国内企業の保護と公正な市場競争を確保する方針である。したがって、今回の決定はメキシコの産業を守り、健全な市場環境を維持するための重要なステップとなる。

北米市況(11月度)

[新聞用紙]1-9月累計の北米需要は(前年比▲15.9%)、昨年の減少率(▲14%)を上回るペースで進行中。最大メーカーのDomtarはGrenada工場(▲23万㌧)を9月に生産停止した。他にも数社が一時的な休止を一斉に行ない、供給はタイトとなっている。11月以降で$50の値上げを発表した。
[上質紙] 輸入関税の発動を前に、ブラジル等からの輸入は増加したが、8月以降輸入は急速に減少している。一方北米メーカーの荷動きは堅調で、IP(Georgetown)/Pixelle(Chillicothe)の生産削減により供給はタイトとなった。市況は概ね堅調だが、年前半に積み上がった在庫が十分にあり、北米メーカーは市況に未だ慎重な姿勢を崩していない。北米メーカーは積極的に値上げの意向を示しておらず、静観して輸入品メーカーに対し圧力をかけている。
[コート紙]雑誌印刷・広告需要が景気の低迷から依然として振るわない状況が続いている。相互関税の発動で、市場の先行き懸念が再燃して、輸入紙の手当ては更に減少した。欧州・韓国等中心の輸入紙メーカーは7-15%、北米のメーカーも3-5%の価格修正を発表したが、印刷加工のユーザー等への価格転嫁は現時点で進んでおらず、値上げの進捗が市場に表れるのは、早くても年明けになると予想される。
[中質紙]2Q以降は1Qで積み上がった在庫の調整が目立ち、1-9月累計の需要は、前年からのマイナス幅が、6月時点よりも広がっている。輸入への依存度は相対的に低く、需要の低迷に伴い、北米メーカーの稼働率自体も上がっていない。今後は欧州を中心とする輸入紙から北米品へのシフトも予想されるものの、需要は依然として低迷していることから、需給バランスを計りながら、生産削減が続けられていくことになろう。
[段原紙]3Qの米国段ボールの実出荷数量は、前年同期比▲1.4%となり幾分回復してはいるものの、3Qまでの累計では同▲2.0%となり、依然として低調に推移している。今後年末需要の盛り上がりが期待されるが、本年度の実出荷は同▲1.4-2.0%と予想され、これは2015年以来の低水準となる見込みである。今年2月以降9月までに、IP、Smurfit Westrockなど主要メーカーが合計340万㌧(全生産能力の9%)の大幅な生産削減を行なった。生産環境は急速に引き締まりを見せており、来年度にかけて堅調な市況で推移することが期待される。

欧州市況(11月度)

[新聞用紙]新聞用紙価格は、一部で値引き取引が見られるが、英・仏など主要市場では概ね安定で推移した。供給過剰と生産コストの圧力で、欧州のサプライヤーは苦戦が続いている。カナダからの売り攻勢は、北米メーカーの生産削減から、このところ弱まってきている。
[中質系印刷用紙]4Qの印刷用紙価格は広く下落となった。LWCは英国市場で、案件毎の価格見直しが行われた。SC紙の供給過剰は特に著しく、契約途中でも一部価格の見直しが見られる。このような状況でKabel Premium、UPM/Kaukas、Sappi/Kirkniemi等、12月までに計92万㌧が生産停止となる(中質紙生産能力の約25%)。
[非塗工上質紙]10月の価格は一層下方圧力が強まった。印刷・コピーのいずれの用途も需要低迷・供給過剰で、4Q突入を機に▲€30-40程度下落となった。パルプ価格(LBKP)の上昇で、サプライヤーは採算の悪化が懸念される。
[塗工紙]同様に塗工紙も、需要の低迷と供給過剰で苦戦しているが、今夏は上質紙ほどユーザーの要求に敏感に対応しなかったため、逆に激しい価格競争からは逃れることができた。これによりサプライヤーは、4Qの価格交渉は幾分強気な姿勢で臨んでいる。
[段原紙]TLBは、大手メーカーが10月に突如打ち出していた€130-の値上げは全く受け入れられず、再度値上げを窺う様子も見られるが、今年は新マシンの稼働が続いており、少なくとも来年度初めまでは、価格修正は難しいと考えられる。KLBはTLBの価格動向次第であるが、ユーザーのKLB離れ、北米品の流入は続いており、状況の会以前は更に厳しくなっている。

中国・香港・東南アジア市況(10月度)

[印刷用紙]
中国市場では、10月度のコート紙および上質紙の価格が続落した。出版関連の入札遅れや需要の低迷が原因だが、在庫レベルも依然高水準であることも要因である。しかし、11月以降は出版入札が開始され、メーカーもパルプ価格の上昇を背景に値上げを行なっており、市場価格には反転の可能性も出てきた。但し、供給過剰は依然解消されておらず、メーカーの意向通り値上げができた場合も、その値上げ幅は極めて限定的と予想される。
12月になると年末の駆け込み需要と、販売店の在庫調整を目的とした値引き販売が見込まれ、価格は再び下落の可能性がある。1月までの価格動向は非常に不安定で、反発と下落が交錯し、一定の方向が望めない局面が続くと見られる。

香港市場では、中国の主要メーカーが11月以降注文の分に対し、$30⁻の値上げを発表した。パルプ価格の上昇、秋需の影響が要因として挙げられるが、実需には回復の力強さが見受けられず、大幅な値上げは期待できないとの見方が多い。コート紙も値上げがアナウンスされたが、生産調整を継続しながら値上げの環境が整うのを待つことを余儀なくされている。旧正月を控え、香港市場では今後荷動きは鈍化が見込まれ、値上げはやはり限定的なものとなることが予想される。
      
[板紙]
中国市場の10月の段原紙は、夏以降の原料古紙価格の高騰と、10月になって突如導入された、再生パルプの品質規制による供給懸念から、原紙の価格は急騰している。川下の段ボール加工会社は、更なる原紙価格の値上がりを懸念し、先物買いを集中的に進め、在庫の積み増しを行なった。原紙メーカーの在庫も減少し、メーカーは価格攻勢を強めている。
11月は原料コストの高止まりと在庫の更なる減少で、大手メーカー中心に、値上げの意向は依然強く、原紙価格は更なる上昇が見込まれる状況である。

【統計】9月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年9月の紙・板紙合計輸出は15万5,335トン(前年比1.2%減)、輸入は6万4,576トン(同4.6%減)となった。国内需要は156万2,989トン(前年比0.1%増)となった。
板紙が内需増に寄与した。

リンク Japan Pulp and Paper Apparent Consumption | Tableau Public          (ブックマークをお薦めします)

【統計】9月 中国紙・板紙輸出入

2025年9月の中国紙・板紙合計輸出は65万8,079トンで前年同月比5.6%増となった。同輸入は69万4,636トン(同12.0%減)となった。段ボール原紙の輸入が大幅に落ち込んだ。

紙類紙類海外動向レポート
2025年第8号 2025年11月

Contents
海外動向トピックス
北米市況(10月度)
欧州市況(10月度)
中国・香港・東南アジア市況(10月度)
【統計】8月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
アジア紙パルプ会議

海外情報トピックス

※Stora Enso/Oulu工場6号機(フィンランド) 箱用板紙への転抄マシン ユーザーへの供給を開始

Stora EnsoのフィンランドOulu工場6号機は、2020年以降停止していたが、コート紙の生産から消費者用包材白板紙(FBB、CUKなど)への生産転換を進め、2023年3月に稼働を開始した。持続可能な紙製包材の需要が高まり、プラスチック包材の代替として白板紙の生産が進められた。当初は永続的な生産停止が予定されていたが、冷食やファストフード、飲料向け包材の生産へと方針を転換し、2027年までにフル生産を目指す。Stora Ensoの増産は成長戦略による方向転換であるが、欧州市場では既に供給過多の懸念がある。Metsa BoardはフィンランドのTaco工場でFBB生産を停止し、市場ごとに方針が異なる。米国の追加関税によりアジアからの安価な製品が欧州市場に流入しており、市況は軟化している。Stora Ensoも当初米国市場をターゲットとしていたが、現在は欧州市場を主戦場としている。


※中国上海先物市場/非塗工上質紙の先物契約取引を開始

上海証券監督管理委員会は、国内外で生産された非塗工上質紙の先物契約取引を承認し、上海先物取引所は9月10日から取引を開始した。契約仕様は、米坪65/70/75/80gsm、白色度80-85%、1ロット当たり40トン、取引通貨は人民元。値幅制限は前日価格基準で上下4%以内。取引可能な企業は、年間20万トン以上の生産能力と一年以上の安定生産、さらに中国の「十環認証」(公式の環境ラベル認証)を取得したグリーン企業であることが条件。現時点で承認されたメーカーは、岳陽紙業、山東銀河瑞雪、山東太陽、山東華泰、Asia Symbol(Shandong)、Asia Symbol(Guangdong)、山東博匯、ナインドラゴン(北海)、聯盛、僕陽龍峰などである。


山東晨鳴紙業グループ 寿光工場でほぼすべての紙パルプ生産を再開

山東晨鳴紙業は、長引く市況の低迷と過剰生産による財政悪化から、昨年11月にその多くの生産停止を余儀なくされていたが、9月には基幹工場である山東省寿光工場での生産をほぼ全面的に再開した。具体的には、上質紙(101万㌧)や上質コート紙(80万㌧)、ティッシュ紙(計12万㌧)、パルプ(100万㌧)の生産が再開されている。昨年11月には、国内5ヶ所の工場のうち4工場合計700万トン相当の製品の生産が停止したが、今年初頭に一部再開され、3月(寿光工場 上質38万㌧、南昌工場上質17万㌧、機械パルプ17万㌧)と7月(吉林工場、寿光工場のパルプ)でさらに再稼働が進んだ。しかし、吉林工場や広東省湛江工場での生産再開の予定は未発表。コートアイボリーについては供給過多と市場価格の低迷が続き、再稼働の見通しは立っていない。


※インド/紙コンバーターが改正GSTによる税率の是正を要求

インドの紙板紙コンバーター同業界は、改正GST(物品・サービス税)により決定された原紙及び加工製品における13%の税率差につき、インド政府当局へ是正を緊急に求めた。この改正は、本年9月3日に発表され9月22日に施行されたが、原材料に対する税率が最終製品よりも高くなる「逆転構造」となっており、混乱が生じている。具体的には、段ボールの税率が12%から5%に引き下げられた一方で、クラフト紙・段原紙の税率は12%から18%に引き上げられた。これにより産業界は資金調達の困難に直面し、業界団体のみならず地域の小規模な業界関係団体も、首相府や財務省に介入を求める書簡を提出した。特にノート・帳簿などの製造企業では、これらの製品はGSTが0%であるが、原材料である非塗工印刷用紙は18%の税率が適用される。このため、コンバーターは原材料に対する仕入れ税額控除を請求できず、また還付には複雑な手続きを経る必要があるが、それには2~3か月の期間を要すると指摘されている。更に輸入業者が異なるHSコードを使用することにより、国内メーカーを不当な輸入競争に晒しており、ASEAN協定によりアジアから輸入されるノートなどは0%のGSTで販売可能となっているが、これに対抗すべき価格の引き下げは非常に厳しくなっているのが現状である。

北米市況(10月度)

[新聞用紙]
需要は1-8月で前年比▲15.2%減、生産、出荷も同程度の減少となった。更なる需要減少の予想に加え、昨年来輸出も減少しており、少なくとも約50万㌧程度の生産削減は必要と見込まれる。White Birch/Krugeは操短を延長、Domtar/Grenada工場は無期限の生産停止ととなった。これを受けDomtar/White Birchは、$50の値上げを発表、他メーカーも海外市場を含めて価格修正を検討している。

[上質紙]
2Qの上質紙市場は、関税交渉の影響で鈍化し、膠着状態となったが、8月以降の関税発動を懸念した輸入の前倒しが再び進み、需要は安定が保たれたかたちとなった。供給面では、IPやPixelleの工場停止で供給が引き締まり、値上げの動きが出始めた。8月以降、ブラジル等主要輸入国への高関税により、北米メーカー品へシフトも予想されるが、現状は輸入品の十分な在庫があり、当面追加購入の必要は必要がない。生産削減で供給環境は引き締まっており、在庫の適正化が果たされたのち、来年初以降、市況は堅調に推移すると予想される。

[コート紙]
上質コート紙の1-8月累計需要は132万㌧(同▲6.9%)。景気の低迷で、特に企業向けの需要は低調である。8月以降、相互関税の発動で市場の不透明さが予想され、2Qも輸入は減少が続いた。郵便料金の値上げにより、今後の需要への影響が懸念されるが、秋需への期待、在庫補充の時期なども重なり、今後荷動きは若干回復を見込む。欧州・韓国等主要メーカーは、関税分の一部を価格へ転嫁、北米メーカーも追随した。末端ユーザーまで価格浸透には時間を要す可能性もある。実需は改善されておらず、輸入関税が主要因の価格修正となっている。

[中質紙]
2Q以降在庫調整に入り、1-6月累月の需要は前年比▲2.6%減。今後欧州から輸入の減少も予想されるが、カナダからの供給は余力もあり、安定している。新聞用紙の生産削減と値上げにより、中質紙への需要シフトもある。稼働率は72%と依然として低調で、価格の維持には、更なる生産削減が必要である。

[段原紙]
輸入関税問題の影響によるインフレ懸念から、上半期の段ボールの出荷は、同▲2.3%と減少した。さらにKLBの輸出は、1-7月累計で同▲11.1%減少しており、米国段原紙の需給バランスの重荷となっている。本年2月以降、主要各社が相次いで生産停止を行ない、全生産能力の8.5%相当(約340万㌧)が削減されるため、今後生産稼働率は、90%台後半へと改善が期待される。生産削減により供給が引き締まり、今後の市場価格も、需要次第で値上げが期待できる。

欧州市況(10月度)

[新聞用紙]
四半期・半年契約が多く、9月の価格は横ばい。需要は低迷し、紙の消費量も減少している。カナダ品の低価格も、一部欧州メーカーが価格対応を行っており、カナダ品の優位性は薄れている。

[中質印刷用紙]
中長期契約が多く、SC紙の価格は横ばい。需要も低調で、UPM/Ettringen(独)の工場の閉鎖は労組との協議が継続中。中質コート紙も、価格は前月から横ばいで、一部ではスポット取引も見られる。フィンランドでは、Metsa Board/UPMなど生産能力の削減が発表されているが、供給過多の解消には未だ不足している。

[非塗工上質紙]
9月の上質紙の価格は安定しているが、印刷用で上限が€20ほど下落。9月の需要は脆弱で、回復は遅れている。価格上昇と利益率改善には、生産能力の更なる削減が必須。

[塗工紙]
7~8月にも価格は大幅に下落、9月は上質コート紙が横ばい。需要は依然低調で、生産能力が需要を常に上回り、価格の下方圧力がかかる。4Qの価格交渉に、メーカーから値上げの動きは見られない。

[段原紙]
TLBは概ね€20~35下落。英国は比較的安定だが、10月以降下落の可能性もある。10月で大手メーカー4社が最大€120の値上げを打ち出しており、KLBの動向にも影響が出ると予想される。KLBは仏・独で6月に実行された値上げ(€40-)も、9月までには€30程度下落となった。南欧市場は、北米からの安価な輸入品で、依然下方圧力が強くなっている。米国品は他の欧州市場にも価格の下落圧力を与え始めている。

中国・香港・東南アジア市況(10月度)

[印刷用紙]

9月の中国の印刷用紙市場では、供給過剰と低調な需要により、価格は下落基調を辿っている。コート紙は4.13%、上質紙は約2%、前月から価格が下落した。生産調整のため停止していたマシンが、8月半ば過ぎから再稼働したことで供給は逆に増加しており、在庫は増大しはじめた。商業印刷の不振、出版分野における入札の遅れなどが影響し、需要の下落に拍車をかけている。チェンミンは主要工場での生産再開を行ない、上質紙は各社で生産能力の増大により、供給過剰は更に悪化している。サプライヤーはシェアの維持に注力しており、市況は今後も軟化が続く見通し。パルプ価格底入れを受け、サプライヤーは値上げのタイミングを模索している。

コート紙の需要低迷は、上質紙以上に深刻で、特に米国向けの案件では、米中関税交渉の影響が長引いており、回復の見込みが立たない状況。欧州向けもEUDR規制の開始が一年延長となるとの見込みから、新たな対応が必要である。10月中下旬から、出版向けの入札が本格化するが、低価格での落札が予想されており、価格は一時的に更なる下落が見込まれる。11月以降は出版注文の納品開始、年末のわずかな需要増で、価格には小幅反発が見込まれるが、供給過剰から、値上がり幅は限定的と予想される。


[板紙]

アイボリー市況は底入れの兆しが見られる。供給過多が続く中、サプライヤーは採算性の回復を図るため値上げを実施している。白板紙も古紙価格の高騰を背景に、価格修正が進行中である。段原紙市場では、古紙価格の高騰により大手メーカーによる値上げが行われた。供給面では各工場で生産調整が続けられている一方、需要面では年末需要を期待した荷動きも見られ、8月以降は価格上昇が続いている。原料古紙には供給の回復が見込まれ、コスト圧力が軽減される見通し。今後は、年末商需を背景に11-12月は需要が堅調に推移し、段ボール価格にも段原紙の値上げが

徐々に浸透し、小幅ながら価格上昇が期待される。全体として、市場は緩やかな上昇基調での推移を予想。

【統計】8月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年8月の紙・板紙合計輸出は12万5,202トン(前年比17.5%減)、輸入は5万9,072トン(同10.0%減)となった。国内需要は139万1,617トン(前年比7.9%減)となった。
印刷用紙・板紙とも内需が前年比減。

アジア紙パルプ会議

2025年10月16日、グランドプリンス高輪において「第8回持続可能な発展のためのアジア海パルプ会議」本会議がおこなわれた。アジア各国から179名が参加した。
各国代表によるアソシエーションレポート、基調講演、カーボンニュートラル、サステナビリティのセッションがおこなわれた。
次回は2027年に中国で開催される予定。

紙類紙類海外動向レポート
2025年第7号 2025年10月

Contents
海外動向トピックス
北米市況(9月度)                                欧州市況(9月度)
中国・香港・東南アジア市況(9月度)
【統計】7月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】7月 米国輸入状況
【貿易制度】米国 ファーストセール                                         


海外情報トピックス

*中国産輸入化粧板原紙に対し、各国がダンピングの疑いで実態調査を実施

中国製の化粧板原紙に対し、各国でアンチダンピング税が導入され、加えてブラジルでも実態調査が開始された。
ブラジル政府は、中国からの輸入化粧板原紙に対し、アンチダンピング導入の是非を判断すべく実態調査を開始した。HSコード4805.91.00に該当する非塗工、印刷・含侵加工を施していない原紙で、幅125㎝以上、米坪50-150gsmのものを調査対象とした。輸入対象期間は2023年7月~2024年6月、市場被害の期間は2019年7月~2024年6月。2020年のブラジルの同製品の輸入は2.6万トン、そのうち38.8%にあたる9,900トンが中国産である。2021年以降、中国産の輸入は増加が続き、2024年輸入総量2.4万トンのうち68%が中国産。
他の市場でも、インドは、2021年12月に既にアンチダンピング税を導入しており、2025年3月に一部のメーカーに対し、課税率の見直しを行ったうえで、2026年末まで継続適用中である。また、欧州委員会(EC)は、2024年6月以降、中国品に対する実態調査を開始し、2025年2月に31%~34.9%のアンチダンピング税を導入することを決定した。

*UPM、Sappi Europeが雑誌用印刷用紙(中質軽量コート)の生産能力を削減
欧州市場における雑誌印刷用紙の需要低迷とデジタル化の進展により、特に雑誌の需要は減少が続いており、欧州市場における今年第2四半期の雑誌用紙の需要は、前年同期比▲11%減少となった。この状況を受け、UPM、Sappi Europeの欧州印刷用紙大手メーカー2社は、主力である中質コート紙の工場における生産削減を発表した。
UPMはフィンランド南東部のKaukas工場における中質軽量コート紙の生産を、本年末までに永続的に停止する。これにより年産30万㌧が減少となる。UPMのフィンランドにおける中質軽量コート紙はRauma工場(67万㌧)に集約され、Caledonian Paper(英国)、Augsburg工場(ドイツ)と合わせ、合計140万㌧の生産能力は、依然として世界最大の生産規模を保つ。UPMは他の地域での生産を続けつつ、中質軽量コート紙の生産を集約し、生産の効率化を図る
一方、Sappi Europeは、同様に雑誌用紙の需要減に対応し、フィンランドKirkniemi工場での中質コート紙の生産を減らし、非塗工の書籍用紙の生産に転換させる計画を進める。この動きは、世界最大級である中質軽量コート紙の生産拠点であるKirkniemi工場(中質コート紙75万㌧、内今回の生産減はおよそ17万㌧)の能力を活用しつつ、雑誌を中心とした印刷用紙から他の分野への転換を図るSappiの戦略に基づいたもの。Sappi Europeは、印刷用紙からの撤退を徐々に進め、機能紙や軟包材、粘着ラベルへの投資を拡大していく戦略を実行中である。

*中国大手板紙メーカー 生産調整を実施
中国最大の板紙メーカーが、過度な競争を是正し、健全な発展を促す国家キャンペーンを背景に、それぞれ東莞工場で生産調整を実施する。ナインドラゴンは広東省東莞工場の2機の塗工白板紙マシンを8~10月の間にそれぞれ2週間程度生産停止、合計4.2万トンの生産削減を計画する。これはエネルギーコストの低減と生産効率の向上を図るための機械改造を含んでいる。理文造紙も同様に、東莞本梅工場の17号機を9月1日から10日まで休止し、白板紙合計1.8万トン相当を減産する見込みである。これらの調整は、政府の方針に応じた各企業の健全な成長と透明性の向上を目的としている。
また、山鷹紙業国際は9月後半~10月初にかけて、安徽省・浙江省・湖北省・吉林省の主要工場においてメンテナンス休止を実施、再生段原紙合計10.2万㌧分を減産する。中国の段原紙市場は、本年初から一貫して市況の低迷で市場価格も下落が続いていたが、今夏の悪天候で異常な洪水が発生し、古紙の回収不能と流通に支障が発生したことにより古紙価格が急騰した。8月はその影響から、段原紙の価格もおよそ200元/㌧前後反騰している。9月以降も段原紙各社は、更なる価格の修正をユーザー側に迫っており、山鷹紙業の生産調整は、その状況を受けてのものとなる。

*山東晨鳴紙業グループ休止中の生産工場のうち2工場でパルプ生産を再開

山東晨鳴紙業グループは、昨年11月以降停止していた4工場のうち、山東省寿光工場と吉林省吉林工場でパルプ生産設備の運転を再開予定である。これは、複数の銀行によるシンジケートローン23.1億元が組成されたことによるもの。昨年9月末、負債の未払いにより資金繰りが悪化し、5工場のうち4工場で生産(約700万㌧相当)が停止されていた。今回、比較的採算の良いパルプの生産を優先するが、依然として紙市況が低迷する中、パルプ市況の悪化にも繋がるとの懸念もある。

*フィリピン政府 輸入中芯に200日間のセーフガード実施を決定
フィリピン通商産業省のフィリピン関税委員会は、海外からの中芯輸入に対するセーフガードの導入を決定する。暫定的なセーフガードは、8月1日から200日間実施され、トン当たり3,438フィリピンペソ(約60ドル)の関税が課される。調査はフィリピン製紙連合会(PULPAPEL)の申立てに基づいて行われたもので、HSコード4805.19.10、4805.19.90、4805.12.00が対象である。2019年から2024年のデータに基づき、2024年の中芯輸入量は12.8万トンであり、2019年の7.5万トンから71%増加している。主要輸入国は日本、インドネシア、オーストラリア、ベトナムであり、2024年の輸入の54.5%は日本からである。
一方、フィリピンでは輸入テストライナーへのセーフガード導入の検討も続いており、調査が進行中である。輸入テストライナーへのセーフガードは2010年に導入され、2013年と2016年に延長され、2020年6月には適用解除となっている。国内の製紙需要は増加しているが、輸入品の流入も再拡大しており、国内メーカーの平均生産稼働率は70%前後にとどまっている。国内市場で
は生産過多が加速している。

北米市況(9月度)

[新聞用紙]
需要減と稼働率の低下で8月は▲$25下落となった。2025年の需要は前年比▲14%減の86万㌧程度となる見込み。生産量の半分以上を占める輸出も、昨年後半以降は減少が続き、今後生産削減は不可避。White Birch/F.F.Soucy工場が操業停止期間を延長、Kruger/Corner Brook工場も森林火災のリスクあり一時停止中。Domtar/Grenada工場(23.5万㌧)は9月に無期限生産停止とした。

[上質紙]
輸入関税問題の影響から市場には不透明感が依然として強い。1Qは在庫確保のため輸入品中心に積み増しが行われたが、追加関税交渉の見極めから、4-5月は状況様子見となった。8月からの関税導入を前に、6-7月には再び、輸入で前倒しの動きが見られた。輸入は1-7月累計で前年比+50%増。国内需要(見かけの消費)は横ばいで、北米メーカーの出荷は同▲7%と低調。IP/Georgetown工場(昨年末、30万㌧)、Pixelle/Chillicothe工場(9月、40万㌧)、に加えIP/Riverdale工場(Selma)が来年3Qを目途に段原紙への転抄のため生産減となる。供給に引き締まりが見え、年後半には、稼働率の上昇と値上げを目指す動きが期待される。

[コート紙]
関税問題への対応で、輸入紙で在庫積み増しの荷動きが活発化した。しかし2Qは、在庫を保ちつつも、一転して市場は様子見となった。国内の需要(見かけの消費)と国内メーカーの出荷はともに減少傾向が続く。今後は、郵便料金の値上げ(7月~)が需要に与える影響が懸念されるが、積み増していた在庫の消化も進み、再び在庫補充の需要も期待される。8月からの追加関税の本格稼働を受け、欧州・韓国のメーカーからは、一部価格への転嫁の動きが出始めた。国内メーカーからも追随の姿勢が見られ、ほぼ価格修正の動きは出揃ってきた。

[中質紙]
1Qは供給の中心となるカナダ品で在庫積み増しが進んだが、2Qは過剰在庫の調整となり荷動きは低迷した。北米メーカーの稼働率は70%前半で依然として低調。欧州からの輸入が関税率の上昇で減少が懸念され、また非塗工上質紙が値上げとなれば、中質紙への代替需要も期待されるが、供給力に全く不安がなく、値上げの動きには繋がってこないと予想される。

[段原紙]
上半期の米国市場の段ボール出荷は、需要の低迷に加え、関税問題によるインフレ懸念、市場の不確実性で消費が停滞、前年比▲2.3%と低調となった。北米からの輸出も減少hしており、2-9月の間に複数のメーカーが、段原紙の生産停止を実行した(合計約380万㌧)。生産稼働率の上昇に繋がり、価格の上昇に期待がかかる。

欧州市況(9月度)

[新聞用紙]
8月の欧州市場の新聞用紙価格は横ばい。市況は供給過多と生産コスト増、カナダ品との競合で軟調である。

[印刷用紙/中質系印刷用紙]
8月のSC紙の市場価格は概ね前月から持ち越し。需要は低調である。非塗工紙のUPM/Ettringen工場(ドイツ)の停機につき、従業員側と条件交渉中。中質コート紙の需要は低調で、UPM/Kaukasu工場(フィンランド)の年内生産停止を発表した。Sappi/Kirkniemi工場2号機の生産停止とともに、供給の引き締めに期待。

[非塗工上質紙]
8月度の価格は、ドイツのコピー用紙が€20-30下落以外は、ほぼ前月横ばいで推移。夏の非需要期で需要は閑散としている。価格対応が必ずしも受注に繋がらないため、サプライヤー側は積極的な交渉には応じていない。APPが夏季休暇明けの学校関連需要、秋需を見越し5%の価格引き上げを発表。

[コート紙]
夏場の需要が低調で、需給も供給過多が更に加速、市場価格には強い下方圧力が働いている。ドイツ・フランスで、7-8月で在庫用(平判)価格が累計▲30ユーロ程度下落。一部の市場では、8月後半頃より更に▲30ユーロ下落となった。今後生産能力の更なる削減は避けられないという見方が専らである。

[段原紙]
TLBはほぼ全域で価格が下落。夏の非需要期、輸出の減少、原料古紙(OCC)の価格下落により、主要市場で概ね▲€20以上の下落となった。南欧はこれまで比較的堅調だったが、他地区のメーカーからの安値攻勢で、結局同様に▲€20下落した。KLBも同様に全域で価格が下落。イタリアでは、Mondi/Duino工場の新規マシン稼働、北米品の供給で▲€20以上の値下げとなった。

中国・香港・東南アジア市況(9月度)

[印刷用紙]
洋紙市場の価格は季節的な需要減少で更に下落。8月度価格は157g両面コート紙で前月比▲3.27%、70g高白上質紙で同▲2.52%となった。製紙メーカーの値下げ、在庫消化の圧力で値下がりは更に加速している。パルプ価格が底値と見た輸入パルプサプライヤーは、秋需も見越して、7-8月で段階的に値上げを打ち出したが、紙需要は依然として低調なため、値上げの実現はある程度限定的とみられる。

今後の見通しは、9月は供給過多と需要低迷の状況は変わらず、市況は依然低調な動きを予想。10-11月は出版入札、年末商戦の開始で、一時的な価格の反発も期待されるが、供給にはいまだに過多であり、実現される場合も値上げ幅は限定的なものとなろう。

[板紙]
中芯およびライナーの価格は、8月から上昇に転じている。上級グレード中芯120gの価格は、前月比+4.7%、白板紙(裏ネズ)の価格は同+1.01%となった。悪天候、洪水による原料古紙の発生、回収不足による価格の上昇、秋需に備えた段ボールメーカーの在庫補充で、大手紙メーカー中心に値上げが進められた。さらに、8月後半以降は、ナインドラゴンや理文などの広東省の工場中心に、白板紙の生産調整が行われている。

今後9月上旬にかけて価格の上昇は続くと予想されるが、中旬以降にはメーカーの生産調整が終了するため、再び価格の反落が懸念される。11月からは年末商戦による需要の回復が期待されるが、米国の輸入関税による荷動きへの影響、原料コストは、段原紙他板紙の市況変動要因ともなり注視が必要である。

【統計】7月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年7月の紙・板紙合計輸出は13万5,901トン(前年比11.0%減)、輸入は7万4,547トン(同4.5%増)となった。国内需要は160万1,212トン(前年比5.8%減)となった。
段ボール原紙、紙器用板紙の内需金額のみ前年比増加。

【統計】7 米国輸入状況

米国の2025年7月の紙・板紙の輸入は合計55万3,460トン(前年比13.5%減)、金額は5憶9,577万2千ドル(同15.2%減)となった。そのうち印刷用紙合計は23万3,500トン(同8.2%減)、金額は2億5,433万5千ドル(同11.7%減)と減少が続いた。
同1-7月累計は紙・板紙合計で425万4,529トン(同1.7%増)、46億7,145万4千ドル(同1.5%増)となった。

組合員向けにTableauにて詳細データを掲載しております。

米国 ファーストセール

輸入者が商品を輸入する際に課税価格を低減するために活用される方法。
輸入者が商品を購入する際の最初の売買契約(ファーストセール)に基づく価格を課税価格として申告することが認められている。これにより課税価格を削減できる可能性がある。なお、適用には架空取引ではない証明などの条件がある。

紙類紙類海外動向レポート
2025年第6号 2025年9月


Contents
海外動向トピックス
北米市況(8月度)                                欧州市況(8月度)
中国・香港・東南アジア市況(8月度)
【統計】5月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】5月 米国輸入状況
【資料】フィリピン中芯原紙輸入統計                                         【資料】第9回アフリカ開発会議(TICAD9)


海外情報トピックス

*インドネシアAPP傘下工場でライナー新マシンテスト生産
インドネシアの大手製紙メーカーAPPは、西ジャワ州のIKPPカラワン工場において、ライナーボード新マシンのテスト生産を開始した。マシン幅8.46m、速度1,450m/分で、年間70万トンの高品質ライナーボードを生産予定。テスト生産期間は約6か月。APPのインドネシアにおける段原紙の生産能力は約200万トンで、そのうちライナーは約半分を占めている。新マシンの稼働により、ライナーの生産能力は170万トン程度に増加となる。東南アジア市場では、供給過多と中国市場の不振により市況が低迷しており、更なる市況の軟化が懸念される。

*インド政府 インドネシアからの輸入白板紙にダンピングの実態調査を開始
インド政府の商工省傘下の貿易救済総局(DGTR)は、インドネシアから輸入されるバージンパルプベースの多層抄き白板紙に対してダンピングの疑いで調査を開始した。昨年10月には、中国とチリからの同品目の輸入についても調査を行っており、今回の調査はそれに続くもの。インドネシアのAPRIL社は2024年1月にスマトラ島ケリンチ工場で新しいFBB製造マシンを稼働させ、インドへの輸出が急増している。2025年までにインドネシアはスウェーデンを抜いてインドへの輸出第2位となった。インド製紙同業会(IPMA)は、インドネシアの国内市場での販売価格がインド国内メーカーの生産コストを下回っており、輸入増加がインドの製紙業界に甚大な被害を与えていると主張している。

*中国パルプメーカーによるフラッフパルプ生産能力の拡大
米中間の関税問題の応酬の影響から、中国が主に米国より輸入するオムツ用のフラッフパルプの輸入量が直近では急減しており、中国の紙パルプメーカーにフラッフパルプ生産への転換、あるいは新たな投資を進める動きが出始めている。(注;米国政府はブラジルに対し追加関税分を含む50%の関税の発動を主張していたが、後日パルプについては40%の追加分に関しては除外されることが判明。)
中国の海貨統計(GACC=General Administration of Customs)によると、2024年度の中国が米国より輸入したフラッフパルプの総数量は104万㌧であったが、輸入関税及び報復関税の応酬が高まる直近の、今年1-4月の月間平均輸入数量が8万㌧であったのに対し、5月度は5.8万㌧、6月度は3.2万㌧と急減している。今後の供給への不安が、中国メーカーのフラッフパルプ国内生産への投資意欲を促しており、最近では次のような計画が明らかになっている。
1)山東銀河瑞雪紙業: 既存の非木材パルプラインを廃棄、新たに30万トンの木材パルプ生産設備を設置する計画。そのうち15万トンがフラッフパルプの予定。
2)岳陽紙業: グループ企業の湖南駿泰紙業を通じ、40万トンのNBKPラインのうち約5万トンをフラッフパルプに転換予定。
3)保定瑞豊紙業: 既存18万トンの機械パルプ設備を改修、約5万トンのフラッフパルプを生産予定。
4)四川環龍集団: 25万トンの竹パルプの生産ラインを新設、そのうち20万トン程度はフラッフパルプ生産予定。
5)山東華泰紙業: 今年4月に稼働した70万トンのLBKPラインの一部をフラッフパルプの生産に充てる。

これらにより、輸入依存を軽くし、国内でのフラッフパルプを生産により供給の安定化を図る意図がある。

*米国政府当局 ブラジルSuzano社の輸入コピー用紙に対するアンチダンピング税率見直しに仮裁定
米国商務省(DOC)は2025年7月10日に、ブラジルのSuzano社から輸入されるコピー用紙がダンピング販売されているとして、アンチダンピングの仮裁定を下した。この調査は、2023年3月から2024年2月末までの輸入実績を対象に、Suzanoのコピー用紙が市場の平均価格より14.42%低い価格で輸入されていると結論づけた。最終裁定は120日以内に下される予定。米国最大のコピー用紙メーカーDomtarの申立てを受けて行われたもの。Suzanoに2016年以来、22.16%のダンピング課税が適用されていたが、最近の状況に基づき見直しが求められた。2025年1月から6月までの米国市場の平均価格は$1,625/トンに対し、ブラジルからの輸入品の平均価格は$931/トン、その差は47%に拡大している。両国間の輸入関税の応酬に基づき、Suzanoには関税率50%に加え14%が上乗せされ、合計64%が課されることが結論付けられた。

北米市況(8月度)

[新聞用紙]
1Qの需要は好調だったが、2Qでは輸入関税交渉や在庫調整の影響で減速した。6月の需要は前年比で特に大幅に減少している。2025年度も前年比▲14%程度の減少が予測される。輸出は全需要の半分以上を占めるが、1-6月の輸出量もアジア、欧州、南米各主要市場向けが減少した。カナダのメーカーはインド、欧州で安値オファーを展開している。国内外の需要減少により、北米メーカーの生産稼働率も前年同月を下回った。一部メーカーはコスト高に直面し、価格修正を検討している。

[上質紙]
北米市場の上質紙需要は、1Qは輸入関税問題で輸入品中心に在庫が増加したが、2Qには関税交渉で市場が硬直し、荷動きは鈍化した。6月には需要が一時的に回復したが、7月以降は再び鈍化している。関税導入への備えから輸入品シェアがアップする一方、需要は低調で、北米域内メーカーの出荷は減少している。
IP/Georgetown工場の生産停止は供給を引き締めたが、需要減と輸入増の陰でその効果は薄れた。今後、Pixelleの生産停止、関税率の上昇による輸入の落ち着きなどで、北米メーカーの生産稼働率は更に上昇すると予想される。
米国市場の上質紙価格は年初に値上げされ5月から7月は変動がなく、年度後半から再値上げが予想される。

[コート紙]
1Qに輸入紙の在庫が増加したが、2Qになると関税交渉の延長により市場が硬直化し、2Qの輸入は前年比で▲13-14%減となった。6月の需要と輸入も低調。1-6月の累計では、コート紙全体で、需要と輸入が前年より減少したが、輸入の割合は依然として高い。景気低迷で広告紙の需要が減少し、北米メーカーの出荷も減少している。それでも北米メーカーの稼働率は改善しており、供給の引き締めが理由である。今後も夏の非需要期と郵便料金値上げで、需要の回復は難しい。在庫が積み増されており、市況は軟調な推移が予想される。
北米市場の価格は横ばいだが、欧州品の輸入関税15%が確定し、Sappi/UPMが価格転嫁を発表した。韓国メーカーの動向が注目される。

[段原紙]
2023年上半期、米国市場での段ボール出荷量は前年比▲2.3%の減少となり、減少率が加速している。特に6月は、季節的需要の発生遅れ、今後へのインフレ圧力で、消費者・企業ともに物品購入を控え、前年比▲4.6%と低調。段原紙メーカーの生産量も前年比▲3.0%減で、海外市場も低調で、段原紙輸出も大幅に減少している。今年後半も相互関税の影響でインフレ圧力が懸念され、段ボール消費は低調に推移の見込み。需給対策は急務で、今年3月以降複数の工場で、約240万トンの段原紙生産が停止されている。

欧州市況(8月度)

[新聞用紙]
3Qの新聞用紙価格は、メーカー各社は価格下落要求に応じ、下方傾向での推移が予想される。需要は概ね想定内であるが、北米市場で苦戦するカナダのメーカーが、欧州市場で柔軟な価格対応を展開しており、概ね市況は軟調である。フランスを除く欧州市場では、€5-20の価格下落が見込まれる。英国では£15-20の下落が予想される。

[印刷用紙/中質系雑誌用紙]
SC紙の需要は低調で供給過多が続いており、市場価格は下方圧力を受けている。UPMのEttringen工場の生産停止予定があるが、これまで実行に関して具体的な発表はない。一方SappiはKirkniemi工場で非塗工中質紙の生産を開始しており、今後の市場の見通しは不透明である。

[非塗工上質紙]
上質紙の価格は6月から下落が始まり、7月ではさらに進行している。特にコピー用紙ではアジアメーカーの積極的な販売が供給過多を招き、欧州市場の広くで価格が下落している。ドイツ・フランス・英国などで特に価格の下落が顕著である。

[コート紙]
コート紙の価格下落は6月から始まり、7月に加速している。英国、ドイツ、南部欧州で価格が大幅に下落している。SappiのKirkniemi工場が非塗工中質紙への生産転換を発表したが、コート紙の供給過剰状態は依然続いており、市況の安定には生産能力の削減は必要である。

[段原紙]
テストライナーは、5月の値上げが7月には古紙価格の下落で元に戻り、4月以前の価格水準となった。注文促進のため値下げやリベートが見られるが、夏の非需要期で効果は限定的。英国とスペインは堅調、イタリアでは新マシン稼働で価格がさらに下落。クラフトライナーは比較的安定しているが、再生品ライナーの市況軟化の影響で、価格が崩れも一部で見られる。イタリアでは、ドル安で北米品が欧州の主要メーカーよりも安値で販売されている。

中国・香港・東南アジア市況(8月度)

[印刷用紙]
中国市場のコート紙は、印刷会社は必要な分のみ購入しており、依然として紙商の在庫は高止まりである。需要の低迷、パルプ価格の下落で、市場価格に改善は見られない。メーカー側は値上げを意図するものの、需要が脆弱で値上げに正当な理由は乏しく、実勢価格はさらに下落している。
香港市場も、需要の低迷により市況は軟調に推移している。中国メーカーが7月生産から値下げを行っており、夏場の非需要期を通じて価格の下落は続くと予想。米国向け出版物用は、関税政策がはっきりするまでは取引が保留され、需要の動きに影響を与えている。

中国市場の上質紙は、出版用途の需要が低調で、全体的に荷動きは鈍い。紙商は過剰な在庫を抱え、安値での在庫投げ売りが見られる。パルプ価格の下落により、先安感が広がっている。需要の回復は見られず、しばらく様子見の状況が予想される。価格戦争を食い止めるべく、中国政府は過剰生産を改める政策を打ち出し、正常な価格レベルに戻そうという雰囲気が業界にも広がっている。8月に大手製紙メーカーが値上げをアナウンスしており、今後の市場動向が注目される。
香港市場の上質紙は、6月以降も荷動きは鈍化している。パルプ価格の下落と中国メーカーの生産増強で、供給余力がますます拡大している。中国メーカーは7月生産から値下げを行っており、夏の非需要期を越えて市況が軟化することが予想される。

[板紙]
中国市場の7月の段原紙市場は、メーカーが価格復元を試みるも、低調な需要により価格はやや下落となった。大手メーカーの価格政策も様々で、中下旬には中小メーカーも値上げに追随する動きが見られた。段ボールメーカーの稼働率は50-70%で推移しており、在庫消化が遅れユーザーの購買意欲も依然として低調である。原料古紙の価格は堅調に推移しているため、コスト上昇が段原紙メーカーの利益を圧迫している。

【統計】6月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年6月の紙・板紙合計輸出は15万1,259トン(前年比11.6%減)、輸入は6万5,176トン(同6.8%増)となった。国内需要は147万6,406トン(同3.7%減)となった。
段ボール原紙、紙器用板紙は内需が増加。

【統計】6 米国輸入状況

米国の2025年6月の紙・板紙の輸入は合計59万2,144トン(前年比4.4%減)、金額は6憶3,736万2千ドル(同7.4%減)となった。そのうち印刷用紙合計は25万7,542トン(同3.8%減)、金額は2億7,598万5千ドル(同8.8%減)と減少が続いた。
同1-6月累計は紙・板紙合計で370万1,069トン(同4.4%増)、40億7,568万2千ドル(同4.5%増)となった。

組合員向けにTableauにて詳細データを掲載しております。

【資料】フィリピン中芯原紙輸入統計

フィリピン政府は2025年8月1日、中芯原紙(HS4805.19.10,90および4805.12.00)輸入に対しトン当たり3,438フィリピンペソ(日本円約9,000円)を課す200日間のセーフガード措置を発令した。   

2024年の当該輸入は合計17万1,386トン(前年比58%増)、金額は7,896.0万ドル(同66%増)で、日本から6万9,961トン(同42%増)、2,571万6千ドル(同34%増)、中国から5万4,378トン(同13倍増)、3,226万7千ドル(同10倍増)などとなった。

【資料】第9回アフリカ開発会議(TICAD9)
2025年8月20-22日 パシフィコ横浜
フォーラム「グローバルな援助構造とアフリカにおける課題」基調講演で西尾昭彦
世界銀行 開発金融担当副総裁は、援助提供者の過密化、ドナー資金によるプロジェクトの細分化、ドナー拠出金の低いレバレッジ、そして被援助国政府の迂回についての考察を述べた。

参考文献

21st-Century Africa: Governance and Growth https://openknowledge.worldbank.org/entities/publication/03bdf5e3-daba-404a-a638-25c5511c2376

Africa in the New Trade Environment: Market Access in Troubled Times https://openknowledge.worldbank.org/entities/publication/9c85ac1f-29cd-57a6-b3c2-ec5d50136bc8

Industrialization in Sub-Saharan Africa: Seizing Opportunities in Global Value Chains https://openknowledge.worldbank.org/entities/publication/a7fcc389-e024-5a8a-841c-4b32ad1b4ffe

紙類海外動向レポート
2025年第5号 2025年8月


Contents
海外動向トピックス
欧州市況(7月度)
北米市況(7月度)
中国・香港・東南アジア市況(7月度)
【統計】5月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】5月 米国輸入状況
【資料】米国関税動向


海外情報トピックス

*Suzano社 K-Cとの製造販売の合弁会社を欧州に設立 ティッシュ事業を世界的に拡大

Suzanoは、世界最大のパルプメーカーとして、Kimberly-Clark (K-C)との合弁会社を設立し、ティッシュ事業のグローバル展開を加速する。合弁会社は約34億米ドルを投資し、2026年半ばまでに欧州に設立される予定であり、本社はオランダに置かれる。Suzanoが51%、K-Cが49%の株式を保有する。
Suzanoは、K-Cの生産能力を活用し、世界市場へのアクセスを強化する。特に、K-Cの14か国22の生産拠点を活用し、欧州を含む主要市場でのプレゼンスを拡大する。また、ユーカリパルプの安定供給により、生産コストを低減し、競争力を強化する。
K-Cにとっても、この合弁会社は戦略的なメリットをもたらし、米国、メキシコ、韓国、バーレーンなどの市場に集中することが可能になる。これにより、効率的な資源配分と市場戦略の最適化が期待される。
この合弁会社は、SuzanoとK-C双方にとってティッシュ事業の世界的な拡大と効率化を実現する重要なステップとなる。

*インド政府 輸入紙に対して品質管理基準を強化の方向で検討

インド政府は、輸入書籍印刷用紙に対する品質管理基準(QCO)の導入を検討している。これにより、海外サプライヤーはインドの認証要件を満たすことが求められる。すべての書籍・印刷用紙はインド企画局(BIS)の認証を取得する必要がある。主に韓国、タイ、中国、インドネシアからの低品質な輸入品が対象となり、国内市場への影響が懸念されている。過去には、安価な紙板紙の輸入が国内製紙業界に打撃を与え、セーフガードやアンチダンピングの措置が検討されてきた。インド-アセアンFTAにより関税がゼロであるため、輸入が増加し、教育への投資を支える一方で、低品質品の流入が国内製紙業界の技術革新と供給能力向上の妨げとなっている。

*ナインドラゴンの増産計画が中国印刷用紙市場に与える影響

ナインドラゴン(Nine Dragons Paper)は、中国最大の紙パルプメーカーであり、湖北省の荊州工場と広西チワン族自治区の北海工場において大規模な増産計画を進めている。
荊州工場では、2022年に段原紙120万トンが稼働、2023年には機械パルプ60万トン、今年の3月には非塗工上質紙60万トン(35万トンと25万トンの2機)が生産を開始した。さらに、ここで6月末に、Andritz製の木材パルプ新ラインが稼働し、非塗工上質紙等の原料供給を強化する態勢を整えた。年産65万トンの能力を持つこのパルプ新ラインは、LBKP/NBKPの併抄が可能である。また、本年度はこのほかに、機械パルプ70万トンとコートアイボリー120万トンの新マシン稼働が予定されている。
一方、北海工場では、2022年第4四半期に段原紙80万トン、非塗工上質紙55万トン、機械パルプ20万トンの稼働を手始め、2024年1月には非塗工上質紙55万トン、さらに今年中には(本来の計画では第2四半期中)非塗工上質紙70万トンの新マシンが稼働する予定である。
両工場での新マシンの稼働により、今年は合計130万トンの非塗工上質紙が市場に供給される見込みで、既に供給過剰の状態にある市場に更に大量の供給増となり、供給過剰が悪化し、市況の回復の遅れが懸念される。

*北米段ボール市場の需要減少と生産調整の動向

北米の段ボール市場は、関税問題や景気の低迷により、需要と供給のバランスが大きく変化している。米国市場の第1四半期の段ボール実出荷量は前年同期比で2.1%減少し、2016年以来の最低レベルとなった。これは、関税問題や経済の不透明感が影響している。2023年の在庫調整期間を経て、2024年には一部回復が見られたが、実需を伴った需要には至っていない。
さらに、米国段原紙メーカーの輸出は本年第1四半期には前年比7.7%減少し、特に関税問題の応酬により、クラフトライナーの輸出はその後も大幅に減少している。1-5月累計のメキシコ向けは3.9%、中国向けは57.7%の減少となり、中国への輸出は関税問題の影響で一時商談がストップし、船積も見送られる状況となった。
このような状況に対応するため、段原紙メーカーは生産停止を進めており、2025年3月以降、IP/Red River, Campti工場、Greif、Smurfit Westrock/Forney工場、Georgia Pacific(GP)/Ceder Springs工場、Cascade/Niagara Falls工場が生産停止を発表、さらに直近ではCascadesがSpring Falls工場の中芯生産マシンを9月3日までに永続的生産停止とすることを発表した。北米の段原紙メーカー生産停止は、9月までに約240万トンに上る。
一方で、ND Paperは2024年4月以降に生産を停止していたBiron工場の25号機の生産再開を発表し、近日中に24万トンの再生ライナー及び未晒クラフト紙の生産が再開される見通しである。
このように、北米の段ボール市場は関税問題や経済の低迷により需要が減少し、輸出も低調な状況が続いている。今後も関税問題や経済状況、需給動向の変化には注視が必要である。

北米市況(7月度)

[新聞用紙]
北米市場の新聞用紙需要は、年初は好調だったが、輸入関税の影響で減少に転じた。1-5月の需要は前年同期比▲10.3%で、2025年度は▲13%の減少が予想される。輸出も1-4月累計で▲15%減少し、特に中国、欧州への輸出が大きく落ち込んでいる。5月の稼働率は95%へ上昇したが、中質紙への生産シフトが進んでいる。今後の市場動向によっては、代替需要の獲得や大規模な生産調整が必要となる。価格は6月も横ばいで推移している。

[印刷用紙]
米国市場における1-5月の印刷用紙の需要は前年同期比で▲2.3%の減少。構造的に雑誌や広告の需要減少が続き、景気の低迷を背景に企業の定期発刊物、請求書、各種書簡等の消費が減少している。第1四半期は輸入関税問題への懸念で、輸入品を中心に在庫の積み増しが需要を支えたが、第2四半期に入るとその影響は急速に後退。さらに、郵便料金の値上げが、今後の紙需要に悪影響を与えると予想される。

上質紙は、第1四半期に輸入関税問題の影響で輸入品中心に在庫確保が進み、累計需要は前年同期比▲1.7%の減少、輸入は+31.4%増加となり需要を支えた。しかし4月以降市場は様子見に入り、輸入は減少した。IP/Georgetown工場の生産停止(▲30万㌧)に続き、Pixelle Specialty Solution/Chillicothe工場が8月10日に生産停止となり、供給は一層タイトになることが予想される。本年後半には約40ドル値上げとなる可能性がある。
コート紙は、第1四半期に在庫積み増しがあったが、第2四半期に入ると、関税交渉の行方への懸念から、市場の動きは硬直した。景気の減速や郵便料金値上げの影響で、第2~3四半期の需要は5~8%程度押し下げられると予想される。供給面では、需要が低調であるにもかかわらず、生産削減等により北米メーカーの供給状況はタイトである。価格については、輸入塗工紙の主要メーカーが、今後の交渉次第で、輸入関税上乗せ分を価格転嫁するかどうかが注目される。

[段原紙]
米国市場の第1四半期の段ボール出荷実数は、前年比▲2.1%の大幅減少となった。第1四半期の米国段原紙メーカーの生産量は、前年比+0.4%となったが、輸出は段原紙全体でこの間同▲7.7%の減少となり、輸出は4月以降も減少が続いている。特にKLBの輸出は大幅な減少となった(1-5月累計で同▲11.8%)。北米市場の段原紙の価格は横ばいで推移しているが、低調な需要での推移のなか、原紙メーカーが値下げ要望に応じるケースも見受けられる。関税関連で市場は依然として不透明で、段原紙の需給は過多の状態である。今年3月以降9月までに、段原紙約240万㌧の生産削減が実施される。

欧州市況(7月度)

[新聞用紙]
6月の新聞用紙市場では、2Q契約分の価格が維持されている。需要は低位安定だが、中質系印刷用紙からの代替需要で比較的堅調である。平均稼働率は85-90%で推移しているが、コスト高の中で価格転嫁は厳しい状況。アジア向け輸出が低調な北米メーカーが、欧州市場で存在感を増しており、3Q交渉で価格下落の懸念がある。

[上質紙]
コピー用紙の需要が春以降低調、6月にはドイツ・フランスで€20-30の値下がりが見られた。南欧でも同様に値下がりが続いている。アジア品の流入が続き、値下げ基調が加速している。オフセット用もイタリアで€20下落、ドイツ・フランスで平判は€20程度下落。供給過多が続いており、市況の安定には生産能力削減が必要である。

[コート紙]
中国のパルプ価格下落が欧州にも波及し、6月にコート紙価格の下落が顕著になった。ドイツでは€20下落、フランス・スペインでは€10-20下落、イタリアでは最大€40の下落となった。夏場の非需要期には、価格対応も受注増に繋がらないため、供給サイドは価格変動を避けたいというのが本音である。市場は暫く硬直した動きを予想している。

[段原紙]
テストライナーがドイツ・フランスなどで前月から€40程度の値上げとなり、UK・スペインも横ばいで安定しているが、イタリアでは逆に最大€40の下落が見られる。これは新たに稼働したMondi/Duino工場の影響とみられる。クラフトライナーも一部で値上げが見られるものの、南欧市場では北米品の価格が据え置かれており、今後の段原紙の市況動向への影響が懸念される。

中国・香港・東南アジア市況(7月度)

[上質紙]
中国市場では、春先の出版用途需要が終わり、全体的に低調な荷動きが続いている。紙商は過剰在庫に苦しみ、安値での在庫投げ売りが見られる。パルプ価格の下落により先安感が広がり、需要回復の兆しはない。
香港市場でも、春の需要期が終わり、荷動きが鈍化している。中国メーカーの生産増強により供給余力が拡大している。パルプ価格の下落から、中国メーカーは7月生産より再度値下げを行っており、市況は軟化傾向が続くと予想される。

コート紙
中国市場では、印刷業者が必要な分だけを手当てする当用買い姿勢を続けており、紙商の在庫は概ね高止まり状態にある。パルプ価格の下落で市場価格は下落基調にある。メーカーは値上げ意向があるが、実需が伴なっておらず、価格は一段安となっている。
香港市場では、需要の低迷とパルプ価格の下落により市況は軟調である。中国メーカーが7月生産から再値下げを行い、価格低落がこの先も続く見込みである。米国向け出版物の再輸出品は関税政策の影響で取引が保留され、需要に影響を与えている。

板紙
中国市場の段原紙は、季節的な非需要期とEC商戦が低調であった影響で、内需が冷え込んでいる。市況の回復は暫く見込まれない。
香港市場では、アイボリーは中国メーカーの供給過剰で、市場価格の下落が続いている。白板紙は旧正月明け以降価格が下落しており、原料古紙の値上がりで一時的に価格上昇したものの、需要低迷により再び値下げに転じている。

東南アジア市場
東南アジア市場の紙板紙市場は、学校休業期間と長期休暇の影響で企業活動の停滞により、需要が減少している。印刷会社は機械設備を手放し、アウトソーシングや取次業務に焦点を当てる動きが増加している。米国との関税問題が紙需要に不確実性を与え、市況は価格の下落を伴う状況が続いている。市場価格は前月水準から更に軟化し、供給過多と在庫過剰により苦しい状況が続いている。

【統計】5月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年5月の紙・板紙合計輸出は14万604トン(前年比12.6%減)、輸入は7万3,032トン(同0.8%増)となった。国内需要は153万9,478トン(同2.8%減)となった。
内需no
内需、輸出減、輸入増の傾向が続いた。

【統計】5月 米国輸入状況

米国の2025年5月の紙・板紙の輸入は合計58万5,063トン(前年比4.7%減)、金額は6憶4,029万5千ドル(同5.3%減)となった。そのうち印刷用紙合計は24万7,839トン(同5.0%減)、金額は2億6,867万4千ドル(同8.5%減)と減少に転じた。
同1-5月累計は紙・板紙合計で310万8,925トン(同6.3%増)、34億3,831万9千ドル(同7.0%増)となった。

組合員向けにTableauにて詳細データを掲載しております。

【資料米国関税動向

米国トランプ大統領が公表した主要国に対する相殺関税は以下のとおり。(2025年7月22日現在)

Japan 15%, Philippines 19%, Indonesia 19%, Vietnam 20%, United Kingdom 10%, European Union 30%, Mexico 30%, Canada 36%, Brazil 50%

(参考)以下の国の2024年米国紙・板紙合計輸入額

Japan 4,362万2千ドル(関税額推計654万3千ドル)

Indonesia 2億4,834万1千ドル(同4,718万4千ドル)

Vietnam 3,676.0万ドル(同735万2千ドル)

紙類海外動向レポート
2025年第3号 2025年6月

Contents
海外動向トピックス
欧州市況(5月度)
北米市況(5月度)
中国・香港市況(5月度)
【統計】3月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】3月 米国輸入状況
【資料】2024年中国段ボール原紙新増設


海外情報トピックス

*北米における非塗工上質紙の生産削減
米国のPixelle Specialty Solutionsは、オハイオ州のChillicothe工場を閉鎖し、同工場での非塗工上質紙の生産を削減することを発表した。この工場では年間40万トンの非塗工上質紙が生産されており、北米市場における大幅な生産能力の削減となる。昨年末にはInternational PaperのGeorgetown工場(サウスカロライナ州)が閉鎖され、約30万トンの上質紙系の生産が削減されており、これに続く動きである。IP/Georgetownの減産により、北米の上質紙の供給は引き締まり、年初より価格上昇基調にあり、3-4月に累計で$40-の値上がりとなった。3月度の北米メーカーの稼働率は93%(昨年は88%)と急速に改善している。

北米市場の需給バランス改善が期待される一方で、関税問題は現在90日間の発動保留期間にあり、今後の進展は各国との交渉に委ねられているが、輸入品の供給に懸念をもたらす可能性があるため、即座に政府関係者と企業側は、Chillicothe工場の長期的な再建の道筋を探るべく、とりあえず閉鎖することを「一時停止」し、年末までは操業を継続することを、上記の発表から数日後に改めて発表しなおした。

北米の非塗工上質紙の生産量は、2023年度の630万トンから2024年度末には590万トンへと約5%削減となった。本年度は、IP/Georgetown工場の閉鎖(とPixelle/Chillicothe工場が年末までに閉鎖となれば)520万トン程度にまで減少する見込みである。今後の輸入関税の動向と北米メーカーの供給状況への注視が必要である。北米の上質紙メーカー毎の生産量は、Domtarが首位で195万トン(全体の37%)、Sylvamoが132万トン(25%)、PCAが50万トン(9%)、Pixelleが33万トン(6%)となっている。

*欧州市場における段原紙の新マシン稼働
オーストリアのHeinzelグループは、Laakirchen Papie工場での11号機を再生段原紙に転抄する計画を進めていた。当初は2023年半ばの稼働を予定していたが、コロナ感染拡大やロシアのウクライナ侵攻などの影響で度々延期されていた。しかし、本年4月上旬にようやく稼働に漕ぎつけた。生産能力は当初の年産55万トンから47万トンに下方修正されたが、2026年度中にはフル生産を目指している。ターゲット市場はオーストリア、イタリア、ドイツ、ポーランドなどである。

欧州市場では、今年度中に複数の段原紙の新マシンの稼働が予定されており、市況の一層の軟化が懸念されている。フランスではNorske SkogのGolbey工場1号機が新聞用紙から転抄し、4月末に稼働した。また、イタリアのMondiのDuino工場も第2四半期中に稼働を控えている。また更に2026年以降に稼働が後ろ倒しとなっているものもあり、これにはDS Smith&IP新会社のPorcari工場(イタリア)/Eren Paper(親会社トルコModern Karton)のShotton工場(英国)/Hamburger Container(トルコ)/Stora EnsoのLangerbrugge工場(ベルギー)などが含まれる。

*欧州委員会(EC)によるEUDRの実施要項の簡素化
欧州委員会(EC)は、昨年12月30日に発令された森林破壊防止規制(EUDR)の実施を容易にするため、規制の簡素化を行った。ECはガイダンス文書と頻出質問事項を更新し、大企業がEU市場内で流通した商品を再輸入する際に、既存のデューデリジェンス報告書(DDS)を使用できることを認めた。また、輸入の都度DDSを提出するのではなく、年度ごとの提出を義務付けることや、サプライヤーから入手したDDSの参照番号を記載することで提出できることも認めた。これにより、企業側の管理コスト負担が約30%軽減できると期待されている。ECは最終的に実施細目を法制化し、各国ごとのカントリーベンチマーク制度を導入することを目指している。

*北米における段原紙の生産削減
北米における段ボールの需要は、2022年以降減少傾向にあり、今年に入り第1四半期も実出荷量で前年同期比▲2.1%と低調に推移している。この需要の低迷は、供給過多にある段原紙生産メーカーに大きな影響を与えている。

段ボールの需要減少に伴い、北米の段原紙生産能力はここにきて大幅に削減が行われている。2023年末から2025年8月までの約20か月間で、約300万トンの生産能力が削減される予定である。具体的には、2023年末にInternational Paper (IP)がテキサス州のOrange工場で80万トンの生産を停止、今年に入ってからIPはルイジアナ州のRed River工場でも80万トンの生産を3月に停止した。さらに、Griefがマサチューセッツ州のFitchburg工場で約10万トンの再生段原紙マシンを5月に停止する予定である。直近では、IPと並び世界最大手の段原紙メーカーSmurfit Westrockも、7月にテキサス州のForney工場で38.5万トンの再生段原紙の生産を停止、またGeorgia Pacific(GP)のジョージア州Ceder Springs工場でも、8月までにKLB/中芯合計102万トンの生産停止が発表された。

これらの生産能力削減は、段ボールの需要が低調であることに直接結びついており、メーカーは市場の実需に対応するために生産を調整している。段ボールの需要が回復する兆しが見られない中、段原紙の生産能力削減は今後も続く可能性がある。

北米市況

「新聞用紙」
北米市場の新聞用紙の需要は減少し、第1四半期の見かけの消費は前年比▲6.6%となった。
北米メーカーの生産量も減少しているが、輸出が全出荷の51.2%を占めており、輸出への依存度が依然として高い。カナダ品の輸入関税懸念は緩和され、供給リスクは減少したが、需要は依然低調である。2024年度の米国市場の需要は約90万㌧、そのうちカナダからの供給が半分を占める。輸出の減少が続けば更に生産能力の削減が必要となり、輸出動向に注視が必要。

[上質紙]
米国市場では輸入関税の影響で不確実性が高まり、第1四半期は輸入品で在庫確保が進んだ。第1四半期の需要は前年比▲0.6%で、輸入品は需要の15.2%を占めた。生産稼働率は急速に改善したが(3月は93%)、生産削減による供給の引き締まりが背景にある。値上げは3-4月で段階的に$40-程度受け入れられた。その後の価格修正の動きは見られない。

[コート紙]
コート紙の需要は依然として減少しており、カナダ・その他アジアからの輸入品への依存度は高い。北米メーカーの生産稼働率も改善しているが(3月は86~92%)、これも上質紙同様、生産能力の大幅削減によるもの。関税問題の影響は発動の保留後、現在一時的に小休止しているが、今後は為替の動向(ドル安傾向)が輸入品の価格に影響を与える可能性が大きい。早速欧州系メーカーは価格上乗せを発表、値上げ圧力が強まることを予想。

[中質紙]
第1四半期の需要は前年比▲0.3%で、好調だった昨年同期同様好調である。カナダ工場からの出荷が80%以上を占め、その他の輸入品の割合は低く、関税問題の影響は受けづらい。他の印刷用紙からの代替需要も期待され、比較的安定した市況を予想する。

[段原紙]
米国の段ボール実出荷量は第1四半期が前年比▲2.1%と減少となった。段原紙の生産はこの間微増だが(+0.6%)、輸出は減少しており(▲7.7%)、特にメキシコと中国向けは低調。
段原紙の値上げは2023年後半以降累計$120-に及ぶが、ユーザー側の抵抗が強くなり、段ボールへの価格転嫁は進んでいない。段原紙の供給過多は負荷となっており、ここにきて急速に生産能力の削減が進められており、今後の需要動向と供給環境に注視が必要。

欧州市況

[新聞用紙]
第2四半期の契約交渉では、価格は第1四半期比でほぼ横ばいの決着となった。欧州メーカーは原燃料等コストアップ分を価格に転嫁しようと試みたが、低調な需要とカナダ品の攻勢等により、方針の変更を余儀なくされている。

[非塗工上質紙]
BurgoやSappiなどが4月以降の価格引き上げを打ち出したが、需要の低迷、供給過多に加えて、米国の追加輸入関税発動による市況への更なる影響を懸念し、ユーザー側でも様子見の姿勢が窺われるようになった。主要市場で逆に価格は下落しており、値上げは5月に持ち越されるも、市況は低調で非常に厳しい状況が予想される。

[コート紙]
Burgo、Lecta、Sappiなどが4月分以降の価格修正を発表したが、需要は依然低調で、値上げは事実上断念せざるを得ない状況となった。4月度はなんとか価格は現状維持に留まった。
メーカーの稼働率はコート紙全体で概ね75%前後で推移している。
Kabel Premiumが再建を目指し生産を再開したが、売却先の有無が注目されている。

[段原紙]
テストライナーはスペイン・英国等で3-4月になり今年初めて値上げが実現したが、ドイツ、フランスでは2月に続く4月の再値上げはユーザーの抵抗で難しい状況で、持ち越しとなった。クラフトライナーも値上げを表明しているが、南欧地区でドル安を背景に北米品が値上げを実施しておらず、こちらも持ち越しとなった。

中国・香港市況

[印刷用紙]
中国市場のコート紙は、雑誌・カタログの需要は減少が続いている。米中貿易摩擦による相互追加関税の発動が、市場にどのような影響を及ぼすかは全く不透明であり、市場は一様に様子見ムードが広がっている。紙市況が依然として低調で、パルプ価格にも下落の兆候が表れていることから、現状値上げが難しく、逆にユーザーからの値下げ要求に応じるケースも見られる。香港市場では、旧正月明けに値上げアナウンスがされたが、需要低迷が続き、ユーザーからの値下げ要求が強まった。パルプ価格も下落の兆しがあり、市場価格は下振れしやすくなっている。米国の関税問題の影響で、注文取り止めも出始め、需要の一層の減少が深刻である。
中国市場の上質紙は、印刷需要がデジタル化の影響で緩やかに減少が続いている。構造的な市況低迷に加え、米中貿易摩擦が印刷物の輸出案件にも影響しており、更に低調な状況が加速している。国内パルプの小売価格、輸入パルプともに価格に下落が見られ、平均価格は概ね軟化傾向にある。香港市場では、春先の出版物関連の需要も最盛期であるにも関わらず低調で、荷動きも停滞している。メーカー・流通業者ともに、受注を削減、在庫の削減を優先せざるを得ない状況で、価格は更に下落している。

[段原紙及び板紙]
中国市場では、4月前半に古紙パルプの価格が上昇し、中芯・ライナーの値上げが各メーカーから発表された。しかし、米中貿易摩擦の影響から段ボール需要は低迷しており、ユーザー側が積極的に在庫の積み増しをしないため、荷動きは非常に低調で、段原紙の価格は更に下落となった。追加関税の行方により、今後の市場動向には依然として不確定要素が多く、心理的な不安から、在庫削減を優先する傾向にあるため、市況は暫く軟化基調に推移すると予想される。
香港市場では、アイボリーの需要が減少、供給過多となっているため、サプライヤーはユーザーからの値下げ要求に応じざるを得ない状況である。流通側は米中貿易摩擦の影響で、在庫削減を優先するため、暫く値下がり基調が続く見通しである。白板紙はアイボリー市況と同様、旧正月明け以降価格は下落しており、4月に更に大きく下落となった。原材料の古紙は比較的安定した価格推移となっているが、販売価格の引き上げは難しく、メーカーの採算は一層厳しくなっている。

【統計】3月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年3月の紙・板紙合計輸出は18万3,765トン(前年比0.7%増)、輸入は7万2,779トン(同9.2%増)となった。国内需要は163万2,701トン(同0.8%減)となった。
内需の減少で輸出、輸入ともに増加した。

【統計】3月 米国輸入状況

米国の2025年3月の紙・板紙の輸入は合計74万8,630トン(前年比22.5%減)、金額は8憶859万5千ドル(同24.8%増)となった。そのうち印刷用紙合計は30万7,013トン(同22.7%増)、金額は3億4,121.0万ドル(同22.1%増)となった。
同1-3月累計は紙・板紙合計で174万9,679トン(同10.4%増)、21億4,257万1千ドル(同11.1%増)となった。

組合員向けにTableauにて詳細データを掲載しております。

【資料】2024年中国段ボール原紙新増設

単純に昨年の生産量の7-9%の増産があることとなるが、稼働率から考えれば、生産能力としてはそれ以上のところに、更に増産となる。ライナーでは大手メーカーは幾分影を潜め、新規企業による参入、増産もあるとみられる。

紙類海外動向レポート
2025年第2号 2025年5月

Contents
海外動向トピックス
欧州市況(4月度)
北米市況(4月度)
中国・香港市況(4月度)
【統計】2月 「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
【統計】2月 米国輸入状況
米国関税関連報道


海外情報トピックス

中国;ナインドラゴン 北海・荊州の大規模増産計画 非塗工上質紙の新マシン稼働
中国最大の紙板紙メーカー、ナインドラゴン(Nine Dragons)は、湖北省の荊州工場と広西チワン族自治区の北海工場で新しい非塗工上質紙の大型マシンを稼働予定。荊州工場では3月末に合計60万トン、北海工場では6月末に70万トンの生産能力を持つマシンが稼働する。この新マシンの稼働により、中国の印刷用紙市場の供給過剰がさらに悪化する懸念があります。

市場では、春節前後に各メーカーが長めの停機を行ったことで需給バランスが改善し、パルプ価格の底打ちに伴い2月に約200元の値上げが行われた。しかし、需要は低調で、市況の回復は遅く、価格修正はユーザーに受け入れられていない状況。市場価格の下方圧力が続く懸念がある。

中国;山東晨鳴紙業グループ 2工場でマシンが再稼働(コート紙及び高級板紙)
山東晨鳴紙業は、財政悪化と過剰生産の影響で、昨年11月に生産能力の70%以上を停止していたが、3月中旬に山東省寿光工場(コート紙マシン)と江西省南昌工場(コートアイボリー)を生産再開した。南昌工場は昨年12月に一時再開したものの、すぐに停止していた。また湖北省黄岡工場のパルプ生産は継続中で、吉林省吉林工場と広東省湛江工場は依然停止している。

インド;ITC社 Century Pulp & Paperの買収
インドの複合事業体企業グループ、ITC Ltd.は、Aditya Birla Real Estate Ltd(ABREL)から紙パルプ事業のCentury Pulp & Paper(CPP)を約349.8億インドルピー(約4.1億ドル)で買収することで合意した。この買収で、ITCはインド北部Uttarakhand州LalkuanにあるCPPの工場を含め、年産48万トンの生産設備を獲得する。ITCは南インドで約100万トンの板紙事業中心に展開、CPPの買収で印刷用紙、衛生用紙部門を加え、事業規模の拡大とポートフォリオの多様化を図る。衛生用ティッシュ紙分野への参入は初めて。

インド;中国産輸入化粧板原紙に対するアンチダンピング課税中間見直しに結論
インド商業産業省は、2021年12月に中国産輸入化粧板原紙に対するアンチダンピング課税を導入し、5年間の適用期限を2026年末とし現在運用中。この課税の適用実態につき、2024年3月以降中間期調査を開始、2023年4月から翌年3月の期間に付きレビューを実施した。その結果、最大手メーカーのKingdecor(Zhejiang)社に対し、課税額が従来の$116/mtから$542/mtに見直した。Shandong Boxing Ouhua Specialty/Zibo OU-Mu社には$110/mt、その他のすべてのメーカーには$542/mtが従来通り課されることとなった。対象の化粧板原紙は米坪40-130gsm、HS Codeは48059100および48022090。中国製化粧板原紙に関しては、欧州委員会(EC)もダンピングの疑いで調査を行ない、該当メーカーに対し31~34.9%の暫定税率を課す決定を下している。

北米市況

[新聞用紙]
1月から2月の新聞用紙は、関税の導入を前にカナダからの供給が増え、米国内の荷動きも好調であった。当初米国は、カナダに対し25%の追加関税導入を予定したが、4月上旬に90日間の保留となった。USMCA(米・カナダ・メキシコ3ヶ国協定)もあり、現状これら3か国間の紙板紙の取引は、実質ゼロ関税扱いとなっており、市場の不安感は一時的に緩和されている。関税実施に備えて、一時カナダと米国のメーカーは値上げの動きも見せたが、関税措置の保留により、値上げは棚上げとなっている。

[上質紙]
1月以降出荷分に対し、メーカー各社は5-8%(約$60)の値上げを発表したが、2月に入り、約$30の値上げが受け入れられ、3月は横ばいで推移した。相互関税発動を前に、2-3月の荷動きは堅調で、特に1-2月の輸入量は前年比57%増の15万トンとなった。しかし、関税措置発動の保留により、輸入コピーでは値下げによる発注確保の動きも見られるなど、市況への混乱も懸念されている。

[コート紙]
1-2月の北米の上質コート紙の需要(見かけの消費)は前年比▲4.4%減となった。関税措置による先行き不安から、北米メーカーの出荷は前年比▲7.7%減、輸入も同1.5%増に留まるなど低調な動きとなった。2月以降の契約分に対し、大手メーカーは$50の値上げを発表、3月末までに$25-50が受け入れられた。北米市場のコート紙は、輸入紙への依存度が高く、今後の関税措置の動向次第で、市況への影響が大きく左右されると予想される。

[中質紙]
北米の中質紙生産の80%以上はカナダからのもので、カナダからの供給状況は米国の市況に大きな影響を与える。カナダ品は現状実質ゼロ関税であり、米国市場ではカナダ品が欧州品よりも有利になると予想されるため、比較的安定した市況推移が見込まれる。1-2月は関税措置発動を意識した荷動きもあり好調であった。新聞用紙同様、カナダメーカーからは値上げの動きがあったが、関税措置保留で値上げは様子見となっている。

[段原紙]
段原紙は昨年度2度の値上げ($80-100)があり、今年2月も$40の値上げとなった。段ボールの1-2月の荷動きは低調で、3月も相互関税の発動が近づく中、原紙の発注には慎重な姿勢が見られた。また1-2月のKLBの輸出は前年比▲10%減となり、特に米国と関税の応酬が続く中国向けが▲38%の激減となった。段原紙は北米からは純輸出アイテムで、今後、関税の動向による世界レベルでの貨物の流れの変化、北米からの段原紙の輸出の動向の注視が必要である。

欧州市況

[新聞用紙]
多くの契約期間が3か月または6か月であり、3月度の価格に変化は見られない。新聞用紙メーカーの稼働率は90%近くにまで改善しているが、原料古紙、電力価格の高騰で、一部の工場では操業停止を余儀なくされている。第2四半期の価格交渉では、メーカーは8-10%の値上げを提示している。米国での関税問題が影響し、カナダのメーカーから積極的なオファーが見受けられる。

[印刷用紙]
上質紙は3月で概ね€10-程度下落となった。景気の低迷と米国の関税措置の影響から、欧州市場にも不透明感が出ており、市況は軟化が加速することが懸念されている。Burgo/Sappi等の大手メーカーが4月からの価格引き上げを発表している。また、ポルトガルのNavigator/Setubal工場が、上質紙(年産18万㌧)からクラフト紙への転抄の計画を明らかにした。

上質コート紙の3月価格は横ばいで推移した。生産コストの上昇、長引く需要の低迷で、メーカーの採算の改善が求められ、Lectaが4月から6-8%の値上げを発表した。

[段原紙]
TLBは2月に主要市場で€80-程度値上げ、3月は安定している。
他市場(イタリア・スペイン等)では3月に€30-50程度の値上げをした。
古紙価格高騰でSaicaなどが4月以降再値上げを発表した。
KLBはTLBの値上げを受け3月から€80-の値上げをした。
北米からのKLB供給は関税問題でユーザーに不安と警戒感がある。

中国・香港市況

[印刷用紙]
中国市場における印刷用紙市場は、3月に一部の大手メーカーが値上げ(+200元/㌧程度)を発表し、価格上昇の兆しが見られたが、月後半になると、パルプの在庫販売価格に軟化の兆しが出始め、需要も価格を下支えできるほどの力強さはないため、製品価格上昇への意向が持続できるかが不透明な状況となった。上質紙ではナインドラゴンの新しい上質紙マシンの稼働が近づき、市況の軟化が懸念される。

香港市場では、チェンミン紙業の昨年末からの操業停止の影響で、各社の値上げが行われてきたが、旧正月前後の市場低迷により、市場への影響は極めて限定的となっている。春先の本来の需要期にもかかわらず、荷動きは低調で、加えて米中間の報復関税の影響で、大手印刷会社を中心に影響が増大している。

[段原紙ほか板紙]
中国市場では、段原紙市況は低迷が続いている。原料古紙の価格も下落傾向にあることから、メーカーはユーザー側からの値下げの圧力への対応を余儀なくされている。採算悪化で原紙の値上げは急務であるが、需要が圧倒的に低迷しており、少なくとも価格の維持を図るべく模索している。米中間の関税の応酬が激化しており、この先さらに値下げ圧力が強まることが懸念される。

香港市場の箱用白板紙は、アイボリーは年末以降も引き続き値上げが画策されてきたが、春節を跨いで低調な需要が回復せず、増産の連続による供給過剰で市況に改善の兆しは見られない。

白板紙からアイボリー等への切り替えが進んでおり、需要も大幅に縮小している。

【統計】2月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)

2025年2月の紙・板紙合計輸出は16万268トン(前年比5.8%減)、輸入は6万7,909トン(同8.1%増)となった。国内需要は146万3,441トン(同3.5%減)となった。
国内需要の減少が貿易バランスに動きを示した。

【統計】2月 米国輸入状況

米国の2025年2月の紙・板紙の輸入は合計54万5,342トン(前年比3.5%減)、金額は6憶146万7千ドル(同2.2%減)となった。そのうち印刷用紙合計は21万9,335トン(同4.4%減)、金額は2億4,145万2千ドル(同5.7%減)となった。
同1-2月累計は紙・板紙合計で121万4,015トン(同3.7%増)、133億3,397万6千ドル(同4.1%増)となった。

組合員向けにTableauにて詳細データを掲載しております。

米国関税関連報道

「米国による追加関税及び各国との相互関税の問題は、紙・板紙にどの程度インパクトをもってくるのか、非常に不透明。カナダの製品に、現下は追加分の関税は免れているとはいえ、状況によっては米国のメーカーも、特定の品目で米国内の工場の稼働率を高めたり、カナダからの輸入するコスト増よりも自分たちのコストを抑えて、市場シェアを拡大するような動きも出てくるかもしれない。」

「一方、アジアの紙板紙市場では、韓国メーカーは、依然として北米への販売に暫く注力するのか、韓国国内需要増への“その辺の状況に応じて”対応していくということかと思われる。米国との間で報復関税が続く中国メーカーは、依然としてアジア各地で増販を図る(図らざるを得ない)だろうことから、市況は依然軟調に推移するだろう。アジアでも特に主要市場への影響が少ない地域、あるいはオセアニアなどに、上質紙、白板紙が攻勢をかけると考えられる。パルプ(特に米国産が殆どのフラッフパルプ)は、この関税の応酬でどうするか等が注目される。」

米国は1月30日、2月中にもコンピュータ部品、薬品、鉄、アルミニウム、胴、石油および天然ガスの輸入に対して関税を課すと発表した。これは先立って公表したカナダ、メキシコに対する25%、中国の10%の追加関税とは別のものになる。トランプ大統領はカナダ、メキシコ、中国からのフェンタニルの流入が止まらない限り課税を続けるとしている。(2/1)

ホワイトハウスのスポークスパーソンKush Desai氏は、カナダおよび他の相手国からの鉄およびアルミニウム輸入に対し、例外、除外なく25%の追加関税を課すと発表した。(3/12)

カナダは3月13日より206億ドルにのぼる米国製品に対し25%の追加関税を課すとした。それには鉄、アルミニウムのほかコンピュータ部品、スポーツ器具などが含まれている。EUは4月1日より米国産ウィスキー、オートバイ、モーターボートに対し50%の追加関税の策定を発表した。また、4月半ばから課す米国の菓子、鶏肉をはじめとする食品などの関税リストを策定した。(3/13)

トランプ大統領は4月2日から自動車、薬品、半導体製品などに対し相互関税を課すると宣言した。しかしながら、政府関係者はこれらの関税が4月2日に課されるかは流動的だと述べている。(3/24)

トランプ大統領は4月9日より100か国以上に対し第2次大戦以降最高率となる関税を発動した。
ベトナム、ラオス、カンボジアなど多くの東南アジア諸国は45%以上の税率で最も深刻な打撃をうけた。中国は84%の上乗せですべての中国製品の輸入には104%の関税率となる。
また、トランプ大統領2期以前の関税を含めた中国品の平均は125%となる。トランプチームは交渉しだいで関税の引き下げに応じるとしているが、今のところ何も達成していない。(4/9)

トランプ大統領は4月10日、およそ100か国に対する高関税を後退させた。10%の基礎関税は有効としながら、相互関税となる上乗せについては90日間猶予した。ただし、中国に対する125%の関税は「即時発動する」とした。(4/10)

数々のエコノミストは、トランプ大統領が国際的な関税の実効を延期したことにより、世界のリーダーは厳しい交渉を迫られると述べている。
二次トランプ政権による中国への関税は145%に増加し、最終的には減少の場合もあるが、すでに5,820万ドルにのぼる両国間の貿易の一部は停止の動きがでている。(4/11)